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天使との対面
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<side絢斗>
<もうすぐ着く?>
車に乗り込んでからも何度も皐月からメッセージが届く。
よっぽど待ち遠しくてたまらないらしい。
今日のホームパーティーも、悠真くんや真琴くんたちとの家族の時間もあったほうがいいよねと気を利かせて、お昼の少し前に到着して、夕方くらいに帰ると言うスケジュールを考えていたけれど、皐月がせっかく直くんと会えるのにそれじゃ全然足りないと言うから結局十時着の夕食まで食べて帰ることになってしまった。
それくらい今日のこの日を楽しみにしてくれている。
いつもなら皐月たちの家の地下駐車場に車を止めさせてもらうけれど、今日は初めて来る直くんのために玄関から入ってきてと言われている。
きっと玄関で何か歓迎の何かを考えてくれているんだろうと思う。
直くんにはそのことは何も言っていないからきっと驚くだろうな。
もう悠真くんと伊織くんも、真琴くんと成瀬くんも来ているはずだから直くんを見てどんな反応をするか楽しみだ。
何より皐月がどんな反応をするか……。
いや、なんとなくそれはわかる気がする。
だって、私も皐月の立場ならそうしてしまうだろうから……。
「また鳴宮くんか?」
「うん。楽しみで仕方がないみたいだよ」
卓さんにそんな返事をしつつ、
<あと五分くらいで着くよ>
とメッセージを送った。
すぐに<りょーかい!>と可愛いウサギのスタンプがかえって来る。
笑顔でこのスタンプを押しているんだと思うとつい私も笑顔になってしまうな。
「あ、直くん。もうすぐだよ」
昇くんは何度も行っているからさすが皐月の家をよく知っている。
「すごく大きな家ばっかりですね。なんだかドキドキします」
「確かに大きな家だけど、すっごく居心地がいいから安心するはずだよ」
昇くんが直くんに教えてあげているけれど、皐月と志良堂教授の家をそんなふうに思っていたんだ。なんか嬉しい。
言われていた通り、一階にある来客用の駐車場に卓さんが車を止めた。
私が卓さんにエスコートされるように、直くんも昇くんにエスコートされながら車を降りている。
いつも車に乗るたびにそうだから、直くんもそれが普通なんだと思ってきたみたい。
卓さんはそんな昇くんと直くんの姿に満足しているようだ。
「皐月ー! 来たよー!」
玄関チャイムを鳴らして、声をかける。
「鍵開いてるよー!」
そんな言葉がかえってきて、思わず笑ってしまう。
「直くん、こっちにおいで」
開けてすぐに直くんの姿が確認できる場所に直くんを立たせて扉を開けた。
直くんの後ろにはちゃんと昇くんも控えているから安心だ。
扉が開くと、パンッ、パンッ、パンッ! と大きな音で出迎えられる。
「直くん、いらっしゃーい!!」
「えっ、えっ……っ」
皐月と真琴くんと悠真くんの姿に驚く直くんと私たちの前にヒラヒラとしたものがゆっくりと落ちていく。
どうやらさっきの音はクラッカーだったみたい。
直くんは初めてこんな形で出迎えられて茫然としていたけれど、その表情には嬉しさが滲み出ている。
きっとこんなに歓迎されたのが嬉しくてたまらないんだ。
そして、目の前にずっとあいたかった天使ちゃんがいたことにようやく気づいたみたい。
「あ、天使、さん……」
直くんがポツリと言った言葉にすぐに悠真くんが反応する。
「直くん、真琴に会いたかったんだよね。中でゆっくりおしゃべりしようか」
「は、はい」
笑顔の悠真くんに誘われて、直くんは顔を真っ赤にしている。
だって、悠真くんも真琴くんとよく似ていて、綺麗な天使さんなんだから。
「行こう! 行こう!」
「絢斗も来て!」
直くんが真琴くんと悠真くんに連れて行かれるのを見て、皐月も私に声をかける。
私は急いで靴を脱いで皐月と一緒に三人について行った。
<side昇>
いつもなら地下駐車場に入っていく車が一階にある駐車場に止まった。
これは多分直くんのためなんだろう。
それか皐月さんが何か考えているのか……。
皐月さんはいつも楽しく出迎えてくれて明るくて優しい人だ。
絢斗さんと幼稚園時代からの親友というのも頷ける。
