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心強い協力者
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「片付けは私が……」
「いや、私がすると決まっているから気にしないでいい。それより冬貴に見せたいものがあるんだ。久代くんと一緒にこっちに来てくれないか?」
幸せのままに食事を食べ終わり、片付けだけでも手伝おうと思ったが断られてしまった。
そればかりか、久代さんと共にある部屋に連れて行かれる。
もちろん周平さんの傍らには浅香さんの姿もある。
それにしても周平さんとは長い付き合いだが家の中を案内されたのは初めてだ。
私の家に周平さんが来たのも引越しの時くらいで、二人で時間を合わせて飲む時もマンションの中にあるBARで飲んでいたから家に入る必要がなかったからな。
家の間取りも違うから、どこに連れて行かれているのかもわからない。
「ここだよ」
周平さんが扉を開け放して、私と久代さんに中を見せてくれる。
「――っ、これは……」
「久代くんの服、今着ているのは冬貴のだろう? お節介だとは思ったが、なかなか買いに出る時間もないだろうと思ってさっき店から運ばせておいた。久代くんのサイズのものを揃えておいたから好きなものを持っていくといい」
「周平さん……」
今日本当は久代さんの服を選びに行こうと思っていた。
だがいろんな事実がわかって買いに行く時間が取れなかった。
だから明日にでもまた時間を作ろうと思っていたが、まさかこんなにもたくさん用意してくれているなんて思ってもなかった。
「要さん、周平さんの服。どれも素敵だから好きなの選んで。あ、こんなのはどうかな?」
嬉しそうな浅香さんに手を引かれて部屋の中に入っていく久代さんを見ていると、
「冬貴は自分のを着せておきたいだろうが、それは家の中だけで楽しめばいい。外ではやはりサイズに合った服が必要だろう? どれも一点物の新品だから安心していいぞ」
周平さんにこそっと耳元で囁かれる。
どうやら私の考えは全て周平さんにはお見通しだったようだ。
「ありがとうございます。料金はすべて私が支払いますから」
「冬貴の相手の服だ。料金なんていらないから好きなだけ持っていくといい」
「ですが……」
そうすると久代さんの服を周平さんに買ってもらうようでなんとなく手放しで喜べない。
「ははっ。冬貴もみんなと一緒だな」
「えっ? みんな?」
「伊織も誠一もユウも、ああ、この前は崇史くんも愛しい相手の服は自分で支払うと言っていたよ。冬貴もそうなんだろう?」
「はい。周平さんのお気持ちだけいただきます」
「ああ。わかった。ほら、久代くんと一緒に選んでこい」
浅香さんにどれも似合うと渡されて困っているようだ。
それはそうだな。あれだけミニマリストも驚くほどの少ないものだけで生きてきたんだ。
こんなにもたくさんの衣装を前にして、久代さんがあれもこれも選べるとは思えない。
「これ、もいいですね。あ、こっちも。あとは、あっ! これも必要ですね。それから………」
「あ、あの……もう、大丈夫です。こんなにたくさんは……」
次々に購入用のハンガーラックにかけていく私を見て、久代さんが止めようとしてくるが、正直言ってまだまだ足りない。
「私が久代さんに着ていただきたいんです。迷惑でしょうか?」
「えっ、そ、そんな迷惑だなんて……そんなことはないです」
「それならよかった」
迷惑じゃないと言質が取れれば問題ない。
それからしばらく服を選び、結局周平さんが用意してくれた服のほとんどを自宅に持ち帰ることになった。
元々が何も持っていないと言っていいくらいの服しかないのだから、本当にこれでも足りないくらいだ。
「周平さん、もう少ししたら冬物を買いに行きます」
「ああ。新作を取り揃えておくから楽しみにしていてくれ。この服はハンガーラックのまま運んでいいか?」
「はい。ありがとうございます」
「私も一緒に運ぼう。敬介は久代くんと部屋で待っていてくれ」
「はい。要さん、リビングに戻ろう」
浅香さんがいてくれて本当に助かる。
荷物搬入用のエレベーターでハンガーラックのまま我が家に運び入れ、そのまま玄関の右側からオープンクローゼットに繋がる場所にハンガーラックを一旦置いておいた。後で久代さんのクローゼットにかけておけばいい。
