239 / 670
思いがけない贈り物
しおりを挟む
<side直純>
おじいちゃんのお家に行ける。それが決まってからワクワクが止まらない。
あまりにも嬉し過ぎて早起きしてしまった。
「学校が終わったら俺も大おじさんの家に向かうよ。絢斗さんが迎えにきてくれるからそれで一緒に帰ろう」
「はい。それまでおじいちゃんのお家で待ってますね」
昇さんを見送って、リビングでパパとあやちゃんと過ごしていると玄関のチャイムが鳴った。
こんな朝から誰がきたんだろう?
パパが急いで玄関に向かうと、
「あれ?」
と大きな声がしたかと思ったら、しばらくして大きな箱を運んできた。
「わっ! すごい! 何が届いたんですか?」
驚く僕の目の前にサイズの違う箱が三つも並んだ。
パパはサッと三つの箱の上部の閉じ目にカッターナイフを当て開けると一番大きな箱を開け、中に入っていたカードに目を通した。
「なるほど、そうだったか……。直くん、おいで。開けてごらん」
優しく呼びかけられて箱の前に立つ。ドキドキしながらパパが開けた箱に目を向けると柔らかくて白い紙のようなものが置かれていて中が見えない。それを取ると、見覚えのある黒いものが見えた。
「えっ? これ……」
てっぺんに触れるとモフッとした感触がして、すぐにわかった。
「ペンギンくん?」
びっくりしながら箱の中に腕を差し込んで持ち上げてみると、水族館で見たあのペンギンくんの少し大きいものが現れた。
「わぁー! この子、パパみたい!!」
「当たり! あのペンギンくんに家族がいたから一緒がいいかなって思ったんだよ」
あやちゃんが僕の隣でそう教えてくれる。
「僕もあの時家族みたい! って思ってたんです。じゃあ、こっちのはあやちゃんかな?」
ワクワクしながら少し小さい箱を開けると、パパペンギンくんより少し小さなペンギンさんが出てきた。
「わぁー、やっぱりあやちゃんに似てます!! あれ? じゃあこっちはなんだろう?」
「あれ? 卓さん、お願いしたのは二体だったよね?」
あやちゃんがパパに尋ねるとにっこりと笑って、
「こっちも開けてごらん」
と促された。
ドキドキしながら開けると、中には小さなペンギンちゃんがいた。
「可愛い! でも、あそこにはいなかったような……」
「このカードを見てごらん」
僕は小さなペンギンちゃんを抱っこしたまま、パパからカードを受け取った。
<この度は、ペンギンくんをお選びいただきありがとうございます。しかも家族一緒にお選びいただき大変光栄です。実はこのペンギンくんの家族にはもう一人小さな子がおり、メンテナンスのため一時的に私の工房に戻っておりました。このペンギンちゃんは少し寂しがりやさんでパパママとお兄ちゃんと離れて過ごすのは可哀想なのでこの子も一緒に可愛がっていただけると嬉しいです。ペンギンくん家族を末長くよろしくお願いします。ぬいぐるみ作家sara>
「この子はsaraさんから直くんへの贈り物だそうだよ」
「そんな……っ、嬉しいっ!!」
パパとママとお兄ちゃんとこの子。
まるでパパとあやちゃんと昇さんと僕、のように見える。
僕は可愛いペンギンさんたち家族に囲まれて幸せな気持ちでいっぱいになっていた。
部屋にいたペンギンくんをリビングに連れてきて、僕は四体のペンギンくんたちに囲まれた。
やっぱり見れば見るほどパパとあやちゃんと昇さんに似ている。
このちっちゃなペンギンちゃんはみんなから可愛がられているようで嬉しくなる。
僕もこのペンギンちゃんも幸せだな。
午前中の講義をしているあやちゃんの隣で、僕はペンギンちゃんたちと遊び、とうとう出発の時間になった。
僕にそっくりなペンギンちゃんだけを連れて、僕はあやちゃんと一緒におじいちゃんの家に向かった。
「おじいちゃんのお家ってどんなお家ですか?」
「うーん、まだ私も行ったことないんだけどマンションだって言ってたよ」
「マンション……」
僕の頭の中に実家の近くに立っていたマンションが浮かぶ。
そういえばそのマンションに小学校の時のクラスメイトがたくさん住んでいたな。
なんて思いながら、あやちゃんが運転する助手席に座っていると、
「あっ! あのマンションだよ」
と指をさして教えてくれた。
「えっ? あれが、おじいちゃんが住んでいるところ?」
あやちゃんが教えてくれたのはびっくりするほど高さのあるマンション。
しかも外観がものすごくかっこよくて豪華だ。
おじいちゃんってこんなすごいところに住んでいるの?