直くんをエスコートして降り、絢斗さんが玄関チャイムを鳴らすと鍵が開いているという返答が来た。
それだけでもう何かあることは間違いない。
俺は気合いを入れて、直くんの後ろに立って扉が開くのを待った。
すると、大きなクラッカーの音に出迎えられて、驚きのあまり直くんは後ずさった。
その身体をそっと支えていると、直くんの声が聞こえた。
「天使、さん……」
ずっと会いたいと言っていた直くんの天使さん、それは真琴さんだ。
直くんが真琴さんに見惚れているのが誰の目にもわかる。
真琴さんを溺愛している成瀬さんに威圧されないかとそれだけが心配だったけれど、恐る恐る成瀬さんに視線を向けるとなぜか直くんを見て笑顔を浮かべている。
「えっ……」
信じられないものを見たと思ってしまうほど、成瀬さんの穏やかな表情に驚きしかない。
茫然としていると、直くんは真琴さんと悠真さん、それに皐月さんと絢斗さんに囲まれてさっさと家の中に入って行ってしまった。
「磯山。昇くんも、とりあえず中に入ってくれ」
玄関先に俺と伯父さんが残されたまま立っていると、宗一郎さんが声をかけてくれた。
「皐月が直くんを驚かせてしまったようだな。悪い」
「いや、確かに驚いていたが歓迎されて喜んでいたから大丈夫だよ。それより、成瀬くん……」
伯父さんが成瀬さんに声をかけると、成瀬さんはいつもの表情で伯父さんを見た。
「磯山先生、どうかされましたか?」
「いや、てっきり直くんに嫉妬するんじゃないかと思っていたから驚いたよ。君も寛大になったんだな」
そんな伯父さんの言葉に、伊織さんの方が先に笑みを溢した。
「成瀬は直くんを見て安心しただけですよ。あの子の目には可愛い天使に出会えたという喜びしか見えませんでしたから。成瀬、そうだろう?」
成瀬さんは伊織さんをチラッと見ると、伯父さんに笑顔を向けた。
「流石に私も中学生相手に嫉妬なんてしませんよ」
「そうか、それもそうだな」
伯父さんは成瀬さんの言葉に納得していたけれど、俺は覚えている。
もうすぐ中学生になる俺が真琴さんと初めて会った時、とんでもない威圧を受けまくって真琴さんの半径三メートル以内に近づけなかったのを……。
あの時、俺は思いっきり敵認定されていたに違いない。
<もうすぐ着く?>
車に乗り込んでからも何度も皐月からメッセージが届く。
よっぽど待ち遠しくてたまらないらしい。
今日のホームパーティーも、悠真くんや真琴くんたちとの家族の時間もあったほうがいいよねと気を利かせて、お昼の少し前に到着して、夕方くらいに帰ると言うスケジュールを考えていたけれど、皐月がせっかく直くんと会えるのにそれじゃ全然足りないと言うから結局十時着の夕食まで食べて帰ることになってしまった。
それくらい今日のこの日を楽しみにしてくれている。
いつもなら皐月たちの家の地下駐車場に車を止めさせてもらうけれど、今日は初めて来る直くんのために玄関から入ってきてと言われている。
きっと玄関で何か歓迎の何かを考えてくれているんだろうと思う。
直くんにはそのことは何も言っていないからきっと驚くだろうな。
もう悠真くんと伊織くんも、真琴くんと成瀬くんも来ているはずだから直くんを見てどんな反応をするか楽しみだ。
何より皐月がどんな反応をするか……。
いや、なんとなくそれはわかる気がする。
だって、私も皐月の立場ならそうしてしまうだろうから……。
「また鳴宮くんか?」
「うん。楽しみで仕方がないみたいだよ」
卓さんにそんな返事をしつつ、
<あと五分くらいで着くよ>
とメッセージを送った。
すぐに<りょーかい!>と可愛いウサギのスタンプがかえって来る。
笑顔でこのスタンプを押しているんだと思うとつい私も笑顔になってしまうな。
「あ、直くん。もうすぐだよ」
昇くんは何度も行っているからさすが皐月の家をよく知っている。
「すごく大きな家ばっかりですね。なんだかドキドキします」
「確かに大きな家だけど、すっごく居心地がいいから安心するはずだよ」
昇くんが直くんに教えてあげているけれど、皐月と志良堂教授の家をそんなふうに思っていたんだ。なんか嬉しい。
言われていた通り、一階にある来客用の駐車場に卓さんが車を止めた。
私が卓さんにエスコートされるように、直くんも昇くんにエスコートされながら車を降りている。
