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第一章オオカミの子
〜シルフ〜2
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「そう、なんで姉さんが孤児院で僕が群れにいたのかっていう話」
「まぁ、簡単な話なんだけど…僕は産まれたときから耳がこれだったからなんだ。」
「姉さんは無かったから、母さんが孤児院に入れたんだ。いつか覚醒するその時までってね。
だから、これからは本当の家族と一緒に暮らせるよ。姉さん」
『つまりは、キリアは孤児院にいたけど全然孤児じゃなかったということだね。』
「家族がいるんだったら、こんな危険を侵す必要なんて一切ないのよ?」
まだ始めたばっかりの旅だけど、確かに危険な事だと思う。
でも私は…
「…無理だよ…私は今の今まで孤児で育ってきた…孤児院の教育で一番最初に教えられること知ってる?
お前たちに実の親や姉弟は居ない。
だよ?
十五年は……長すぎたんだよ…」
そう、十五年間ずっと言われ続けていたことがたった数時間で覆るものか。
孤児というだけでどれだけいじめられたか分からない。
孤児というだけでどれだけ差別されたか分からない。
でも
「私は、まだただの人で居たいんだ…」
「そっか…そうだよね…ごめんね姉さん。混乱させるようなこと言って。
でも、これだけは守って欲しい。
この宝石は、群れの印だから…家族の印だから、決して売ったり無くしたりしないでほしい。」
「わかった。またねシルフ君」
=================
フルートはキリアたちが去ったあと、あるクリスタルを取り出すとそれをシルフにわたす
そうしてから、
『だから言ったのよ?あくまでも貴方のお姉さんは人間なんだって。』
「うん…でも姉さんは、僕にまたねと言った。せめて僕だけは姉さんの家族になれるようにしたいな…」
しばらく二人が話した後そのクリスタルは割れ、跡形もなく霧散した。
「まぁ、簡単な話なんだけど…僕は産まれたときから耳がこれだったからなんだ。」
「姉さんは無かったから、母さんが孤児院に入れたんだ。いつか覚醒するその時までってね。
だから、これからは本当の家族と一緒に暮らせるよ。姉さん」
『つまりは、キリアは孤児院にいたけど全然孤児じゃなかったということだね。』
「家族がいるんだったら、こんな危険を侵す必要なんて一切ないのよ?」
まだ始めたばっかりの旅だけど、確かに危険な事だと思う。
でも私は…
「…無理だよ…私は今の今まで孤児で育ってきた…孤児院の教育で一番最初に教えられること知ってる?
お前たちに実の親や姉弟は居ない。
だよ?
十五年は……長すぎたんだよ…」
そう、十五年間ずっと言われ続けていたことがたった数時間で覆るものか。
孤児というだけでどれだけいじめられたか分からない。
孤児というだけでどれだけ差別されたか分からない。
でも
「私は、まだただの人で居たいんだ…」
「そっか…そうだよね…ごめんね姉さん。混乱させるようなこと言って。
でも、これだけは守って欲しい。
この宝石は、群れの印だから…家族の印だから、決して売ったり無くしたりしないでほしい。」
「わかった。またねシルフ君」
=================
フルートはキリアたちが去ったあと、あるクリスタルを取り出すとそれをシルフにわたす
そうしてから、
『だから言ったのよ?あくまでも貴方のお姉さんは人間なんだって。』
「うん…でも姉さんは、僕にまたねと言った。せめて僕だけは姉さんの家族になれるようにしたいな…」
しばらく二人が話した後そのクリスタルは割れ、跡形もなく霧散した。
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