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直くんに届いた荷物
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<side賢将>
思いがけない祐悟くんからの贈り物は直くんを大いに喜ばせた。
それにしても祐悟くんも粋なことをしてくれるものだ。
フランスの彼らのもとに自ら届けに行き、動画まで撮ってくれるとはな。
もしかしたら祐悟くんと同行していた可愛い恋人くんのおかげなのかもしれないが、毅くんと二葉さんがプレゼントを受け取った時のあの唯一無二の表情は一度きりのものだから動画に残すことができて本当によかった。
マフラーを手にして喜んでいる彼らの姿を見ていた直くんのあの嬉しそうな表情。
あれもまたこのリビングに設置してあるカメラが鮮明に映していることだろう。
卓くんが戻ってきたらそのことを忘れずに伝えておかないとな。
毅くんと二葉さんにも直くんのあの嬉しそうな表情を見せてやりたいものだ。
絢斗と直くんの抱擁を眺めていると、玄関チャイムの音が聞こえた。
昇にしては早いなと思っていたが、どうやら荷物が届いたようだ。
絢斗と直くんが受け取りに向かおうとしていたが、可愛らしい涙を浮かべた今の二人を配達人に見せたら卓くんからも昇からも怒られそうだ。
インターフォンを覗くと若い配達人の姿が見える。
配達ボックスに入れておいてもらってよかったが、直接受け取って直くんに渡してあげるのもいいだろう。
すぐに向かう旨を伝えて玄関に向かうと配達人から可愛らしい小さな箱を受け取った。
差出人は<成瀬真琴>との記載がある。
私が日本にいなかった十年の出来事は、絢斗や卓くん、それに寛さんからもいろいろと教えてもらった。
この差出人の真琴くんは、絢斗と卓くんの教え子で今は弁護士となっている成瀬くんの恋人だ。
直くんのためにフランスまで荷物を届けにいってくれた祐悟くんの会社の秘書をやっている子の弟でもある。
ちなみに祐悟くんの会社の秘書くんは、伊織くんの恋人でもあるというのだから世の中狭いものだ。
その成瀬くんの恋人が差出人の名前を<成瀬>という表記にしているところを見ると、正式には籍を入れているということのなのだろう。
成瀬くんのことはよく知っているが、まさか彼が男性の恋人を作って、しかもその相手と籍まで入れるとは思いもしなかったな。
私が日本にいない十年の間に、成瀬くんだけでなく、伊織くんにも祐悟くんにもそして、観月くんたちにも恋人ができ、それが揃って男性の恋人とは……なんとも不思議な縁だな。
だが、みんな幸せだというのだからこれも運命なのだろう。
私が秋穂と出会って運命を感じ、そして絢斗のような可愛い息子を得て幸せな日々を過ごしたように、彼らも今最高に幸せな時間を過ごしているのだろうな。
秋穂……私は一生、秋穂だけを愛すると誓うよ。
私の運命は、一生秋穂だけだ。
年甲斐もなく感傷的になりながら扉を閉め、受け取った小包を絢斗と直くんの元に持っていく。
「お父さん。荷物、真琴くんからだった?」
「ああ、そうだったよ。ほら」
絢斗に渡すとそれがそのまま直くんに手渡される。
「見て、直くん。可愛い箱だね。真琴くんっぽい。早速開けてみようよ」
「はい!」
そんな二人の姿が兄弟のようで微笑ましく思っていたが、そういえばこの二人は戸籍の上でも兄弟なのだと思い出して思わず笑ってしまう。
二人の可愛らしい姿を少し離れた場所から見守っていると、小さな箱が開けられ中から何やら綺麗な糸が出てくるのが見えた。
「ほお、それはなんだね?」
「ミサンガの材料だよ。直くんが作りたいって言ったから真琴くんが送ってくれたんだよ」
「ミサンガ……」
ああ、プロミスバンドのことか。
アフリカで海外派遣医療スタッフとして仕事をしていた際ポルトガル人の医師が腕につけていたのを思い出す。
家族から送られたものだと嬉しそうに話していたな。
「お父さん、これ……直くんが昇くんに作るために真琴くんから送ってもらったから、昇くんには内緒にしてね」
「はは、なるほど。そういうことか。わかったよ」
だから昇のいないこの時間に届けてくれたんだな。
直くんからのプロミスバンドか。昇のやる気が増しそうだな。
「あの……あやちゃん」
「どうしたの?」
「僕……お父さんにも、ミサンガを作って贈ろうかなって思って……」
「お父さんって……直くんのお父さん?」
絢斗の質問に直くんは小さく頷いた。
「お父さんに手紙とミサンガを送ることってできますか?」
「直くん……うん、大丈夫だよ。絶対に届けてもらうから」
絢斗のはっきりとした返事に直くんはホッとした表情を浮かべた。
直くんのお父さんか……。
直くんと離れて過ごして自分がいかに無力だったかを知って、自分がそばにいることは直くんにとっていいことでないと判断し、直くんに別れを告げたと聞いている。
だが、偶然にも私がドバイで会い、話をした彼は今でも直くんを愛していた。
もし、彼の元に直くんからのプロミスバンドが届いたら……。
きっと彼らの距離は縮まることだろう。
