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第四十九話 簡単なお仕事で大金が貰えます【前編】
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「臨時のパーティに入って欲しいんだけど」
飯を食べながらレイラに頼まれた。
「レイラの所って、メンバーがかなり多かったんじゃねえのか?」
「そうなんだけど、依頼人が求めた人数が多くなっちまって、信用できないメンバーを臨時で入れるのはリーダーが嫌がってよ……。まあ、おっちゃんの力は必要してないので参加だけして欲しいわけ」
最後はそれなりにディスられている気がしたが、レイラ達の実力に遠く及ばないのは事実だ。
「で、依頼内容は何だ?」
「隣国までの警護依頼」
俺は警護依頼はあまり受けない。異世界での警護依頼とは、魔物から依頼人を守る事は少ない。ダブリンやクレハンみたいにわざわざ魔物の居る山に入る依頼は希で、盗賊や対立するグループが襲ってくるのを防ぐ仕事をさすことが多い。人殺しが嫌というよりも、自分が死ぬ確率を高めたくなかったので自ずからこの仕事は外していた。もちろん底辺に近い俺が受けられる警護依頼は、かなり依頼料は良いが危うい仕事だった。
「あんまり乗り気は無いが、どれぐらい貰えるんだ?」
「おっちゃんには悪いが、一日につき金貨一枚かな……」
『ブーーッ』俺はレイラがどれぐらい稼いでいるか聞かないようにしてきたが、その一端が分かり口から食べ物を吹き出した……。
「汚ねーよ!」
人数あわせでこの依頼料は破格だ。ただ、金額の高さからかなり危険な仕事だと理解できた。腕を組みながら少しだけ考える――
「リーダーに了解したと伝えてくれ!」
俺は腹をくくり、久しぶりに命をベットに冒険に出かける。
「静岡音茶だ、おっちゃんと呼んでくれ」
ガタイがよく少し濃い顔のリーダーに右手を差し出した。
「リーダーのドリトンです。今回はこちらの我が儘を聞いて頂きありがとうございました。レイラから依頼内容は聞いているとは思いますが、何もしないようにお願いします」
「ああ、依頼人にはそれなりに強そうな振りをしとくさ」
小さく笑って握手した。かなり丁寧な対応に好感を持てたが、握られた右手が痛かったのでマイナス十点にしてやった……。その後、レイラに紹介されながら他のメンバーとも軽い挨拶を交わした。行程は片道三日ほどなので、ごまめ冒険者だとばれずに頑張っていこうと思う。
荷物を運ぶ馬車が四台あり、かなり大きな商隊に膨れあがった。馬車を守るメンバーは八名。レイラ達以外のメンバーが八名が馬車を守っている。俺はこの人数に少しだけ不審を感じた。人数が少し多すぎる――
レイラに近づくと彼女もこの違和感を察知しており
「悪いがおっちゃんまで守る事は出来ないから」
そういって頭を下げられた。
「金貨一枚の価値は十分にあるさ」
俺はいい女の前で格好つけた……はずだったがレイラはプッと吹き出した。
旅の初日は何事もなく夜を迎えた。ただ、馬車のスピードが思ったより遅く、このままだと行程が一日ずれそうだった。馬車の周りに焚き火がたかれおのおのが雑談している。俺の所にレイラが寄ってきた。
「旅はどうだった?」
「特に問題はねえさ、俺の守ってる場所は内側なんでレイラが頑張ってくれれば、ずっと昼寝をしてお金が貰える」
「ああ、安心して眠ってくれ」
ニシシと彼女が笑った。そして肘で俺をこづく……。
「イテーよ……」
ぶっきらぼうに答えると
「お腹すいてんだよ!」
俺は鞄から焼き菓子を取りだし彼女に手渡した。
「さすがおっちゃん、こういうところはしっかりしてると思った」
彼女は美味しそうに焼き菓子を頬張る。鞄の中の焼き菓子が目的地までに持たない事を覚悟した……。満天の星の下、次の交代が来るまで火の番をしながら二人でしゃべり続けた。俺は久しぶりにメンバーとの冒険に楽しみを感じていた。
