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散策と原動力
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当面の危機を回避したことだし、今度は角の人の話も聞こうか。前の勇者のことを詳しく知ってそうだし。太っちょたちにも洗いざらい吐いてもらうか。担ぎ上げて地下に戻る。途中、資材が集められた部屋があったので、奴らを繋いどくのに丁度いいロープを確保する。
戻ったが、まだ角の人は目を覚ましていなかった。とりあえず気絶してる太っちょと茫然自失のひょろ男、あと、気を失ったままの先手の3人は何するかわからんので縛って転がしとく。互いの怪我を応急手当てする鎧兵たちは、もう戦う気がないようだし、未だ眠り続けている角の人を無理に起こすのも申し訳ない。待ってる間にちょっと辺りを散策でもしようか。兵たちに見張りを頼むと、全員ぶんぶんと頷く。声を出すのも怖がってるように見える。逃げたり人質取ったりはしないだろう。
さっきロープを見つけた部屋に作業用の鉈や刃物の入った道具下げや物入れに使えそうな麻袋もあったことを思い出し、拾って出口に向かう。階段下まで差し込んできた日光に目を細めつつ外に出る。砦の周りは下草が深いが木が絡まない程度には手入れがされているようだ。塔から黒く見えていた森はすっかり明るくなっている。森の奥は豊かに茂っているが日を遮るほどは厚くない。山菜取りをしていた生身の時を思い出しながら踏み込む。
自然を楽しみながら歩いているうち、ロールさんが身体の仕様について説明してくれた。呼吸や瞬き、発汗・心拍などはないが偽装の為に行える、身体能力の出力順応は今後もう少し早めていく、武器ユニットの安定化・起動は強力なものほど時間がかかるので手数を増やすため短めのものを優先する、と色んな事が聞けた。さらに続けられた話はかなり深刻なことだった。
《エネルギー管理についてです。 当機に搭載された動力発生機は半永久的に稼働し 身体ユニットの維持と武装の電力を生み出します ですが 過度の損傷を受けた際の修復や 短期間で連続した戦闘などで 大電力を消耗すると 供給が間に合わなくなることがありました》
ありました、ってことは前に召喚された時の失敗原因か。人間なら飯食って栄養補給ができるんだが。歩を進めながら鉈を振るい伸びた枝を掃う。水音が聞こえる。沢が近いな。
《推測通りです 補給に関しては 生体炉を使用し 取り込んだ物質をエネルギー変換し 電力確保しています》
便利そうな機能だけど駄目だったんだろうな。藪を抜け沢に出る。清水がこんこんと湧き出していて、のどが渇くという生身の感覚を思い出す。生体炉とかいうのがあれば普通に飲み食いしても大丈夫なんじゃないか?飲みたくなって麻袋から木椀を取り出してすすぐ。
《嗜好として飲食を楽しむのは補助的な役割で 本来は補給が受けられない状況下で 活動延長するためのものです この世界では 数が必要でしたが 主に変換が容易な紙類・布類・木材・精製油やアルコール類が効率的でした》
うわー、できれば食いたくねぇ…。それにこっちの人たちにも必要なものをバクバク取りまくったらみんな困るだろう。――ふと、出会った時のロールさんのことを思い出す。自分からは話さない。俺と会話し始めてからはだいぶ良くなったが、その前は?何十年も戦い続けていた時の顛末は?