このプロミスバンドが二人の仲を取り持つアイテムになるのかもしれない。
思いがけない祐悟くんからの贈り物は直くんを大いに喜ばせた。
それにしても祐悟くんも粋なことをしてくれるものだ。
フランスの彼らのもとに自ら届けに行き、動画まで撮ってくれるとはな。
もしかしたら祐悟くんと同行していた可愛い恋人くんのおかげなのかもしれないが、毅くんと二葉さんがプレゼントを受け取った時のあの唯一無二の表情は一度きりのものだから動画に残すことができて本当によかった。
マフラーを手にして喜んでいる彼らの姿を見ていた直くんのあの嬉しそうな表情。
あれもまたこのリビングに設置してあるカメラが鮮明に映していることだろう。
卓くんが戻ってきたらそのことを忘れずに伝えておかないとな。
毅くんと二葉さんにも直くんのあの嬉しそうな表情を見せてやりたいものだ。
絢斗と直くんの抱擁を眺めていると、玄関チャイムの音が聞こえた。
昇にしては早いなと思っていたが、どうやら荷物が届いたようだ。
絢斗と直くんが受け取りに向かおうとしていたが、可愛らしい涙を浮かべた今の二人を配達人に見せたら卓くんからも昇からも怒られそうだ。
インターフォンを覗くと若い配達人の姿が見える。
配達ボックスに入れておいてもらってよかったが、直接受け取って直くんに渡してあげるのもいいだろう。
すぐに向かう旨を伝えて玄関に向かうと配達人から可愛らしい小さな箱を受け取った。
差出人は<成瀬真琴>との記載がある。
私が日本にいなかった十年の出来事は、絢斗や卓くん、それに寛さんからもいろいろと教えてもらった。
この差出人の真琴くんは、絢斗と卓くんの教え子で今は弁護士となっている成瀬くんの恋人だ。
直くんのためにフランスまで荷物を届けにいってくれた祐悟くんの会社の秘書をやっている子の弟でもある。
ちなみに祐悟くんの会社の秘書くんは、伊織くんの恋人でもあるというのだから世の中狭いものだ。
その成瀬くんの恋人が差出人の名前を<成瀬>という表記にしているところを見ると、正式には籍を入れているということのなのだろう。
成瀬くんのことはよく知っているが、まさか彼が男性の恋人を作って、しかもその相手と籍まで入れるとは思いもしなかったな。
私が日本にいない十年の間に、成瀬くんだけでなく、伊織くんにも祐悟くんにもそして、観月くんたちにも恋人ができ、それが揃って男性の恋人とは……なんとも不思議な縁だな。
だが、みんな幸せだというのだからこれも運命なのだろう。
私が秋穂と出会って運命を感じ、そして絢斗のような可愛い息子を得て幸せな日々を過ごしたように、彼らも今最高に幸せな時間を過ごしているのだろうな。
秋穂……私は一生、秋穂だけを愛すると誓うよ。
私の運命は、一生秋穂だけだ。
年甲斐もなく感傷的になりながら扉を閉め、受け取った小包を絢斗と直くんの元に持っていく。
「お父さん。荷物、真琴くんからだった?」
「ああ、そうだったよ。ほら」
絢斗に渡すとそれがそのまま直くんに手渡される。
「見て、直くん。可愛い箱だね。真琴くんっぽい。早速開けてみようよ」
「はい!」
そんな二人の姿が兄弟のようで微笑ましく思っていたが、そういえばこの二人は戸籍の上でも兄弟なのだと思い出して思わず笑ってしまう。
二人の可愛らしい姿を少し離れた場所から見守っていると、小さな箱が開けられ中から何やら綺麗な糸が出てくるのが見えた。
「ほお、それはなんだね?」
「ミサンガの材料だよ。直くんが作りたいって言ったから真琴くんが送ってくれたんだよ」
「ミサンガ……」
ああ、プロミスバンドのことか。
アフリカで海外派遣医療スタッフとして仕事をしていた際ポルトガル人の医師が腕につけていたのを思い出す。
家族から送られたものだと嬉しそうに話していたな。
「お父さん、これ……直くんが昇くんに作るために真琴くんから送ってもらったから、昇くんには内緒にしてね」
「はは、なるほど。そういうことか。わかったよ」
だから昇のいないこの時間に届けてくれたんだな。
直くんからのプロミスバンドか。昇のやる気が増しそうだな。
「あの……あやちゃん」
「どうしたの?」
「僕……お父さんにも、ミサンガを作って贈ろうかなって思って……」
「お父さんって……直くんのお父さん?」
絢斗の質問に直くんは小さく頷いた。
「お父さんに手紙とミサンガを送ることってできますか?」
「直くん……うん、大丈夫だよ。絶対に届けてもらうから」
絢斗のはっきりとした返事に直くんはホッとした表情を浮かべた。
直くんのお父さんか……。
直くんと離れて過ごして自分がいかに無力だったかを知って、自分がそばにいることは直くんにとっていいことでないと判断し、直くんに別れを告げたと聞いている。
だが、偶然にも私がドバイで会い、話をした彼は今でも直くんを愛していた。
もし、彼の元に直くんからのプロミスバンドが届いたら……。
きっと彼らの距離は縮まることだろう。
このプロミスバンドが二人の仲を取り持つアイテムになるのかもしれない。
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