一人暮らしには広すぎるオープンクローゼットだったが、これも久代さんの服を収納するためだったのかもしれないと思うと、たまらなく嬉しくなっていた。
「ハンガーラックはこのまま使ってくれても構わないし、不要なら引き取るから遠慮なく言ってくれ」
「わかりました。周平さん、今日は本当にありがとうございました」
「いや、私も冬貴の相手が気になっていたから、楽しかったよ。あの時の件はすべて解決したんだろう?」
「はい。八尋さんの件も含めて解決しましたが、久代さんに新たな事実がわかって今、倉橋くんと成瀬と話をしているところです」
「倉橋くんと、ユウ? それは、そういう内容なのか?」
「はい。その件で、実は周平さんにもお願いしようと思っていたんです」
後で電話かメッセージでも送ろうと思っていたが目の前にいるならその方が話が早い。
浅香さんが久代さんを見てくれている間にすべて話しておこう。
「私にできることならなんでも協力するが、なんだ?」
「実は………」
久代さんが実父に騙されて高校を辞め就職をした会社が玻名崎商会で、そこで悪質なパワハラとセクハラ行為を受け、自殺未遂をしていたことを告げ、奴らに報復したいと考えていることを話した
「ただ久代さんがそのような行為を受けていたのが十五年以上前なので、警察では証拠不十分という結果になりそうで……」
「なるほど、だから私と倉橋くんとユウに、というわけだな」
「はい。倉橋くんの場合は別の理由もあって協力してくれてます」
「別の理由?」
「実は、久代さんの実父が藤乃くんの義父だったんです」
「なっ――そんなことが? それは驚いたな。なるほど、それなら協力は惜しまないな。わかった。どんなことでも手を貸そう。冬貴の相手がこれから安心して過ごしていけるようにな」
「ありがとうございます、周平さん。奴らの今の所在については成瀬が三日以内に探し出すと言ってくれているので、情報が入り次第連絡します」
「わかった。待ってるよ」
心強い味方を得て、私と周平さんは久代さんと浅香さんが待つ部屋に戻った。
「いや、私がすると決まっているから気にしないでいい。それより冬貴に見せたいものがあるんだ。久代くんと一緒にこっちに来てくれないか?」
幸せのままに食事を食べ終わり、片付けだけでも手伝おうと思ったが断られてしまった。
そればかりか、久代さんと共にある部屋に連れて行かれる。
もちろん周平さんの傍らには浅香さんの姿もある。
それにしても周平さんとは長い付き合いだが家の中を案内されたのは初めてだ。
私の家に周平さんが来たのも引越しの時くらいで、二人で時間を合わせて飲む時もマンションの中にあるBARで飲んでいたから家に入る必要がなかったからな。
家の間取りも違うから、どこに連れて行かれているのかもわからない。
「ここだよ」
周平さんが扉を開け放して、私と久代さんに中を見せてくれる。
「――っ、これは……」
「久代くんの服、今着ているのは冬貴のだろう? お節介だとは思ったが、なかなか買いに出る時間もないだろうと思ってさっき店から運ばせておいた。久代くんのサイズのものを揃えておいたから好きなものを持っていくといい」
「周平さん……」
今日本当は久代さんの服を選びに行こうと思っていた。
だがいろんな事実がわかって買いに行く時間が取れなかった。
だから明日にでもまた時間を作ろうと思っていたが、まさかこんなにもたくさん用意してくれているなんて思ってもなかった。
「要さん、周平さんの服。どれも素敵だから好きなの選んで。あ、こんなのはどうかな?」
嬉しそうな浅香さんに手を引かれて部屋の中に入っていく久代さんを見ていると、
「冬貴は自分のを着せておきたいだろうが、それは家の中だけで楽しめばいい。外ではやはりサイズに合った服が必要だろう? どれも一点物の新品だから安心していいぞ」
周平さんにこそっと耳元で囁かれる。
どうやら私の考えは全て周平さんにはお見通しだったようだ。
「ありがとうございます。料金はすべて私が支払いますから」
「冬貴の相手の服だ。料金なんていらないから好きなだけ持っていくといい」
「ですが……」
そうすると久代さんの服を周平さんに買ってもらうようでなんとなく手放しで喜べない。
