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宝の地図で借金返すって本気か!?

8話

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「こうやって二人で冒険をするのも懐かしいですね。」
ガブがそんなことを言う。たしかにそうだな。それに二人でしたのは1回だけだけどな。
「あのときはトラとライオンのキメラに攻撃で死にそうになってましたね。今ならすぐに倒せそうですけど。」

ガブが懐かしむようなそんな笑いをみせている。まぁ、あのときも今もリリーの攻撃がなければ勝てるわけもないし、安全に戦うためにはミシェルが必須だよな。

冷静に振り返ってみると、俺たちは二人に救われてばかりだったんだなと実感する。そうだな、気が向いたら感謝でもするか。

「あ、いました!あそこに一匹!ミツルさん!お願いいたします!」
「いや、無理だよ。俺には。」
「ええええ!」
なんで驚くというんだ。無理に決まっている。

「じゃあなんで2手に別れたんですか!」
「こうしたら俺たちはゆっくりとすることが出来る。無効といたら一応あちらこちらを駆け回らなきゃいけないだろう?」
「そ、そんな。じ、じゃあ一匹!一匹だけでも頑張りましょう?」
「もう頑張ってるだろ。十分に。ここからまた頑張れって言うのかよ。」
「あ、その。ごめんなさい。そうですよね。少しゆっくりしましょうか。」

ガブが作り笑いを見せて隣にしゃがみこむ。あぁ、なんで自分はこうなんだろうか。ここで剣で戦いに行けたら良いのになんで出来ないんだろう。自分が情けなくなる。

少し沈黙が続いてガブが俺に話しかける。
「ミツルさんはこの世界が嫌いですか?もうこの世界から出ていきたいですか?」

唐突な質問だった。この世界が好きか嫌いかか。ボロ小屋でろぬに眠れずにモンスターを狩りにいかなければならない毎日。俺自体には特に力があるわけでもないから無力感は毎日感じる。

「嫌いじゃない。別に、出ていきたいと思うほど嫌いではない。」
ガブがいて、リリーがバカやって、ミシェルがそれで怒ったりして。そんな毎日のことはあまり嫌いじゃなかった。

「そうですか!」
ガブは今までで一番だろうと思われる満面の笑みを俺に見せた。
「まぁ、狩りはリリーさんが10匹くらいとってきてくれるでしょう!私たちはのんびりとしてましょう!」
「一匹だけ。」

自分でも驚いた。ガブもキョトンもしている。
「今、なんて…?」
「一匹だけ、狩ってみよう。」
そういうと俺の体は自然と立ち上がり、まっすぐモスへと駆けていった。

モスへと剣を一振りする。モスが悲鳴をあげる。気持ち悪い。
怯んでしまったが、これでは逃げられてしまう。もう一度剣を振り下ろす。
モスは悲鳴をあげて倒れこんだ。

「ミツルさん!ナイスです!お疲れ様です!」
ガブが笑顔で駆け寄ってくる。しかし、その時、その顔が途中で真っ青になった。
「ミツルさん!後ろ!」
俺は振り返る。そこには、熊がいた。かなり大きくないか?誰だここには大したモンスターがいないと言っていたのは。

俺は熊が襲ってくるのに慌てて剣を構える。殺されたくない。熊の手が俺に振りかかってきたその時、俺は剣で受けようとする。

「ダーイス!」
熊が爆発し、その場で倒れた。俺は慌てて倒れてくる熊をかわした。

「危なかったな!大丈夫か!?」
「リリーさん!なんでここに!?」
「向こうでビッグベアがお前らの方に向かっていくのを見てな!危ないんじゃないかと思って来てみたんだ!お前らは何匹だ?」
「1匹です!ミツルさんが狩ってくれました!」
リリーとミシェルが笑顔でそうかと答える。

「ビッグベアがいれば、モスは10匹も要らなそうね。私たちが6匹捕まえたし、ビッグベアも捕まえてるわ。モス7匹、ビッグベア1匹。十分ですね。」
「お!今日もミシェルシェフの飯だな!?早く町に帰ろうぜ!」
俺たちは例の不思議伸縮袋にモスとビッグベアを詰め込むと、そのまま町へと帰った。


町に帰り、ミシェルは厨房を町の人から借りることが出来た。ガブの仲間であればなんでもということで、ガブの暴走も意外と役に立っている。

俺たちはモスとビッグベアから血抜きをする作業をしていた。厨房が血まみれになると洒落にならないからだ。

日本で血抜きをしたことがないから、どのくらいで血抜きというものが出来るのかはわからないが、ここでは簡単に1時間ほどで出来るようだ。

リリーが口を開く。
「なぁ、一匹狩れたんだな。やるじゃんか。」
「大したことじゃないだろ。リリーなんか6匹も狩れたじゃないか。」

リリーがそうじゃないと言い、続ける。
「リーダーが一匹狩れたってことが大事なんだよ。正直、チーム分けした時は私はミツルが休むために言ってるのかと思ったんだ。だから、お前はガブとなら長い間一緒にいるし休めるかなと思って私はミシェルを連れていったのよ。」
そこまで考えてくれてたのか。こいつは本当に頭の使いどころを間違えているよな。

血抜きの作業も一段落し、ミシェルのところへ持っていく。
「あら、いらっしゃい!血抜きありがとうね!」
ミシェルは山菜などの調理はすでに終えていたようだ。なんという仕事の早さなんだろう。

「あーぁ、ミシェルの手伝いしたら血まみれになっちまったな。」
たしかに、俺たち二人は全身が血にまみれてしまっていた。
するとここで、珍しくミシェルがとんでもないことを言い出した。
「じゃあ、あなた達二人でお風呂に入ってきないよ。ここ温泉があるみたいだし。」

二人で?まぁ、温泉があるなら男女分かれてるっていうオチだろう。
俺たち二人はそう思って二人で温泉に向かった。

混浴だった。
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