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第二百十一話 MGO(マリーサ・ギルドで・大暴れ)
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ギルドの広間はいつもと変わらぬ喧騒に満ちていた。そんな中、俺は窓口の列に並んで順番待ちをしている。何も考えずこの窓口に並んでいたが、その担当者がマリーサさんであった。俺は少しだけ顔色を変え、手に持っている届出書類を提出した。
「あら、おっちゃんが書類を持ち込むなんて珍しいですね」
マリーサさんはその書類を手に取り、笑顔を俺に向ける。
「ま、まあな……」
彼女から目線を外して曖昧な返事を返した。
「な、なんですか!? このパーティ登録書は!!」
書類に目を通したマリーサさんの表情が強張る。
「何ですかと言われても、パーティを結成したから、ギルドに届け出を出しただけだが、問題でもあったのか?」
「問題大ありです!! まずソロのおっちゃんが、どうしてパーティを作れるんですか」
酷い言いように、ダメージを受けた。
「それにです……おっちゃんは良いとして、レイラさん、ルリさん、テレサさんの名前にシズオカとついている理由が分かりません。しかもテレサさんは皇女様が率いる、白薔騎士団の副隊長でしたよね」
「テレサは除隊したよ。それに俺たち結婚したから名前がつくのは当たり前の話だと思うが……」
俺は照れ笑いしながらそう話す。
「にゃんですとーーーーーーーーーーーー!!」
マリーサさんの、奇声がギルド中に響き渡る。
「後ろでまだ待っている人がいるので、早く処理してくれないか」
「はあーーー、御免なさい。少し書類の確認に時間が掛かるので、他の窓口に並んで下さいね」
マリーサさんは大きな溜息をついて、俺の後ろに並んでいる冒険者たちを、営業スマイルで列から追い出した。
「おっちゃんが結婚したなんて、私は聞いておりません」
俺に向けたその顔は、笑っていなかった。
「当たり前だ、今日初めてここに書類を届けたのだから、マリーサさんが知らないのも無理はないはずだ」
「そう言う意味で言ってないです」
彼女は窓口のテーブルをバンバンと叩いて、凄い目付きで睨んでくる。
「おっちゃんよ、何もたついてるんだ」
レイラに後ろから、声を掛けられる。
「レイラさん、おっちゃんと結婚したって嘘ですよね」
「いや、結婚したぞ。彼の故郷では、愛する人に指輪を贈って愛を確かめ合うそうだ」
そう言って緑の指輪を、マリーサさんに見せつけた。
「お前たち、なにしてんだ」
「待ちくたびれた」
ルリとテレサも窓口に駆けてくる。
「テレサさんもルリさんも、同じ指輪をはめています!?」
彼女は目聡くそれを見付けて、声を荒げる。
「ああ、これか。結婚の証だそうだ……。薬指の血管が愛情のある心臓と直接つながっていると、おっちゃんいや……彼にしてはロマンチックな告白だったぞ」
「うんうん」
「アガガガガガガガーーッ」
マリーサさんが遂に壊れた。
「許しません! この申込書は無効です。ギルドが許そうが、私が断固阻止させて貰います」
明らかに無理筋な理由で、彼女は怒り散らす、
「少し、落ち着いてくれ」
「おっちゃんが好き。真面目なとこが好き。お酒に付き合ってくれるとこが好き。意地汚く生きてるとこが好き。刀を振る姿が好き。薬草を沢山狩るところが好き。私に媚びを売らないのが好き。年上が好き。優しいところが好き。意外と頭が切れるところが好き。冒険者に好かれているところが好き。もてないところが好き。頑張っているところが好き。笑顔が好き。背が高くないのが好き。怒った顔が好き。仕事をさぼらないから好き。いやらしいところが好き。私にキスをしたから好き。舌使いが好き。臭いが好き。でも……私を泣かせたから大嫌い!!」
マリーサさんは窓口から身を乗り出し、俺の胸ぐらをつかんで思いの丈をぶつけてきた。そして子供のように声を上げて泣きじゃくる。俺は三人の冷たい視線を感じながら、彼女を窓口から抱き上げた。
「もうこれで、俺とマリーサを隔てる壁は無くなった……パーティのメンバーはまだ空いている」
その言葉で落ち着いたマリーサさんが、俺の腰に手を回し身体を預ける。