《創造主の命令遂行のため 自主的かつ強制的に物資を回収していました 危機的状況に対せねばならないはずなのに こちらの人間たちは当機にも攻撃を仕掛けました 攻撃は控えましたが受けた損傷は大きく 失敗要因の一つとして学習しました 先ほどのキョーヘーの説得は状況回避パターンとして登録済みです》
予想以上だった…。しかも人間と敵対までしてしまうとは…。大きくため息をつきたい気持ちを、[汚染無し 飲用可能]と表示がされた水で飲みこむ。あれ?味はともかく温度も感じない。
《戦闘開始時から 感覚の一部を停止していました》
痛覚カットしてもらってたのは助かったけど、元生身にとって飲食に大切なところの味覚と嗅覚、温度を感じる機能を戻してもらう。急に木漏れ日の温かさと吹き抜ける風の涼しさ、森と水辺の匂いを感じるようになり、思わず目元と鼻をこすってしまう。久しぶりの感覚だ。…では、あらためて頂きます。
冷たい。美味い。テストで一口のつもりが飲み干してしまった。口内からのどに流れる清涼感が心地いい。胃に、いや反応炉に落ちると感覚がなくなったが、これは良い。ここまでそんなに経ってないけど生きてるって感じを久しぶりに思い出したよ。
《報告 動力発生機から電極供給を確認 これまでに計測されたことのない量の出力です》
え?今、水を入れた生体炉から電力がちょっと出たならわかるけど、動力発生機がいつも以上の稼働をするってどういうことだろう。俺の転生がキーになって何か変わったのか?とにかく試してみよう。
成分調査機能を駆使して、辺りからそのまま食べられそうな物を集める。果樹や木の実、デカいハチの巣からハチミツを拝借する。さっきは俺が美味いと感じた時だったからその線でいってみる。…お試しでも木の枝とか食いたくないし。
まず紫色の柔らかな果樹。毒物反応は無かったので思い切ってかぶり付く。わずかな酸味と渋み。甘味はそこそこだが元気が出そうな味だ。次にクルミみたいな木の実。大きさは一回りでかい。鉈で割って油脂成分が高い中身を食べる。香りの良い油がじゅわっと広がる。これは美味い!乾煎りしたらもっとカリカリして良いおつまみになるだろう。最後はハチミツだ。サイズが500mlペットボトルくらいのハチが飛びまわる中、蓄えきれず巣から垂れていたものを椀に集めたものだ。日に輝く金色の蜜が滴っているのを見つけたら我慢できなかった…。戦闘時より全速力でハチから逃げ、それでも追いすがってきたものをレーザーで撃ち落とした。身体順応も進むくらい頑張ったその味は…うまあぁいっ!!以前お土産で貰ったことがあるお高いハチミツより断然美味い!唾液が出る機能があったら止まらなくなってるだろう。元の花の香りだろうか、後味もとても良くいくらでも食べたくなってくる。
…さて、色々と食べてみたけど、さっきのような反応はあっただろうか。状態を聞いてみる。
《報告 先ほどと同じ現象を確認 反応炉は変換に必要な電力より低い発電量でしたが 動力発生機からはそれ以上の効率で 大電力が供給されました キョーヘーが飲食した際の感覚が 供給力の増加を促しているのは間違いありません》
おお、やっぱりそうだった。手あたり次第食いまくってエネルギー変換するより。美味いものを食って心を満たし出力アップしたほうがいいだろうな。何度も言うが木とかにかじり付くのは本当の最後の手段にしたい。
《創造主が 当機にキョーヘーを転生させたのは このような理由があったのですね とても素晴らしい采配です》
なんか、創造主を褒め始めたロールさんは置いといて、当面の目標を設定する。
【冒険と美味しいご飯を楽しみながら、最終的に絶対終末をどうにかする!】
目先の欲は、これからの原動力になるはずだし、食べ物も美味しいものが多くありそうだ。楽しむぞー!
戻ったが、まだ角の人は目を覚ましていなかった。とりあえず気絶してる太っちょと茫然自失のひょろ男、あと、気を失ったままの先手の3人は何するかわからんので縛って転がしとく。互いの怪我を応急手当てする鎧兵たちは、もう戦う気がないようだし、未だ眠り続けている角の人を無理に起こすのも申し訳ない。待ってる間にちょっと辺りを散策でもしようか。兵たちに見張りを頼むと、全員ぶんぶんと頷く。声を出すのも怖がってるように見える。逃げたり人質取ったりはしないだろう。
さっきロープを見つけた部屋に作業用の鉈や刃物の入った道具下げや物入れに使えそうな麻袋もあったことを思い出し、拾って出口に向かう。階段下まで差し込んできた日光に目を細めつつ外に出る。砦の周りは下草が深いが木が絡まない程度には手入れがされているようだ。塔から黒く見えていた森はすっかり明るくなっている。森の奥は豊かに茂っているが日を遮るほどは厚くない。山菜取りをしていた生身の時を思い出しながら踏み込む。
自然を楽しみながら歩いているうち、ロールさんが身体の仕様について説明してくれた。呼吸や瞬き、発汗・心拍などはないが偽装の為に行える、身体能力の出力順応は今後もう少し早めていく、武器ユニットの安定化・起動は強力なものほど時間がかかるので手数を増やすため短めのものを優先する、と色んな事が聞けた。さらに続けられた話はかなり深刻なことだった。
《エネルギー管理についてです。 当機に搭載された動力発生機は半永久的に稼働し 身体ユニットの維持と武装の電力を生み出します ですが 過度の損傷を受けた際の修復や 短期間で連続した戦闘などで 大電力を消耗すると 供給が間に合わなくなることがありました》
ありました、ってことは前に召喚された時の失敗原因か。人間なら飯食って栄養補給ができるんだが。歩を進めながら鉈を振るい伸びた枝を掃う。水音が聞こえる。沢が近いな。
《推測通りです 補給に関しては 生体炉を使用し 取り込んだ物質をエネルギー変換し 電力確保しています》
便利そうな機能だけど駄目だったんだろうな。藪を抜け沢に出る。清水がこんこんと湧き出していて、のどが渇くという生身の感覚を思い出す。生体炉とかいうのがあれば普通に飲み食いしても大丈夫なんじゃないか?飲みたくなって麻袋から木椀を取り出してすすぐ。
《嗜好として飲食を楽しむのは補助的な役割で 本来は補給が受けられない状況下で 活動延長するためのものです この世界では 数が必要でしたが 主に変換が容易な紙類・布類・木材・精製油やアルコール類が効率的でした》
うわー、できれば食いたくねぇ…。それにこっちの人たちにも必要なものをバクバク取りまくったらみんな困るだろう。――ふと、出会った時のロールさんのことを思い出す。自分からは話さない。俺と会話し始めてからはだいぶ良くなったが、その前は?何十年も戦い続けていた時の顛末は?
