9 / 16
難儀なカノン-2
しおりを挟む
この城の地下には図書館が存在する。とてつもなく膨大な数の本を収容し、おおよそ歴史のその全てを把握することが可能だ。
さて、私がこの場に来たのは理由がある。
「確か…ここら辺だったかしら?」
そうして私は赤い背表紙の本を探す。あの中に彼女は閉じ込めてあるのだが...。
「ああ、あった。」
そして、その本を手に取り開く。中は殆どが白紙。だが、パラパラと捲っていくとやがて檻の中に人が描かれたページまでたどり着く。
「居た。」
【心界顕現】
その魔法を発動した。この本は私が作り出した檻である。私の固有魔法、心界顕現は私の心の中を現実に亜空間として顕現させるもの。その魔法を応用し、2次元に定着化させることに成功したのがこの本だ。
「さてさて、久しいわね。」
「おまえは………!」
手枷、足枷をつけた彼女はそこに居た。
「怯えなくてもいいじゃない。ベルアちゃん。」
ベルア·フェボス。魔王軍幹部の1人。以前、魔王との戦いがあった際に私が捕らえた魔族である。額には魔族である証として1本の角が見受けられる。
「に、人間ごときが私に何の用だ!」
「1つ、貴方に仕事を与えたくてね。」
「私に?ふん、乗ってやるものか?」
「あら、自由にしてあげようと思ってたのに。」
「…そんな言葉に私が乗るわけないだろ!!」
「あらそう。まあ、どっちにしたってやってくれなきゃ困るのよ。イールとルージュって奴について知りたいの。」
「イール?ルージュ?知らないね。」
「なら、直接探ってきてもらおうかしらね。」
「そんなこと言ったって―――――。」
「つべこべ言うな。」
途端に牢屋は形を変える。変化後の光景は絞首台そのもの。
「いっ………。」
「この場に居る以上。貴方の命は私の手の上にあるの?だから私のお願い、聞いてくれるよね?」
「………解った。」
「うん。ありがとう。ああ、一時的に自由にはするけど逃げようなんて思わないでね?まあ、逃げれないけど。」
「くっ………。」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
さて次の日。私はその本を持ち出し、城壁の外まで出てきた。そうしてその森に向かい歩き出す。メイ様には留守にすると伝えてある為今日は1日自由である。
「さて、この辺まで来たらいいかしらね。」
そうして、私はそいつを解放する。
「………。」
「そんな目でみないでよ。怖いじゃない。」
「よく言うよ。それで、探すのはどんな奴らなんだ?」
「あら、素直で嬉しいわ。探して欲しいのは男女の2人組。男の方がイール。女の方がルージュと言う名前よ。この森の近辺、中もくまなくお願いね?」
「ま、待てよ!情報はそれだけなのか?」
「それだけ。見つけたらどんな人たちなのか報告してね。それじゃあこの本を渡すから、お願いね?」
そうして私は檻として使っているその本を渡す。
「ああ、その本を捨てたり傷つけたりしたら瞬時に貴方はその本の中に封印されるから。もちろん、逃げようとしても同じよ?調査が終わったらその本を開いてね?」
そう言って、私はその場を後にする。これでも、色々とやることがあるのだ。
そう言って、その女はその場を後にした。悪魔め。私は…魔王軍幹部のこの私はあの女から逃げることが出来ない。それほどまでに強い相手であった。
「やるしかないのか………。」
そうして私は、その森の中へと入っていく。おおよそ普通の人間が暮らせるような魔素濃度ではない。そしてそれは際深部に行く程濃くなる。ここはそのくらい危険な場所だ。
本を抱え、人が歩けそうな場所を辿る。誰かが住んでいるような痕跡は今のところ見当たらない。
「まあ、人間が住めるわけがないもんね………。」
そんなことをポツリと呟いた。
「おやおや、お嬢さん。この森に1人で入るとは命知らずな。」
その声は背後から聞こえた。振り返ったときにはもう遅い。初撃が飛んできていた。
「くっ…!!」
なんとかその蹴りをガードする。
「その身のこなし、その角…やはり魔族だな?」
人にしては異常に強い。こいつが...ルージュ…まさか戦闘になるとは思わなかったが、これ程の強者…久方ぶりに心が高鳴る。
「そう言う貴様が…ルージュ…。」
「ほう、知っているのか………。」
本だけは落とさないように注意しながら、睨み合う。こいつの異常な強さ………なんなのだろうか。
さて、私がこの場に来たのは理由がある。
「確か…ここら辺だったかしら?」
そうして私は赤い背表紙の本を探す。あの中に彼女は閉じ込めてあるのだが...。
「ああ、あった。」
そして、その本を手に取り開く。中は殆どが白紙。だが、パラパラと捲っていくとやがて檻の中に人が描かれたページまでたどり着く。
「居た。」
【心界顕現】