「私はおっちゃんと結婚します」
そう高らかに宣言した。MONとなり、このまま居座る。
ギルド内は、冒険者の怒声で騒然となる。ギルドの花を引き抜いた俺は、やっぱり長生き出来そうもなかった……。
「あら、おっちゃんが書類を持ち込むなんて珍しいですね」
マリーサさんはその書類を手に取り、笑顔を俺に向ける。
「ま、まあな……」
彼女から目線を外して曖昧な返事を返した。
「な、なんですか!? このパーティ登録書は!!」
書類に目を通したマリーサさんの表情が強張る。
「何ですかと言われても、パーティを結成したから、ギルドに届け出を出しただけだが、問題でもあったのか?」
「問題大ありです!! まずソロのおっちゃんが、どうしてパーティを作れるんですか」
酷い言いように、ダメージを受けた。
「それにです……おっちゃんは良いとして、レイラさん、ルリさん、テレサさんの名前にシズオカとついている理由が分かりません。しかもテレサさんは皇女様が率いる、白薔騎士団の副隊長でしたよね」
「テレサは除隊したよ。それに俺たち結婚したから名前がつくのは当たり前の話だと思うが……」
俺は照れ笑いしながらそう話す。
「にゃんですとーーーーーーーーーーーー!!」
マリーサさんの、奇声がギルド中に響き渡る。
「後ろでまだ待っている人がいるので、早く処理してくれないか」
「はあーーー、御免なさい。少し書類の確認に時間が掛かるので、他の窓口に並んで下さいね」
マリーサさんは大きな溜息をついて、俺の後ろに並んでいる冒険者たちを、営業スマイルで列から追い出した。
「おっちゃんが結婚したなんて、私は聞いておりません」
俺に向けたその顔は、笑っていなかった。
「当たり前だ、今日初めてここに書類を届けたのだから、マリーサさんが知らないのも無理はないはずだ」
「そう言う意味で言ってないです」
彼女は窓口のテーブルをバンバンと叩いて、凄い目付きで睨んでくる。
「おっちゃんよ、何もたついてるんだ」
レイラに後ろから、声を掛けられる。
「レイラさん、おっちゃんと結婚したって嘘ですよね」
「いや、結婚したぞ。彼の故郷では、愛する人に指輪を贈って愛を確かめ合うそうだ」
そう言って緑の指輪を、マリーサさんに見せつけた。
「お前たち、なにしてんだ」
「待ちくたびれた」
ルリとテレサも窓口に駆けてくる。
「テレサさんもルリさんも、同じ指輪をはめています!?」
彼女は目聡くそれを見付けて、声を荒げる。
「ああ、これか。結婚の証だそうだ……。薬指の血管が愛情のある心臓と直接つながっていると、おっちゃんいや……彼にしてはロマンチックな告白だったぞ」
「うんうん」
「アガガガガガガガーーッ」
マリーサさんが遂に壊れた。
「許しません! この申込書は無効です。ギルドが許そうが、私が断固阻止させて貰います」
明らかに無理筋な理由で、彼女は怒り散らす、
「少し、落ち着いてくれ」
「おっちゃんが好き。真面目なとこが好き。お酒に付き合ってくれるとこが好き。意地汚く生きてるとこが好き。刀を振る姿が好き。薬草を沢山狩るところが好き。私に媚びを売らないのが好き。年上が好き。優しいところが好き。意外と頭が切れるところが好き。冒険者に好かれているところが好き。もてないところが好き。頑張っているところが好き。笑顔が好き。背が高くないのが好き。怒った顔が好き。仕事をさぼらないから好き。いやらしいところが好き。私にキスをしたから好き。舌使いが好き。臭いが好き。でも……私を泣かせたから大嫌い!!」
マリーサさんは窓口から身を乗り出し、俺の胸ぐらをつかんで思いの丈をぶつけてきた。そして子供のように声を上げて泣きじゃくる。俺は三人の冷たい視線を感じながら、彼女を窓口から抱き上げた。
「もうこれで、俺とマリーサを隔てる壁は無くなった……パーティのメンバーはまだ空いている」
その言葉で落ち着いたマリーサさんが、俺の腰に手を回し身体を預ける。
「私はおっちゃんと結婚します」
そう高らかに宣言した。MONとなり、このまま居座る。
ギルド内は、冒険者の怒声で騒然となる。ギルドの花を引き抜いた俺は、やっぱり長生き出来そうもなかった……。
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