いつも車に乗るたびにそうだから、直くんもそれが普通なんだと思ってきたみたい。
卓さんはそんな昇くんと直くんの姿に満足しているようだ。
「皐月ー! 来たよー!」
玄関チャイムを鳴らして、声をかける。
「鍵開いてるよー!」
そんな言葉がかえってきて、思わず笑ってしまう。
「直くん、こっちにおいで」
開けてすぐに直くんの姿が確認できる場所に直くんを立たせて扉を開けた。
直くんの後ろにはちゃんと昇くんも控えているから安心だ。
扉が開くと、パンッ、パンッ、パンッ! と大きな音で出迎えられる。
「直くん、いらっしゃーい!!」
「えっ、えっ……っ」
皐月と真琴くんと悠真くんの姿に驚く直くんと私たちの前にヒラヒラとしたものがゆっくりと落ちていく。
どうやらさっきの音はクラッカーだったみたい。
直くんは初めてこんな形で出迎えられて茫然としていたけれど、その表情には嬉しさが滲み出ている。
きっとこんなに歓迎されたのが嬉しくてたまらないんだ。
そして、目の前にずっとあいたかった天使ちゃんがいたことにようやく気づいたみたい。
「あ、天使、さん……」
直くんがポツリと言った言葉にすぐに悠真くんが反応する。
「直くん、真琴に会いたかったんだよね。中でゆっくりおしゃべりしようか」
「は、はい」
笑顔の悠真くんに誘われて、直くんは顔を真っ赤にしている。
だって、悠真くんも真琴くんとよく似ていて、綺麗な天使さんなんだから。
「行こう! 行こう!」
「絢斗も来て!」
直くんが真琴くんと悠真くんに連れて行かれるのを見て、皐月も私に声をかける。
私は急いで靴を脱いで皐月と一緒に三人について行った。
<side昇>
いつもなら地下駐車場に入っていく車が一階にある駐車場に止まった。
これは多分直くんのためなんだろう。
それか皐月さんが何か考えているのか……。
皐月さんはいつも楽しく出迎えてくれて明るくて優しい人だ。
絢斗さんと幼稚園時代からの親友というのも頷ける。
直くんをエスコートして降り、絢斗さんが玄関チャイムを鳴らすと鍵が開いているという返答が来た。
それだけでもう何かあることは間違いない。
俺は気合いを入れて、直くんの後ろに立って扉が開くのを待った。
すると、大きなクラッカーの音に出迎えられて、驚きのあまり直くんは後ずさった。
その身体をそっと支えていると、直くんの声が聞こえた。
「天使、さん……」
ずっと会いたいと言っていた直くんの天使さん、それは真琴さんだ。
直くんが真琴さんに見惚れているのが誰の目にもわかる。
真琴さんを溺愛している成瀬さんに威圧されないかとそれだけが心配だったけれど、恐る恐る成瀬さんに視線を向けるとなぜか直くんを見て笑顔を浮かべている。
「えっ……」
信じられないものを見たと思ってしまうほど、成瀬さんの穏やかな表情に驚きしかない。
茫然としていると、直くんは真琴さんと悠真さん、それに皐月さんと絢斗さんに囲まれてさっさと家の中に入って行ってしまった。
「磯山。昇くんも、とりあえず中に入ってくれ」
玄関先に俺と伯父さんが残されたまま立っていると、宗一郎さんが声をかけてくれた。
「皐月が直くんを驚かせてしまったようだな。悪い」
「いや、確かに驚いていたが歓迎されて喜んでいたから大丈夫だよ。それより、成瀬くん……」
伯父さんが成瀬さんに声をかけると、成瀬さんはいつもの表情で伯父さんを見た。
「磯山先生、どうかされましたか?」
「いや、てっきり直くんに嫉妬するんじゃないかと思っていたから驚いたよ。君も寛大になったんだな」
そんな伯父さんの言葉に、伊織さんの方が先に笑みを溢した。
「成瀬は直くんを見て安心しただけですよ。あの子の目には可愛い天使に出会えたという喜びしか見えませんでしたから。成瀬、そうだろう?」
成瀬さんは伊織さんをチラッと見ると、伯父さんに笑顔を向けた。
「流石に私も中学生相手に嫉妬なんてしませんよ」
「そうか、それもそうだな」
伯父さんは成瀬さんの言葉に納得していたけれど、俺は覚えている。
もうすぐ中学生になる俺が真琴さんと初めて会った時、とんでもない威圧を受けまくって真琴さんの半径三メートル以内に近づけなかったのを……。
あの時、俺は思いっきり敵認定されていたに違いない。
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