働くおじさん異世界に逝く~プリンを武器に俺は戦う!薬草狩りで世界を制す~

山鳥うずら

文字の大きさ
8 / 229

第八話 おもちかえり

しおりを挟む
 昨日は久々に飲み過ぎたと、後悔しながら目覚めた。部屋一杯に若い蒸れた匂いが鼻につく。水を飲みに行こうとベットから立ち上がろうとするが立てない……何かが身体に絡まっている。ギョッとその何かを確認すると、褐色の腕と引き締まった足が俺を縛っている。

 スヤスヤと気持ちよさそうに俺にしがみついている大きな身体おんな。レイラだ! 昨日の出来事を思い返す。深夜まで二人で騒いで、最後は蹴られるように店主に店から追い出されたことを……。

 そして彼女と肩を組みながら、べろべろに酔ったまま俺の家に帰った。そのままベットに倒れ込み酒臭いキスに何故か大爆笑しつつ|乳繰り合う(スキンシップ)。酒の勢いでかなり変態チックなことを彼女に命令し、二人で酒を口移しで飲んだところで意識が途絶えた。

 窓からの光で昼をとっくに過ぎていることが分かる。強く絡まった手足をほどき半身を起こす。カラカラになった喉をくみ置きした水で潤す。  

「オレにもくれッッ」

 裸体の彼女は、寝ぼけ眼でベットから立ち上がり水を催促する。贅肉のない見事な褐色の身体に改めて見とれてしまう。しかし、そんな素振りを見せずにコップに水をくみ彼女に手渡す。小さな唇から水がしたたり落ち『ゲフッ』という残念な音を聞き彼女らしいと苦笑する。

 風呂に火を入れ終え、少し早い夕食の準備を始める。

「夕飯はどうする?」

「ゴチになるよ」

 ベットでごろごろ転がりながら答えが返ってきた。どこぞの従妹かよと、心の中で突っ込みを入れながら獣肉を揚げる。タンスからなるだけ新しい上着とパンツを彼女に手渡す

「水風呂だがはいってきな」

「この家に風呂なんてあるの!?」

 目を丸くして服を受け取り、俺にキュッと締まった尻を無頓着に見せて風呂場に向かう。夕食前にその妖艶な姿を見て、結構満腹になったのは気のせいだろう。

 料理が完成した頃、風呂から上がってきた。髪が濡れている女はいいものだよなと、風呂上がりの彼女を見る。パツパツに弾けた上着を眺め、いい女からいいおっぱいに上書きされてしまう。

   テーブルの上には皿に盛った山盛りの唐揚げ。彼女の『旨そう』というスターター音とともに、唐揚げが次々と消えていく。冒険者は身体が資本なので、男女を問わず大食いが多い。それを見越して用意した料理が思ったより早く無くなりそうだ。美味しそうに食べていたので、この不思議な料理はなんなの!? 貴方天才料理人。という定番イベントを期待したが『ゲフッ』と締まらない彼女の返事しか返ってこなかった。

 レイラに酒はないのかと催促されたので、仕方なく彼女に差し出す。宅飲みの神髄を見せてやろうと思ったが、結局は彼女のハイペースに煽られ昨日と同じようにべろべろに酔って、酒がつきるまでゲラゲラ笑い飲み続けた。おっさんの飲み方は、美味しいつまみを食べながらチビチビと酒を飲むんだよ。それなのに俺の手作りポテチを、彼女は鷲づかみでボリボリ頬張るんだから! これじゃあ学生の宅飲みだよ。ああ、彼女はずいぶん若かったね……。
 
 昨日もまた同じ醜態を反省しつつ薙刀の素振りをする。上下振り、斜め振り、横振り、斜め振り下から振り返す八方振りを反復。小学生の頃、薙刀を習った教えを思い出して毎日汗を流す。今更上手くなるとは思えないが、この世界を生きている以上、最低限の力は出来るだけ維持したいので日課として続けている。

「面白い剣の動きをしているじゃねぇか」

 木刀を片手に彼女が起きてきた。何故あなた様は右手に木刀を持っているのかしらと、心の中で突っ込み薙刀を構える。腕に自信があれば『怪我をしても知らないぜ』といいながら彼女の木刀を軽く振り払うのだが、簡単に剣を振り払われたのは俺のほう。三十分ほど彼女の打ち込みを受け、一方的に防戦して終了。俺の体裁きを見たかと強がって見せたら彼女は爆笑した。

 丁度良い湯加減になった風呂で汗を流す。湯船につかると彼女もいっしょに入ってくる。別の汗を流しそうになったが、薬草狩りという大仕事が待っているので我慢する。もちろん我慢した素振りなど微塵も見せなかったのだが、レイラが俺に向けてニヤニヤしている顔がむかついた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...