えー、なんだかドキドキしてきちゃったな。
おじいちゃんのお家に行ける。それが決まってからワクワクが止まらない。
あまりにも嬉し過ぎて早起きしてしまった。
「学校が終わったら俺も大おじさんの家に向かうよ。絢斗さんが迎えにきてくれるからそれで一緒に帰ろう」
「はい。それまでおじいちゃんのお家で待ってますね」
昇さんを見送って、リビングでパパとあやちゃんと過ごしていると玄関のチャイムが鳴った。
こんな朝から誰がきたんだろう?
パパが急いで玄関に向かうと、
「あれ?」
と大きな声がしたかと思ったら、しばらくして大きな箱を運んできた。
「わっ! すごい! 何が届いたんですか?」
驚く僕の目の前にサイズの違う箱が三つも並んだ。
パパはサッと三つの箱の上部の閉じ目にカッターナイフを当て開けると一番大きな箱を開け、中に入っていたカードに目を通した。
「なるほど、そうだったか……。直くん、おいで。開けてごらん」
優しく呼びかけられて箱の前に立つ。ドキドキしながらパパが開けた箱に目を向けると柔らかくて白い紙のようなものが置かれていて中が見えない。それを取ると、見覚えのある黒いものが見えた。
「えっ? これ……」
てっぺんに触れるとモフッとした感触がして、すぐにわかった。
「ペンギンくん?」
びっくりしながら箱の中に腕を差し込んで持ち上げてみると、水族館で見たあのペンギンくんの少し大きいものが現れた。
「わぁー! この子、パパみたい!!」
「当たり! あのペンギンくんに家族がいたから一緒がいいかなって思ったんだよ」
あやちゃんが僕の隣でそう教えてくれる。
「僕もあの時家族みたい! って思ってたんです。じゃあ、こっちのはあやちゃんかな?」
ワクワクしながら少し小さい箱を開けると、パパペンギンくんより少し小さなペンギンさんが出てきた。
「わぁー、やっぱりあやちゃんに似てます!! あれ? じゃあこっちはなんだろう?」
「あれ? 卓さん、お願いしたのは二体だったよね?」
あやちゃんがパパに尋ねるとにっこりと笑って、
「こっちも開けてごらん」
と促された。
ドキドキしながら開けると、中には小さなペンギンちゃんがいた。
「可愛い! でも、あそこにはいなかったような……」
「このカードを見てごらん」
僕は小さなペンギンちゃんを抱っこしたまま、パパからカードを受け取った。
<この度は、ペンギンくんをお選びいただきありがとうございます。しかも家族一緒にお選びいただき大変光栄です。実はこのペンギンくんの家族にはもう一人小さな子がおり、メンテナンスのため一時的に私の工房に戻っておりました。このペンギンちゃんは少し寂しがりやさんでパパママとお兄ちゃんと離れて過ごすのは可哀想なのでこの子も一緒に可愛がっていただけると嬉しいです。ペンギンくん家族を末長くよろしくお願いします。ぬいぐるみ作家sara>
「この子はsaraさんから直くんへの贈り物だそうだよ」
「そんな……っ、嬉しいっ!!」
パパとママとお兄ちゃんとこの子。
まるでパパとあやちゃんと昇さんと僕、のように見える。
僕は可愛いペンギンさんたち家族に囲まれて幸せな気持ちでいっぱいになっていた。
部屋にいたペンギンくんをリビングに連れてきて、僕は四体のペンギンくんたちに囲まれた。
やっぱり見れば見るほどパパとあやちゃんと昇さんに似ている。
このちっちゃなペンギンちゃんはみんなから可愛がられているようで嬉しくなる。
僕もこのペンギンちゃんも幸せだな。
午前中の講義をしているあやちゃんの隣で、僕はペンギンちゃんたちと遊び、とうとう出発の時間になった。
僕にそっくりなペンギンちゃんだけを連れて、僕はあやちゃんと一緒におじいちゃんの家に向かった。
「おじいちゃんのお家ってどんなお家ですか?」
「うーん、まだ私も行ったことないんだけどマンションだって言ってたよ」
「マンション……」
僕の頭の中に実家の近くに立っていたマンションが浮かぶ。
そういえばそのマンションに小学校の時のクラスメイトがたくさん住んでいたな。
なんて思いながら、あやちゃんが運転する助手席に座っていると、
「あっ! あのマンションだよ」
と指をさして教えてくれた。