その魔法を発動した。この本は私が作り出した檻である。私の固有魔法、心界顕現は私の心の中を現実に亜空間として顕現させるもの。その魔法を応用し、2次元に定着化させることに成功したのがこの本だ。
「さてさて、久しいわね。」
「おまえは………!」
手枷、足枷をつけた彼女はそこに居た。
「怯えなくてもいいじゃない。ベルアちゃん。」
ベルア·フェボス。魔王軍幹部の1人。以前、魔王との戦いがあった際に私が捕らえた魔族である。額には魔族である証として1本の角が見受けられる。
「に、人間ごときが私に何の用だ!」
「1つ、貴方に仕事を与えたくてね。」
「私に?ふん、乗ってやるものか?」
「あら、自由にしてあげようと思ってたのに。」
「…そんな言葉に私が乗るわけないだろ!!」
「あらそう。まあ、どっちにしたってやってくれなきゃ困るのよ。イールとルージュって奴について知りたいの。」
「イール?ルージュ?知らないね。」
「なら、直接探ってきてもらおうかしらね。」
「そんなこと言ったって―――――。」
「つべこべ言うな。」
途端に牢屋は形を変える。変化後の光景は絞首台そのもの。
「いっ………。」
「この場に居る以上。貴方の命は私の手の上にあるの?だから私のお願い、聞いてくれるよね?」
「………解った。」
「うん。ありがとう。ああ、一時的に自由にはするけど逃げようなんて思わないでね?まあ、逃げれないけど。」
「くっ………。」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
さて次の日。私はその本を持ち出し、城壁の外まで出てきた。そうしてその森に向かい歩き出す。メイ様には留守にすると伝えてある為今日は1日自由である。
「さて、この辺まで来たらいいかしらね。」
そうして、私はそいつを解放する。
「………。」
「そんな目でみないでよ。怖いじゃない。」
「よく言うよ。それで、探すのはどんな奴らなんだ?」
「あら、素直で嬉しいわ。探して欲しいのは男女の2人組。男の方がイール。女の方がルージュと言う名前よ。この森の近辺、中もくまなくお願いね?」
「ま、待てよ!情報はそれだけなのか?」
「それだけ。見つけたらどんな人たちなのか報告してね。それじゃあこの本を渡すから、お願いね?」
そうして私は檻として使っているその本を渡す。
「ああ、その本を捨てたり傷つけたりしたら瞬時に貴方はその本の中に封印されるから。もちろん、逃げようとしても同じよ?調査が終わったらその本を開いてね?」
そう言って、私はその場を後にする。これでも、色々とやることがあるのだ。
そう言って、その女はその場を後にした。悪魔め。私は…魔王軍幹部のこの私はあの女から逃げることが出来ない。それほどまでに強い相手であった。
「やるしかないのか………。」
そうして私は、その森の中へと入っていく。おおよそ普通の人間が暮らせるような魔素濃度ではない。そしてそれは際深部に行く程濃くなる。ここはそのくらい危険な場所だ。
本を抱え、人が歩けそうな場所を辿る。誰かが住んでいるような痕跡は今のところ見当たらない。
「まあ、人間が住めるわけがないもんね………。」
そんなことをポツリと呟いた。
「おやおや、お嬢さん。この森に1人で入るとは命知らずな。」
その声は背後から聞こえた。振り返ったときにはもう遅い。初撃が飛んできていた。
「くっ…!!」
なんとかその蹴りをガードする。
「その身のこなし、その角…やはり魔族だな?」
人にしては異常に強い。こいつが...ルージュ…まさか戦闘になるとは思わなかったが、これ程の強者…久方ぶりに心が高鳴る。
「そう言う貴様が…ルージュ…。」
「ほう、知っているのか………。」
本だけは落とさないように注意しながら、睨み合う。こいつの異常な強さ………なんなのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
無自覚チートで無双する気はなかったのに、小石を投げたら山が崩れ、クシャミをしたら魔王が滅びた。俺はただ、平穏に暮らしたいだけなんです!
黒崎隼人
ファンタジー
トラックに轢かれ、平凡な人生を終えたはずのサラリーマン、ユウキ。彼が次に目覚めたのは、剣と魔法の異世界だった。
「あれ?なんか身体が軽いな」
その程度の認識で放った小石が岩を砕き、ただのジャンプが木々を越える。本人は自分の異常さに全く気づかないまま、ゴブリンを避けようとして一撃でなぎ倒し、怪我人を見つけて「血、止まらないかな」と願えば傷が癒える。
これは、自分の持つ規格外の力に一切気づかない男が、善意と天然で周囲の度肝を抜き、勘違いされながら意図せず英雄へと成り上がっていく、無自覚無双ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる