ザ・ライヤーズ・ジャーナル

yoshimax

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ラブスターミッション1

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*** *** ***

 ギリシャ・テサロニケの海底の古代遺跡に眠っていたもの。それは、あの仮面だった。魔仮面。魔仮面は、時代・場所、さまざまを巡って、そこで眠っていたのだ。
 クリントはそのとき、ポケットから国連軍のバッジを出した。


彼はじつは国連軍の秘密機関に所属していて、魔仮面を回収するという役割を持っていた。プレジデントも一枚かんでいたのだ! だが、本当にこの魔仮面は人間の手によって管理が可能なのか? それは、私には分からない。まあ、いい。今回のミッションはとりあえず終了のようだ。

 私はアジアに帰った。魔仮面のことなど忘れて、いや、もう国連軍が回収したわけだから、手の届かぬ場所に行ってしまったと分かった訳だが、・・・私はアジアで自由奔放な恋をしていた。






相手は香港のハイテク企業の社長令嬢だったのだが、彼女は私以上に奔放な女だった。ドラ息子の逆バージョンともいえる。しかし、それが災いした。彼女は男に奔放だったのだ。彼女は同時に複数の男性らとボーイフレンドとなり、最終的には私からはなれていった。私は、いわゆる本気の恋的な面もあったので、そのとき以来腐っていた・・・・・・・・。
 アジアを旅した。いろいろなものを見た。論文を書いた。大學は卒業した。だが何故かむなしい気分もどこかにあった。私は複数の言語と文化に精通していた為、国連軍のチームへのスカウトが入った。クリントの紹介だ。他にするべきことが見つからなくなっていたので、そのスカウトに乗った。

 その後、国連軍が秘密裏に地下ベースを建造している『上海』へと派遣された。まだ、上海は雑然としていた。中国・香港国境周辺も雑然としていて、九龍城などが無法地帯として存在しており、国連軍のシークレット・ミッションでそこを訪れることもあった。香港・ハイテク企業社長令嬢の一件で、私は心の部分で腐りつづけていた。そうなりたくはなかったが、心が傷ついていたのだろう。そのためかやや恐いもの知らずになっており、九龍城での危険な任務も受けていた。上司は私にかなり難しい指令を出した。そのため、私は九龍城の傍のコミューンに間借りして住んでいたこともある。そのコミューンは人口は少なかった。間借りしたアパートはシャワーがなく、近くの共同浴場によく行った。昼はカフェ、夜はホステスのもてなすショーパブになる店がけっこう賑わっていた。ただ、治安は悪かった。たのしみだったのは、香港ミルクティーを飲む時間だ。ブリティッシュ・ティータイム。私はこれが好きだった。ほかには、付近に中華料理店があり、そこは庶民向けの中華で、飲食店が少なかったからよく行った。そこには漫画が置いてあり、それを読みながら食べるチャーハンは現実を忘れさせてくれた。いい時間だった。のちに香港を代表する漫画家になる黄玉郎は、この店でよく漫画を読んでいたというが・・・。ほんとうのことは知らない。

 そして私はいくつかの指令を無事こなし、『上海』に戻った。上海はその時代、まだ猥雑な雰囲気を残していた。町の至る所で、ギャンブルと賭け麻雀が行われていた。ここを『魔都』と呼ぶ西洋人も居たが、私はそのストリート文化に馴れた。やがて、四階建てのアパートに引っ越した。恋人でしくじっていたから、そのためか孤独な生活を好むようになっていた。ただ、上海はながくなっていたから、友人は何人かいた。なかには、私をよく映画にさそってくれる友人もいた。犬も飼った。私は犬の心の優しさに救われた。犬はどうしようもない気分のとき、ただ寄り添ってくれる・・・。神様は犬をそんな人間のためにつくってくれたんだろう。時々、英国国教会の教会に祈りを捧げに行った。牧師と話した。牧師は言った、「犬や動物は人間のトモダチになるために神様がつくった」と。そのとおりだろう。

 上海・南京東路のアパート光221B室、つまり私の部屋だが、・・・ここは居心地はよい。ある日、電話が鳴った。ここには国連軍の情報網が繋がっているため、すでにテレビ電話が置かれていた。アラームが鳴り、テレビ電話の向こうに、国連軍司令のARISAが写った。私は朝が弱い。ううん、ううん、なんとか起きる。「今回のミッションは何ですか?」
 指令は言う、「ハロー、ジョー。元気?」



 あ、そうそう、言っておかねばなるまい。私は国連軍ではコードネーム『ジョー』だ。ジョーという名の男。
 指令はつづける、「ジョー。あなたは、今回ある男に会わなければいけないの。その男は、ある電話ボックスに来る。そこで会うの。わかる? それは、南京東路の通りから、すこし路地に入ったところ。あなたに話していないことがあるわ。そこに行けばわかる」
 さてさて、国連軍のこのシークレットチームはいつもこうだ。私は訳の分からない事件にいつも巻き込まれる。まあ、いい。私はそんな人生だ。
「じゃあね、ジョー、頼んだわよ。私は南国リゾートで休暇よ。バ~イ」と指令。指令はダイブ用のフィンをテレビ電話で見せながらそう言って、通信を切った。まあ、いい。指令らしい。指令のそんなライトな性格は、このチームのある種いやしでもある。さあ、わたしは、指令の指示した場所に行こうか。

 ---上海・南京東路・路地・チャン通り四九四---

 この辺はほとんど歩いたことがない。南京東路から繋がるストリートではあるが、あまり用が無かったから。南京東路の中華門あたりの地下は、われわれのシークレットベースがあり、シークレットサブウェイのチューブから隠しドアを使ってそこへ行く。国連軍秘密部隊のアジアンベースだ。
 だが、この路地はアジアンベースのメインゾーンからは離れている。
「こいつはやばいな。私がこれまで知らなかったシークレットがここにあるようだな。このあたりは、しかし、ちとまずいエリアでもある。ストリートにはコールガールが溢れて居る。そうだな、あのチョーメン屋で、ちょっとシンプルなチョーメン(焼麵)をテイクアウトしてストリートで食べながら、集合ポイントに向かうかな。」

 シークレット電話ボックス。

 待ち合わせの場所だ。そこにしばらく立っていた。
 目の前に突然現れた、ふしぎちゃん。
 誰?

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