ザ・ライヤーズ・ジャーナル

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CHAPTER 3 YAOWARAT BKK 2025

YAOWARAT BKK 2025

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 仮面との関わりが長いこともあり、タカクラの周囲の重力が不安定になってきていた。
 自然界における通常の重力ではない。それは、時間の歪みを引き起こす。
 タカクラは、東南アジアの兎の国に居た。彼は地下空洞に秘密基地を築いていた。
 この秘密基地の周囲もまた、仮面の超重力の影響下にあった。そのゾーンは、時間の歪みの中に在ったのだ。かつて、そこは、ダークゾーンという呼び名で呼ばれた事もあった。そのようなゾーンでは、簡単に三十年という時間を飛び越えて、ゾーンごとタイムスリップしてしまうことさえ、よく起きる。実のところ、日本も、そのダークゾーンの中にあった。1995年に経済がおかしくなってしまい、失われた三十年と呼ばれるジャパン。じつは、その三十年、狂ってしまった時間軸の中に日本は在ったのだ。日本というゾーンごと、揺れ動く歪んだ時間の中を彷徨っていたともいえる。それは、概念的でもあり、マテリアリスティックでもあり・・・。抽象的な理解で考えることも可能だ。だから、日本人にとって、1990年代が特別な年代に思えるのだ。
 その時間の歪みは、もはや、スーパーコンピュータでも計算できない。人間の心のなかにも、その歪みは大きな影響を及ぼすのだ。それが、ダークゾーン・・・。
 
 うさぎの島・・・。 時間の歪み・・・。 その夜、とくにタイムストームが吹き荒れていたようだ。

 タカクラは地下空洞の、銀色の球体のような秘密基地で、レポートを書いていた。
 私の愛犬リチャードも、そこに居た。彼は、犬と心を通わせる研究をも行なっていた。はっきりとした具体的な会話が出来なくても、天才的なリチャードは常に、われわれを守る存在だった。
 その日、タカクラは、その銀色の秘密基地に招集をかけた。
 あつまったのは、当人タカクラ、妹キムリー、私ジョー、オレンジボーイ、ギャルソン、モモ、覆面のプレジデント・・・。七人。そして、愛犬リチャード。八つの魂。
 だが、宇宙吸血鬼の侵入があり、ゾーンが異常な重力変化を起こし、時間が歪んだ。
 時間軸が四次元の中で、ぐちゃぐちゃに歪み、我々の記憶の前後関係が一部損なわれた。我々を乗せた銀色の球体は、一瞬エリア55をかすめながら、2025へと向かって行った・・・・

 YAOWARAT BKK 二〇二五 
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