私と、世界の十二竜

炎龍

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竜が、落ちてきちゃいました

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蒼い空。
でもけして、日本じゃないどっか外国の空。たぶん。

上を見ても下を見ても蒼い。


え、私、浮いてる?

ボーッとしていると、向こうに赤い点が。
だんだん大きくなってくる。

なんなの?

って、
ちょいま、こっち向かってくる?!

光を反射してやってきたのは。
絵を描くのと、ファンタジーが大好きな私がよく描く、所謂ドラゴン……鱗に角に、立派な翼……それらしき生き物。

真っ赤だ。
血を流したような、とは違う、深みのある、俗に言う真紅。

フット笑ったのか、それは、
『また会おう。』
と言った。

また会おう?また?
はあ?

まって、ちゃんと説明してーーー!

叫びは届かず、意識が





戻った。

「ゆ、夢かあ…。」

自室。
小さいけれど、もう小学校高学年なのに妹と一緒の部屋なんてやだ、と、昔言ってつくってもらった部屋だ。
蒼ではなくむしろ、壁紙は滅多にないピンク…こだわって選んだ綺麗な色…だし、西向きの窓からは朝日は差し込まず、外の夜明けを告げているだけだ。


「おかしな夢だったなあ……。」

夢なんて、ここ最近見てなかった。
中学受験の勉強を始めてから睡眠時間が減り、今だって寝るのは遅い。
短時間睡眠のワリに直ぐに深く眠れるタチだったから、夢は見ていなかったのだ。

面白かった……ファンタジーは、小2位の頃から大好きで、何百ページもある本、それこそあの某魔法使いの話なんて何十回も読み返したし、海外の有名なファンタジー作品はほとんど読み尽くした。
絵を描くのが好きだから、ファンタジー動物…ユニコーンとかドラゴン…はよく描いた。学校の部活でも描くし。

本当になったら良いなぁ、なんて考えてたら。



どしーん




は?
ベッドの上に……赤?
鱗…だよね。しかも、翼まで御丁寧に…………。


『覚えてないのか、この娘。』

はー?!喋った!
明け方なのに大声あげかけた!

『喋ったとは、なんだ、失礼なやつめ。』
「失礼なって、そりゃあ、驚くでしょ、あの幻のドラゴンが居るなんて!!」

もしかして懐古の念に浸ってたせいで見えた幻覚?

『幻覚とは面白いが、笑えんな。私は竜だ。そのどらご?…とやらではない。』

ファー!
きた、竜だって竜だって!



だけど、こんな御荷物、どこにおけば良いのよー!
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