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河野さん
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昼前の出張所は昨日と違い、まばらながらも探索者の出入りがあった。
この県の探索者が214名いる割りには少ない気もするけど、時間的なものなのか、昨日の影響なのか。
たぶん昨日の影響なんだろうな。
プレハブに入ると、やはりこちらに視線が集まるが、それも一瞬だけ。
2ヶ月も同じ場所で講習を受けてたこともあって、流石に皆さん慣れてるらしい。
「おう、秋月くん」
見知った顔を捜していると声がかかる。
180cmを超える身長にがっしりとした体躯。
その上に乗った、髪を短く刈った優しげな顔。
「お久しぶりです、河野さん。無事だったみたいでなによりです。」
河野さんは、講習中、どうしても敬遠されがちな俺に色々世話を焼いてくれた人だ。
見たところ大きな怪我はしてないみたいでよかった。
「お、心配してくれてたのか。秋月くんは結構ドライかと思ってたよ。」
「そんなことないですよ。まあ、初探索で舞い上がって少し忘れてましたけけど。」
それは隠しとけよ、と笑う河野さん。
ほんとに元気そうだ。
けど、パーティーを組んでるはずの2人が見当らない。
「あの、松田さんと川越さんは、もしかして…。」
2人は河野さんの大学の同級生。
3人で大学卒業と同時に探索者になる話だったはずだ。
ここにいないということは…
「おう、2人とも昨日の騒ぎで骨折してな。療養中だ。」
あっけらかんと言う河野さん。
ラグビーやってたって聞いたけど、ラガーマンはみんなこうなんだろうか。
「軽いですよ河野さん。でも初日から大変ですね。これからが楽しいのに。」
「楽しいって言える秋月くんも大概だろ。でも、悪いことばかりじゃないぞ。ゾンビの群れを押し留めた活躍が認められて報奨金がでたからな。」
「報奨金出るほど活躍したんですか!?」
「おう、すごいだろ。」
俺が言えたことじゃないけど、この人達もだいぶおかしい。
「素直にすごいですよ。あの時って海外のゾンビドラマみたいになってたんですよね?」
「なってたなあ。シーズンのクライマックスレベルだったな。」
「ああ、想像しやすいです。」
「そうそう、俺達だけじゃなく、甲斐くんも凄かったぞ。」
「甲斐くんですか!?」
クラスは違うけど高校の同級生だった甲斐くん。
中性的な容姿で少し気弱な印象のある彼が、そんなに頑張ったとは。
「俺達が潰れかけのところで、気絶するまで魔法を連発してくれてな。あれがなかったら俺達3人は押し潰されて死んでたかもしれん。」
「それは…、意外と言うと甲斐くんに悪いですが、そこまでやれるとは…。」
「おう、たいしたもんだった。会ったら声かけてやれよ。」
「もちろんです。」
バシバシと肩を叩いてくる河野さん。
結構いたい。
「よし、俺は腹が減ったから帰る。たまにはこっちにも来いよ。」
「はい、一区切りついたら来ますね。おつかれさまでした。」
ひらひらと手を振りながら去っていく河野さんを見送る。
やっぱりいいな。ダンジョンは。
最近まで普通に生活してた人達が闘ってる。命の危機でも踏みとどまってる。
昨日、俺だから闘えたなんて考えたのは思い上がりだった。
このまま皆が強くなって、俺なんて普通の人みたいになったらいいのに。
いや、それはなんかモヤっとするな。
なんだこれ。
まあいいや、とりあえず査定してもらおう。
この県の探索者が214名いる割りには少ない気もするけど、時間的なものなのか、昨日の影響なのか。
たぶん昨日の影響なんだろうな。
プレハブに入ると、やはりこちらに視線が集まるが、それも一瞬だけ。
2ヶ月も同じ場所で講習を受けてたこともあって、流石に皆さん慣れてるらしい。
「おう、秋月くん」
見知った顔を捜していると声がかかる。
180cmを超える身長にがっしりとした体躯。
その上に乗った、髪を短く刈った優しげな顔。
「お久しぶりです、河野さん。無事だったみたいでなによりです。」
河野さんは、講習中、どうしても敬遠されがちな俺に色々世話を焼いてくれた人だ。
見たところ大きな怪我はしてないみたいでよかった。
「お、心配してくれてたのか。秋月くんは結構ドライかと思ってたよ。」
「そんなことないですよ。まあ、初探索で舞い上がって少し忘れてましたけけど。」
それは隠しとけよ、と笑う河野さん。
ほんとに元気そうだ。
けど、パーティーを組んでるはずの2人が見当らない。
「あの、松田さんと川越さんは、もしかして…。」
2人は河野さんの大学の同級生。
3人で大学卒業と同時に探索者になる話だったはずだ。
ここにいないということは…
「おう、2人とも昨日の騒ぎで骨折してな。療養中だ。」
あっけらかんと言う河野さん。
ラグビーやってたって聞いたけど、ラガーマンはみんなこうなんだろうか。
「軽いですよ河野さん。でも初日から大変ですね。これからが楽しいのに。」
「楽しいって言える秋月くんも大概だろ。でも、悪いことばかりじゃないぞ。ゾンビの群れを押し留めた活躍が認められて報奨金がでたからな。」
「報奨金出るほど活躍したんですか!?」
「おう、すごいだろ。」
俺が言えたことじゃないけど、この人達もだいぶおかしい。
「素直にすごいですよ。あの時って海外のゾンビドラマみたいになってたんですよね?」
「なってたなあ。シーズンのクライマックスレベルだったな。」
「ああ、想像しやすいです。」
「そうそう、俺達だけじゃなく、甲斐くんも凄かったぞ。」
「甲斐くんですか!?」
クラスは違うけど高校の同級生だった甲斐くん。
中性的な容姿で少し気弱な印象のある彼が、そんなに頑張ったとは。
「俺達が潰れかけのところで、気絶するまで魔法を連発してくれてな。あれがなかったら俺達3人は押し潰されて死んでたかもしれん。」
「それは…、意外と言うと甲斐くんに悪いですが、そこまでやれるとは…。」
「おう、たいしたもんだった。会ったら声かけてやれよ。」
「もちろんです。」
バシバシと肩を叩いてくる河野さん。
結構いたい。
「よし、俺は腹が減ったから帰る。たまにはこっちにも来いよ。」
「はい、一区切りついたら来ますね。おつかれさまでした。」
ひらひらと手を振りながら去っていく河野さんを見送る。
やっぱりいいな。ダンジョンは。
最近まで普通に生活してた人達が闘ってる。命の危機でも踏みとどまってる。
昨日、俺だから闘えたなんて考えたのは思い上がりだった。
このまま皆が強くなって、俺なんて普通の人みたいになったらいいのに。
いや、それはなんかモヤっとするな。
なんだこれ。
まあいいや、とりあえず査定してもらおう。
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