Pomegranate I

Uta Katagi

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第四章 真理

アフタヌーンティ

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 「芽依ちゃん!こっちこっち!」
 今日は都会の川沿いに建てられたレトロな洋館風の雰囲気がお洒落なアフターヌーンティのお店で芽依ちゃんと待ち合わせをした。詩が先に到着し、予約した2階席で待っていると、階下から芽衣ちゃんが洋風の階段を登ってくるのが見えたのだ。詩を見つけると、芽依ちゃんはひまわりのような笑顔を見せてくれた。夏用の白いTシャツにシルバーのネックレスが似合っている。今日も髪の毛を後ろで束ねていて、相変わらず芽依ちゃんは可愛い。

 「お待たせ!今日も暑いよね。」
 手提げ鞄を隣の空いている席に置きながら、芽依ちゃんは両手で首筋を扇ぐしぐさをした。
 「暑い中、ごめんね。呼びつけちゃって。」
 詩は、申し訳なさそうに下目遣いに芽依ちゃんに言った。

 「ううん、大丈夫。話しの続きが聴きたいのは私の方だから。」
 芽依ちゃんは、いつも優しい。大の仲良しで、困ったときには相談相手になってくれる。今日も芽依ちゃんに聞きたいことがたくさんある。今週、遂に東の面の内容も確認して、これで四つの面全ての解読が終わったのだ。ただ、よりいっそう謎が深まったこともあり、ヨーロッパに行く前にどうしても芽依ちゃんの意見を聞いておきたかった。

 「わあ、可愛い!」
 二人とも思わず、声がでた。エアコンが効いた室内で少し涼んで暑さも和らいだ頃、三段重ねのケーキスタンドプレートに盛り付けられたアフターヌーンティセットが運ばれてきた。一番下に小さなサンドイッチセットがあり、真ん中の段にはスコーン、最上段には小さなお菓子が並んでいる。見ているだけでも可愛いし、食べるのが惜しいくらいだ。

 ヨーロッパに行くことが決まってから、本格的なアフターヌーンティを味わいたくなって、今日は詩が芽依ちゃんをここに誘ったのだった。

 お店のお薦めのパリの小径という名前のブランドティーを楽しみながら、芽依ちゃんに先日来、真理の書で判明したことを話した。まず、西の面のこと、南の面のことを話し出すと、芽依ちゃんは親身になって聴いてくれた。

 西の面は、物理法則が支配する物質の世界、南の面は生き物が謳歌する生命の世界、その話をレポートの内容を挟みながら、詩は丁寧に説明した。芽依ちゃんは、それを熱心に聞いてくれて時折メモまで取ってくれている。

 さて、ここからは詩がその意味を聞きたかった東の面の話しだ。何度もその解説文を含めて読み返してみたが、真理として伝えたいことの意味がよくわからない。

            東の面:code10
            東の面は魂
            神やエルフ
            閃きの場所
            虚数の支配

 『東の面は、魂や精神の世界。神やエルフと呼ばれる存在が集う場所。時空の概念はなく、アイデアやインスピレーションが湧き出す場所。物質を支配する実数の制約はなく、精神の世界は虚数が支配する。』

 「芽依ちゃん、これって神話に出てくる天界の世界かな?そんなファンタジーな世界が本当に存在するのかな。それと虚数って何だろう。」

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