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レティシアは現在薬屋の手伝いで、棚に陳列してあるポーションを補充している所だ。
この店は、ノイラート家の新開拓ということで、街の中心部に、少し前に開かれた薬屋なのである。
「ティアちゃん、よく働くね!うちのバカ息子にも見せてやりたいよ。」
とりあえず、あはは……と苦笑いを返しておく。
ここ最近では有難いことに、常連の方々に『看板娘』だ、と言って頂ける程だ。
最近のレティシアは屋敷に籠りきりでも、特にすることが無いため、例の森で薬草を集めてはこの店に通い、店を手伝っている。
「じゃあ、あたしはそろそろ行くね。今日もありがとう。」
「いえいえ、またいらしてくださいね!」
常連の奥さんを見送り、もう一度棚の陳列に戻ろうとすると、ガチャリと再び扉の開く音がした。
「いらっしゃいま…………ニコラウス!」
「たまたま覗いたらレティシアがいたから。」
「あら、どちら様?」
奥の部屋で在庫の整理をしていたこの店の店長が、こちらに顔をのぞかせた。
「んーー、まぁそんなとこです!アウラさん、昼休憩入ってもいいですか?」
「いいわよー、あ、これだけ補充しといて!あ、そちらの……ニコラウスさん?も、ごゆっくり!」
「どうもありがとうございます。」
そしてニコラウスはペコりと一礼すると、少し屈みながら、こちらに耳打ちをしてきた。
「時間大丈夫…………?」
「本当に今から休憩入ろうとしてたから、心配しなくて大丈夫!」
ニコラウスは「本当に……?」と言いながら、頭をかき混ぜて、申し訳なさそうにしている。
そこでニコラウスは、不意に何か思いついたようで手を頭から離し、自らの懐をガサゴソと漁り始めた。
「そこの治癒ポーション10本貰える?」
「10本!?!?い、いいですけど……?」
急な提案に、頭に疑問符を幾つも浮かべながら後ろの棚からお目当ての治癒ポーションを取り出した。
「これで一応『迷惑な客』じゃないだろ?それに治癒ポーションはいくつあっても困らない。」
そう言ってニコラウスは口の端に笑みを浮かべた。
ニコラウスって基本無表情だけど笑うと物凄く……
すると、レティシアの頬がかぁっと赤く染まった。
「だ、だ、だからもう休憩なんです!ほら、とりあえずお店出ましょ!………あっ、お買い上げありがとうございますっ!」
別に前会った時だって笑ってたし!よく笑う人なんだわ!きっとそうね!そうよ私!
なんだかおかしな結論に至った気がするけど気にしないで置こう。うん、それがいい。
レティシアはそのままニコラウスの手を引き、店の外へと出て行った。
とりあえず出てみたものの、どうしましょ………
そんなことを考えていると、先に口を割ったのはニコラウスであった。
「ねぇレティシア、そういえば…………」
ぐぅぅぅうううう………………
ニコラウスの言葉に重ねて、レティシアのお腹が盛大に鳴ってしまった。
「……………っく、っ……、く……」
「わ、笑うなら、いっそ堂々と笑ってください!」
完全にやってしまった……
「………っふ、ご、ごめん。そんなつもりじゃ、」
ニコラウスは、口では謝っているもののまだ右手で顔を覆っている。
「も、もう!お腹すきました!お店行きましょ!」
そう言ってエルナは先を歩いて行ってしまった。
そんなエルナの後ろ姿をニコラウスは小走りで追いかけるのであった。
この店は、ノイラート家の新開拓ということで、街の中心部に、少し前に開かれた薬屋なのである。
「ティアちゃん、よく働くね!うちのバカ息子にも見せてやりたいよ。」
とりあえず、あはは……と苦笑いを返しておく。
ここ最近では有難いことに、常連の方々に『看板娘』だ、と言って頂ける程だ。
最近のレティシアは屋敷に籠りきりでも、特にすることが無いため、例の森で薬草を集めてはこの店に通い、店を手伝っている。
「じゃあ、あたしはそろそろ行くね。今日もありがとう。」
「いえいえ、またいらしてくださいね!」
常連の奥さんを見送り、もう一度棚の陳列に戻ろうとすると、ガチャリと再び扉の開く音がした。
「いらっしゃいま…………ニコラウス!」
「たまたま覗いたらレティシアがいたから。」
「あら、どちら様?」
奥の部屋で在庫の整理をしていたこの店の店長が、こちらに顔をのぞかせた。
「んーー、まぁそんなとこです!アウラさん、昼休憩入ってもいいですか?」
「いいわよー、あ、これだけ補充しといて!あ、そちらの……ニコラウスさん?も、ごゆっくり!」
「どうもありがとうございます。」
そしてニコラウスはペコりと一礼すると、少し屈みながら、こちらに耳打ちをしてきた。
「時間大丈夫…………?」
「本当に今から休憩入ろうとしてたから、心配しなくて大丈夫!」
ニコラウスは「本当に……?」と言いながら、頭をかき混ぜて、申し訳なさそうにしている。
そこでニコラウスは、不意に何か思いついたようで手を頭から離し、自らの懐をガサゴソと漁り始めた。
「そこの治癒ポーション10本貰える?」
「10本!?!?い、いいですけど……?」
急な提案に、頭に疑問符を幾つも浮かべながら後ろの棚からお目当ての治癒ポーションを取り出した。
「これで一応『迷惑な客』じゃないだろ?それに治癒ポーションはいくつあっても困らない。」
そう言ってニコラウスは口の端に笑みを浮かべた。
ニコラウスって基本無表情だけど笑うと物凄く……
すると、レティシアの頬がかぁっと赤く染まった。
「だ、だ、だからもう休憩なんです!ほら、とりあえずお店出ましょ!………あっ、お買い上げありがとうございますっ!」
別に前会った時だって笑ってたし!よく笑う人なんだわ!きっとそうね!そうよ私!
なんだかおかしな結論に至った気がするけど気にしないで置こう。うん、それがいい。
レティシアはそのままニコラウスの手を引き、店の外へと出て行った。
とりあえず出てみたものの、どうしましょ………
そんなことを考えていると、先に口を割ったのはニコラウスであった。
「ねぇレティシア、そういえば…………」
ぐぅぅぅうううう………………
ニコラウスの言葉に重ねて、レティシアのお腹が盛大に鳴ってしまった。
「……………っく、っ……、く……」
「わ、笑うなら、いっそ堂々と笑ってください!」
完全にやってしまった……
「………っふ、ご、ごめん。そんなつもりじゃ、」
ニコラウスは、口では謝っているもののまだ右手で顔を覆っている。
「も、もう!お腹すきました!お店行きましょ!」
そう言ってエルナは先を歩いて行ってしまった。
そんなエルナの後ろ姿をニコラウスは小走りで追いかけるのであった。
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