その声は甘すぎる

桜月ゆう

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1章 日常

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高校入学後に好きな人ができた。
一つ上の先輩。
先輩は長身でスタイルが良くてイケメン人と争うことなんて無さそうでいつも穏やかで笑顔が素敵……校内のモテる男子ランキングでは常にNO.1
女子の間では「王子」と呼ばれていた。

王子に特定の彼女はいなかった事もあり勇気ある何人かの女子が告白してはお断りされていた。
告白する勇気など奈都にはなく一方的な片想いで終わるはずだった。
それが……


王子の彼女として付き合ってもらえる事になったのだ。
奇跡?運命のイタズラ?
3ヶ月だけの彼女だったけど幸せだった王子の優しさに触れて大事にされていると思いこんでた。
あの時私は……完全に舞い上がっていたのだ。


はぁ~ダメか
眠れない。
おまけに思い出したくない事まで思い出しちゃったし。


そうだ!
奈都は寝ていたベッドからもそもそと起き上がると温かいお茶でも飲もうとキッチンへと向かった。

余計に眠れないと困るしハーブティーにしようかな……。
たしかこの間買った三種類の詰め合わせのがまだ何パックか残ってたはず


う~ん、レモンバーム……やっぱりカモミールにしよう。
本格的にいれるとなると大変だから手軽にパックのを購入したけど飲みやすくて気に入ってる。
終わる前に買おうかな……。
温かい飲み物ってホッとする。


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