「えっ? あれが、おじいちゃんが住んでいるところ?」
あやちゃんが教えてくれたのはびっくりするほど高さのあるマンション。
しかも外観がものすごくかっこよくて豪華だ。
おじいちゃんってこんなすごいところに住んでいるの?
えー、なんだかドキドキしてきちゃったな。
1,523
あなたにおすすめの小説
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
テーラーボーイ 神様からもらった裁縫ギフト
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はアレク
両親は村を守る為に死んでしまった
一人になった僕は幼馴染のシーナの家に引き取られて今に至る
シーナの両親はとてもいい人で強かったんだ。僕の両親と一緒に村を守ってくれたらしい
すくすくと育った僕とシーナは成人、15歳になり、神様からギフトをもらうこととなった。
神様、フェイブルファイア様は僕の両親のした事に感謝していて、僕にだけ特別なギフトを用意してくれたんだってさ。
そのギフトが裁縫ギフト、色々な職業の良い所を服や装飾品につけられるんだってさ。何だか楽しそう。
αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました
小池 月
BL
大学一年の半田壱兎<はんだ いちと>は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。
壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。
加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。
大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。
そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢<あいかわ ひろむ>だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。
☆BLです。全年齢対応作品です☆
僕を振った奴がストーカー気味に口説いてきて面倒臭いので早く追い返したい。執着されても城に戻りたくなんてないんです!
迷路を跳ぶ狐
BL
社交界での立ち回りが苦手で、よく夜会でも失敗ばかりの僕は、いつも一族から罵倒され、軽んじられて生きてきた。このまま誰からも愛されたりしないと思っていたのに、突然、ろくに顔も合わせてくれない公爵家の男と、婚約することになってしまう。
だけど、婚約なんて名ばかりで、会話を交わすことはなく、同じ王城にいるはずなのに、顔も合わせない。
それでも、公爵家の役に立ちたくて、頑張ったつもりだった。夜遅くまで魔法のことを学び、必要な魔法も身につけ、僕は、正式に婚約が発表される日を、楽しみにしていた。
けれど、ある日僕は、公爵家と王家を害そうとしているのではないかと疑われてしまう。
一体なんの話だよ!!
否定しても誰も聞いてくれない。それが原因で、婚約するという話もなくなり、僕は幽閉されることが決まる。
ほとんど話したことすらない、僕の婚約者になるはずだった宰相様は、これまでどおり、ろくに言葉も交わさないまま、「婚約は考え直すことになった」とだけ、僕に告げて去って行った。
寂しいと言えば寂しかった。これまで、彼に相応しくなりたくて、頑張ってきたつもりだったから。だけど、仕方ないんだ……
全てを諦めて、王都から遠い、幽閉の砦に連れてこられた僕は、そこで新たな生活を始める。
食事を用意したり、荒れ果てた砦を修復したりして、結構楽しく暮らせていると思っていた矢先、森の中で王都の魔法使いが襲われているのを見つけてしまう。
*残酷な描写があり、たまに攻めが受け以外に非道なことをしたりしますが、受けには優しいです。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる