35 / 229
第三十五話 ババンババンバンバン【アビバノンノン】
しおりを挟む
食材を買いに商店を巡る。自分が食べるだけの食材を買うつもりだったのが、赤い髪の雛鳥を思い出して、倍以上の量を抱えていた自分に苦笑する。誰も居ない家に一人で「ただいま」と言って入ったのは久しぶりの事だった。
浴槽に水を汲む作業で疲れたので、直ぐに料理をつくる気にもなれず床に寝転ぶ。天井を見上げながら、日本にいた事を思い出す。頭の中に浮かんだのは、積んでいるゲームやマンガのことしかない事に恥ずかしさを覚えた。旅の疲労が抜けきっていなかったのか、いつのまにかうたた寝をしていた。
ふと、視線を感じて目を開けるとレイラが顔を近づけて俺を見ていた。
「おっちゃん起きたんだ……」
「どうやってはいったんだ?」
「合い鍵で入ったけど」
それが何かという感じで答えられてしまうと、何も言い返す事は出来なかった。久しぶりにあった彼女に、何か気の利いた言葉を掛けようとしたが何も思いつかない。
「飯でも作るか……」
そんなつまらないセリフしか出てこなかった。
「ルリがなかなか帰ってこないから心配してたんだぞ」
「おまえはどうなんだ?」
「知るか馬鹿ッッ!」
プイと横を向き、彼女の顔が茹で蛸のように真っ赤になる。
「心配してくれてありがとな」
「心配なんかしてね―し」
そういって俺の胸を軽く小突いた。俺は痛くもないはずの胸がズキンと感じた。
* * *
二人で湯槽に浸かる。日本に住んでいるときには物語の中での出来事のはずだった混浴が、彼女が風呂に入ってきても前ほどは驚かなくなった。褐色の肌が密着して、温かい風呂なのに彼女の温もりが伝わる。二人で湯槽がすし詰めになるほど小さな風呂ではない。彼女が挑発するようにわざと当てているのが分かる。俺のドギマギした姿を楽しんでいるのだ。俺は挑発に乗せられそうになったが、浴槽についている小さな突起をスライドさせ、中にあるボタンを押す。お湯の中から小さな気泡が溢れ出る。
「エェエーーーッ、何に……なんなのよ!」
レイラが目を丸くしながら、湯槽の水をすくう。指から流れ落ちるそれはただの水に変わる。しばらくして泡の感触を楽しみ始める。
「ん……ああああぁ」
彼女の湿った柔い唇から吐息が漏れる。俺は嫌らしい顔をしながらもう一つのボタンを押す。
「ふひゃぁあ」
今まで聞いた事のない奇声が風呂場に響く。浴槽はボコボコと泡を立てながら、身体全体に水流が当たる。
「ちょ、ちょっとやめて……」
背中や腰以外の変なところにまで、こしょばったいバブルの力がかかる。俺にもその力は掛かっているのだが、彼女の痴態を見たいが為に我慢する。容赦ない水圧が下半身に襲いかかる。
「ふあぁ……だめ……。き、気持ちいいの」
風呂の力に屈するレイラ……。ジェット噴流が疲れの溜まった筋肉を揉みほぐす。どさくさ紛れに尻をなで回すと、とろりとした目でこちらを睨む姿に背徳感を楽しむ。俺は止めとばかし最後の仕掛けを動かす。
「ふひやぁーん」
レイラは今まで感じた事のない刺激に悶える。風呂から逃げようと身体動かそうとしたが、おっちゃんの腕にガッチリホールドされていた。いつもならこんな腕ぐらい簡単に振り解けるのだが、風呂から流れる刺激に全く力が入らない。
「や、やめろ……馬鹿!」
精一杯の抵抗を見せるが、どうする事も出来ない。びりびりとした刺激が身体全体を包み込む。泡の刺激と不思議な痺れに脳が追いつかない。ただ、身体だけがビクビクと反応してしまう。
「はぁあああああ」
最初は痛かったはずの刺激が快感に変わっていくの分かる。知らない間におっちゃんにしがみつき、甘い吐息をついていた。はち切れんばかりの褐色のボディを優しく撫で回しながら、彼女にマッサージを続ける。
「んあ……あ…ああっ」
彼女の半開きに開いた口からヨダレが垂れる。目は完全にうつろになり、さすがの俺もやり過ぎたと慌てる。自分より大きな身体の彼女を慌てて抱え風呂から上がった。脱衣所で湯だった彼女を仰ぎながら少しだけ反省した。
その後、元気を取り戻したレイラに、正座をさせられしこたま怒られた。
浴槽に水を汲む作業で疲れたので、直ぐに料理をつくる気にもなれず床に寝転ぶ。天井を見上げながら、日本にいた事を思い出す。頭の中に浮かんだのは、積んでいるゲームやマンガのことしかない事に恥ずかしさを覚えた。旅の疲労が抜けきっていなかったのか、いつのまにかうたた寝をしていた。
ふと、視線を感じて目を開けるとレイラが顔を近づけて俺を見ていた。
「おっちゃん起きたんだ……」
「どうやってはいったんだ?」
「合い鍵で入ったけど」
それが何かという感じで答えられてしまうと、何も言い返す事は出来なかった。久しぶりにあった彼女に、何か気の利いた言葉を掛けようとしたが何も思いつかない。
「飯でも作るか……」
そんなつまらないセリフしか出てこなかった。
「ルリがなかなか帰ってこないから心配してたんだぞ」
「おまえはどうなんだ?」
「知るか馬鹿ッッ!」
プイと横を向き、彼女の顔が茹で蛸のように真っ赤になる。
「心配してくれてありがとな」
「心配なんかしてね―し」
そういって俺の胸を軽く小突いた。俺は痛くもないはずの胸がズキンと感じた。
* * *
二人で湯槽に浸かる。日本に住んでいるときには物語の中での出来事のはずだった混浴が、彼女が風呂に入ってきても前ほどは驚かなくなった。褐色の肌が密着して、温かい風呂なのに彼女の温もりが伝わる。二人で湯槽がすし詰めになるほど小さな風呂ではない。彼女が挑発するようにわざと当てているのが分かる。俺のドギマギした姿を楽しんでいるのだ。俺は挑発に乗せられそうになったが、浴槽についている小さな突起をスライドさせ、中にあるボタンを押す。お湯の中から小さな気泡が溢れ出る。
「エェエーーーッ、何に……なんなのよ!」
レイラが目を丸くしながら、湯槽の水をすくう。指から流れ落ちるそれはただの水に変わる。しばらくして泡の感触を楽しみ始める。
「ん……ああああぁ」
彼女の湿った柔い唇から吐息が漏れる。俺は嫌らしい顔をしながらもう一つのボタンを押す。
「ふひゃぁあ」
今まで聞いた事のない奇声が風呂場に響く。浴槽はボコボコと泡を立てながら、身体全体に水流が当たる。
「ちょ、ちょっとやめて……」
背中や腰以外の変なところにまで、こしょばったいバブルの力がかかる。俺にもその力は掛かっているのだが、彼女の痴態を見たいが為に我慢する。容赦ない水圧が下半身に襲いかかる。
「ふあぁ……だめ……。き、気持ちいいの」
風呂の力に屈するレイラ……。ジェット噴流が疲れの溜まった筋肉を揉みほぐす。どさくさ紛れに尻をなで回すと、とろりとした目でこちらを睨む姿に背徳感を楽しむ。俺は止めとばかし最後の仕掛けを動かす。
「ふひやぁーん」
レイラは今まで感じた事のない刺激に悶える。風呂から逃げようと身体動かそうとしたが、おっちゃんの腕にガッチリホールドされていた。いつもならこんな腕ぐらい簡単に振り解けるのだが、風呂から流れる刺激に全く力が入らない。
「や、やめろ……馬鹿!」
精一杯の抵抗を見せるが、どうする事も出来ない。びりびりとした刺激が身体全体を包み込む。泡の刺激と不思議な痺れに脳が追いつかない。ただ、身体だけがビクビクと反応してしまう。
「はぁあああああ」
最初は痛かったはずの刺激が快感に変わっていくの分かる。知らない間におっちゃんにしがみつき、甘い吐息をついていた。はち切れんばかりの褐色のボディを優しく撫で回しながら、彼女にマッサージを続ける。
「んあ……あ…ああっ」
彼女の半開きに開いた口からヨダレが垂れる。目は完全にうつろになり、さすがの俺もやり過ぎたと慌てる。自分より大きな身体の彼女を慌てて抱え風呂から上がった。脱衣所で湯だった彼女を仰ぎながら少しだけ反省した。
その後、元気を取り戻したレイラに、正座をさせられしこたま怒られた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる