ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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少しだけ……※微

<side卓>

昼食を食べる時間も惜しくて仕事をしていると、食事に行くと言って出て行ったはずの中谷くんが急に私の机にやってきた。

「もう帰ってきたのか?」

「これ、先生の分です」

渡されたのは近所のパン屋のレジ袋。
中には透明なケースに入った美味しそうなミックスサンドが入っていた。

「わざわざ買ってきてくれたのか?」

「いえ、僕のパンも買ってきたのでついでですよ」

そんな言葉を返してきたが、私のためだというのはわかっていた。

「ありがとう。コーヒーを淹れよう」

私が早く終わらそうと躍起になっている中、中谷くんは私の心配をしてわざわざ買いに行ってくれた。
その気持ちがありがたかった。

美味しいサンドイッチに舌鼓を打っていると、事務所宛に郵便が届いた。

「いいよ。私が受け取ってこよう」

さっと立ちあがろうとする中谷くんを制して、私が荷物を受け取りに行った。
それにしても今日は何か荷物が届く日だっただろうか?
そう思いつつ扉を開くと、いつもの配達人に渡されたのは小さな箱が二つ。

「先生と、事務員の方へのお荷物が届いてます」

それだけ告げて私に手渡すと、配達人は笑顔で帰っていった。

「中谷くん宛の荷物?」

もちろんここで働いているのだし、中谷くんがやりとりをしてくれることもあるのだから中谷くん宛の荷物が決してないわけではないが、私宛の荷物と同じ包み紙なのが気になる。

そっと差出人を見て驚いた。

「えっ?」

まさかの差出人の名前に足が止まった。

「先生、何か困ったことですか?」

「あ、いや……これ、中谷くん宛の荷物だよ」

「えっ? 僕に、ですか?」

私から荷物を受け取った中谷くんは、差出人を見ても不思議そうにしていた。
おそらく全く思い当たらないのだろう。

なんだろう? と言いつつ、引き出しからカッターを取り出して箱を開け始めた。
丁寧に開けた箱の中から出てきたのは、見覚えのある包み紙とメッセージカード。

中谷くんはそのメッセージカードを見ると、一気に顔を赤らめた。

「どうした?」

「あの……瑠璃さんからの、クリスマスプレゼントでした」

カードを渡されて、私もそれに目を通す。

<一星くん。少し早めのクリスマスプレゼントです。これで恋人さんと楽しい時間を過ごしてね。できたら恋人さんとの写真を送ってください。楽しみにしています。瑠璃>

箱に入っていた包み紙は、直くんのカチューシャが入っていたものと同じもの。
とすると、おそらく絢斗から中谷くんに恋人ができた話を聞いたのだろう。

それで、直くんにカチューシャを購入したついでに、中谷くんと絢斗に同じようなものを購入した。

いや、瑠璃さんのことだ。それだけでは済まないな。
二葉さんにも同じようなものを購入しているだろう。

今頃、フランスにも届いているのかもしれない。

「プレゼントって、これ……なんでしょう?」

赤らんだ顔で包み紙を開けようとする中谷くんに私は慌てて声をかけた。

「いや、家か……もしくは新海さんが迎えにきてくれた車の中ででも開けたほうがいい」

新海さんより早く私が目にしたとなれば、余計な嫉妬を受けそうだ。
なんとかしてここで開けるのを止めさせて、今日はもう早く帰るように促した。

予定よりも少し早めに中谷くんが新海さんの迎えを要請した頃、私のスマホにも絢斗から今から帰るという連絡が入った。

残りの作業を驚くべき速さで終わらせて、私と中谷くんは二人で、愛しい伴侶の到着を待った。
そして、絢斗が帰ってくるのと同じタイミングで新海さんも中谷くんを迎えにやってきた。

彼らを見送り、急いで絢斗を抱きかかえて自宅に戻る。
鍵をかける時間すら惜しいほど、久しぶりの絢斗との二人っきりの時間の始まりに興奮していた私に、絢斗は笑顔で唇を重ねた。

「絢斗……っ」

軽くキスをして唇を離す絢斗を強く抱きしめる。もっとキスがしたい。
だが、絢斗に笑顔で見つめられる。

「卓さん……今は、少しだけ……ねっ」

絢斗の言いたいことはわかっている。今、がっつきすぎたら寝室から出られなくなると。
せっかくの二人っきりの時間を楽しみたい。そう言ってくれているのだ。

「ああ、わかってる。だから少しだけ、な」

必死に欲望を抑えて、絢斗を抱きかかえて寝室ではなくリビングに連れて行った。
いつもなら直くんがいるだろう場所には、今日は誰もいない。

絢斗をソファーに横たわらせて、ジャケットを脱ぎながら絢斗と甘いキスをする。
絢斗のシャツを脱がせながら、露わになった首筋に顔を埋めて絢斗の甘い匂いに酔いしれる。

チュッと吸い付けば、絢斗の色白の肌に花びらがついた。

「絢斗……綺麗だ」

「卓さんも、脱いで……私も、つけたい」

絢斗の可愛いおねだりにすぐに理性が飛びそうになるのを必死に抑えて、私は絢斗に見せつけるように服を脱ぎ捨てた、
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