《創造主の命令遂行のため 自主的かつ強制的に物資を回収していました 危機的状況に対せねばならないはずなのに こちらの人間たちは当機にも攻撃を仕掛けました 攻撃は控えましたが受けた損傷は大きく 失敗要因の一つとして学習しました 先ほどのキョーヘーの説得は状況回避パターンとして登録済みです》
予想以上だった…。しかも人間と敵対までしてしまうとは…。大きくため息をつきたい気持ちを、[汚染無し 飲用可能]と表示がされた水で飲みこむ。あれ?味はともかく温度も感じない。
《戦闘開始時から 感覚の一部を停止していました》
痛覚カットしてもらってたのは助かったけど、元生身にとって飲食に大切なところの味覚と嗅覚、温度を感じる機能を戻してもらう。急に木漏れ日の温かさと吹き抜ける風の涼しさ、森と水辺の匂いを感じるようになり、思わず目元と鼻をこすってしまう。久しぶりの感覚だ。…では、あらためて頂きます。
冷たい。美味い。テストで一口のつもりが飲み干してしまった。口内からのどに流れる清涼感が心地いい。胃に、いや反応炉に落ちると感覚がなくなったが、これは良い。ここまでそんなに経ってないけど生きてるって感じを久しぶりに思い出したよ。
《報告 動力発生機から電極供給を確認 これまでに計測されたことのない量の出力です》
え?今、水を入れた生体炉から電力がちょっと出たならわかるけど、動力発生機がいつも以上の稼働をするってどういうことだろう。俺の転生がキーになって何か変わったのか?とにかく試してみよう。
成分調査機能を駆使して、辺りからそのまま食べられそうな物を集める。果樹や木の実、デカいハチの巣からハチミツを拝借する。さっきは俺が美味いと感じた時だったからその線でいってみる。…お試しでも木の枝とか食いたくないし。
まず紫色の柔らかな果樹。毒物反応は無かったので思い切ってかぶり付く。わずかな酸味と渋み。甘味はそこそこだが元気が出そうな味だ。次にクルミみたいな木の実。大きさは一回りでかい。鉈で割って油脂成分が高い中身を食べる。香りの良い油がじゅわっと広がる。これは美味い!乾煎りしたらもっとカリカリして良いおつまみになるだろう。最後はハチミツだ。サイズが500mlペットボトルくらいのハチが飛びまわる中、蓄えきれず巣から垂れていたものを椀に集めたものだ。日に輝く金色の蜜が滴っているのを見つけたら我慢できなかった…。戦闘時より全速力でハチから逃げ、それでも追いすがってきたものをレーザーで撃ち落とした。身体順応も進むくらい頑張ったその味は…うまあぁいっ!!以前お土産で貰ったことがあるお高いハチミツより断然美味い!唾液が出る機能があったら止まらなくなってるだろう。元の花の香りだろうか、後味もとても良くいくらでも食べたくなってくる。
…さて、色々と食べてみたけど、さっきのような反応はあっただろうか。状態を聞いてみる。
《報告 先ほどと同じ現象を確認 反応炉は変換に必要な電力より低い発電量でしたが 動力発生機からはそれ以上の効率で 大電力が供給されました キョーヘーが飲食した際の感覚が 供給力の増加を促しているのは間違いありません》
おお、やっぱりそうだった。手あたり次第食いまくってエネルギー変換するより。美味いものを食って心を満たし出力アップしたほうがいいだろうな。何度も言うが木とかにかじり付くのは本当の最後の手段にしたい。
《創造主が 当機にキョーヘーを転生させたのは このような理由があったのですね とても素晴らしい采配です》
なんか、創造主を褒め始めたロールさんは置いといて、当面の目標を設定する。
【冒険と美味しいご飯を楽しみながら、最終的に絶対終末をどうにかする!】
目先の欲は、これからの原動力になるはずだし、食べ物も美味しいものが多くありそうだ。楽しむぞー!
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