「ははっ。冬貴もみんなと一緒だな」
「えっ? みんな?」
「伊織も誠一もユウも、ああ、この前は崇史くんも愛しい相手の服は自分で支払うと言っていたよ。冬貴もそうなんだろう?」
「はい。周平さんのお気持ちだけいただきます」
「ああ。わかった。ほら、久代くんと一緒に選んでこい」
浅香さんにどれも似合うと渡されて困っているようだ。
それはそうだな。あれだけミニマリストも驚くほどの少ないものだけで生きてきたんだ。
こんなにもたくさんの衣装を前にして、久代さんがあれもこれも選べるとは思えない。
「これ、もいいですね。あ、こっちも。あとは、あっ! これも必要ですね。それから………」
「あ、あの……もう、大丈夫です。こんなにたくさんは……」
次々に購入用のハンガーラックにかけていく私を見て、久代さんが止めようとしてくるが、正直言ってまだまだ足りない。
「私が久代さんに着ていただきたいんです。迷惑でしょうか?」
「えっ、そ、そんな迷惑だなんて……そんなことはないです」
「それならよかった」
迷惑じゃないと言質が取れれば問題ない。
それからしばらく服を選び、結局周平さんが用意してくれた服のほとんどを自宅に持ち帰ることになった。
元々が何も持っていないと言っていいくらいの服しかないのだから、本当にこれでも足りないくらいだ。
「周平さん、もう少ししたら冬物を買いに行きます」
「ああ。新作を取り揃えておくから楽しみにしていてくれ。この服はハンガーラックのまま運んでいいか?」
「はい。ありがとうございます」
「私も一緒に運ぼう。敬介は久代くんと部屋で待っていてくれ」
「はい。要さん、リビングに戻ろう」
浅香さんがいてくれて本当に助かる。
荷物搬入用のエレベーターでハンガーラックのまま我が家に運び入れ、そのまま玄関の右側からオープンクローゼットに繋がる場所にハンガーラックを一旦置いておいた。後で久代さんのクローゼットにかけておけばいい。
一人暮らしには広すぎるオープンクローゼットだったが、これも久代さんの服を収納するためだったのかもしれないと思うと、たまらなく嬉しくなっていた。
「ハンガーラックはこのまま使ってくれても構わないし、不要なら引き取るから遠慮なく言ってくれ」
「わかりました。周平さん、今日は本当にありがとうございました」
「いや、私も冬貴の相手が気になっていたから、楽しかったよ。あの時の件はすべて解決したんだろう?」
「はい。八尋さんの件も含めて解決しましたが、久代さんに新たな事実がわかって今、倉橋くんと成瀬と話をしているところです」
「倉橋くんと、ユウ? それは、そういう内容なのか?」
「はい。その件で、実は周平さんにもお願いしようと思っていたんです」
後で電話かメッセージでも送ろうと思っていたが目の前にいるならその方が話が早い。
浅香さんが久代さんを見てくれている間にすべて話しておこう。
「私にできることならなんでも協力するが、なんだ?」
「実は………」
久代さんが実父に騙されて高校を辞め就職をした会社が玻名崎商会で、そこで悪質なパワハラとセクハラ行為を受け、自殺未遂をしていたことを告げ、奴らに報復したいと考えていることを話した
「ただ久代さんがそのような行為を受けていたのが十五年以上前なので、警察では証拠不十分という結果になりそうで……」
「なるほど、だから私と倉橋くんとユウに、というわけだな」
「はい。倉橋くんの場合は別の理由もあって協力してくれてます」
「別の理由?」
「実は、久代さんの実父が藤乃くんの義父だったんです」
「なっ――そんなことが? それは驚いたな。なるほど、それなら協力は惜しまないな。わかった。どんなことでも手を貸そう。冬貴の相手がこれから安心して過ごしていけるようにな」
「ありがとうございます、周平さん。奴らの今の所在については成瀬が三日以内に探し出すと言ってくれているので、情報が入り次第連絡します」
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心強い味方を得て、私と周平さんは久代さんと浅香さんが待つ部屋に戻った。
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