飯を食べながらレイラに頼まれた。
「レイラの所って、メンバーがかなり多かったんじゃねえのか?」
「そうなんだけど、依頼人が求めた人数が多くなっちまって、信用できないメンバーを臨時で入れるのはリーダーが嫌がってよ……。まあ、おっちゃんの力は必要してないので参加だけして欲しいわけ」
最後はそれなりにディスられている気がしたが、レイラ達の実力に遠く及ばないのは事実だ。
「で、依頼内容は何だ?」
「隣国までの警護依頼」
俺は警護依頼はあまり受けない。異世界での警護依頼とは、魔物から依頼人を守る事は少ない。ダブリンやクレハンみたいにわざわざ魔物の居る山に入る依頼は希で、盗賊や対立するグループが襲ってくるのを防ぐ仕事をさすことが多い。人殺しが嫌というよりも、自分が死ぬ確率を高めたくなかったので自ずからこの仕事は外していた。もちろん底辺に近い俺が受けられる警護依頼は、かなり依頼料は良いが危うい仕事だった。
「あんまり乗り気は無いが、どれぐらい貰えるんだ?」
「おっちゃんには悪いが、一日につき金貨一枚かな……」
『ブーーッ』俺はレイラがどれぐらい稼いでいるか聞かないようにしてきたが、その一端が分かり口から食べ物を吹き出した……。
「汚ねーよ!」
人数あわせでこの依頼料は破格だ。ただ、金額の高さからかなり危険な仕事だと理解できた。腕を組みながら少しだけ考える――
「リーダーに了解したと伝えてくれ!」
俺は腹をくくり、久しぶりに命をベットに冒険に出かける。
「静岡音茶だ、おっちゃんと呼んでくれ」
ガタイがよく少し濃い顔のリーダーに右手を差し出した。
「リーダーのドリトンです。今回はこちらの我が儘を聞いて頂きありがとうございました。レイラから依頼内容は聞いているとは思いますが、何もしないようにお願いします」
「ああ、依頼人にはそれなりに強そうな振りをしとくさ」
小さく笑って握手した。かなり丁寧な対応に好感を持てたが、握られた右手が痛かったのでマイナス十点にしてやった……。その後、レイラに紹介されながら他のメンバーとも軽い挨拶を交わした。行程は片道三日ほどなので、ごまめ冒険者だとばれずに頑張っていこうと思う。
荷物を運ぶ馬車が四台あり、かなり大きな商隊に膨れあがった。馬車を守るメンバーは八名。レイラ達以外のメンバーが八名が馬車を守っている。俺はこの人数に少しだけ不審を感じた。人数が少し多すぎる――
レイラに近づくと彼女もこの違和感を察知しており
「悪いがおっちゃんまで守る事は出来ないから」
そういって頭を下げられた。
「金貨一枚の価値は十分にあるさ」
俺はいい女の前で格好つけた……はずだったがレイラはプッと吹き出した。
旅の初日は何事もなく夜を迎えた。ただ、馬車のスピードが思ったより遅く、このままだと行程が一日ずれそうだった。馬車の周りに焚き火がたかれおのおのが雑談している。俺の所にレイラが寄ってきた。
「旅はどうだった?」
「特に問題はねえさ、俺の守ってる場所は内側なんでレイラが頑張ってくれれば、ずっと昼寝をしてお金が貰える」
「ああ、安心して眠ってくれ」
ニシシと彼女が笑った。そして肘で俺をこづく……。
「イテーよ……」
ぶっきらぼうに答えると
「お腹すいてんだよ!」
俺は鞄から焼き菓子を取りだし彼女に手渡した。
「さすがおっちゃん、こういうところはしっかりしてると思った」
彼女は美味しそうに焼き菓子を頬張る。鞄の中の焼き菓子が目的地までに持たない事を覚悟した……。満天の星の下、次の交代が来るまで火の番をしながら二人でしゃべり続けた。俺は久しぶりにメンバーとの冒険に楽しみを感じていた。
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