天から二物も三物も与えられ過ぎた俺がダンジョンで青春を取り戻す

黒丸

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川越さんと松田さん

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挨拶が終わり、探索者集団の先頭。鉄扉の真正面へ移動する。
「川越さん、松田さん!」
そこで、いると思ってなかった二人に声を掛けた。
「おーう、秋月くん、元気だった?」
「おはよう…。」
軽く返してくるチャラそうな茶髪の川越さん。
相変わらず、むっつりとした顔で挨拶を返してくる松田さん。
「あ、おはようございます。河野さんも。あ、山下さん、田中さん、今日はよろしくお願いします!」
おう、おはよう。と返してくれる河野さんと、よろしくーと手をひらひらさせる山下さんと田中さん。
二人とは、講習で顔は知ってるけど話したことはない。
いまも二人で話していて、ちょっとコミュニケーションを拒否されてるような気がする。
「そう、川越さん、松田さん!骨折してたんじゃないんですか!?」
「そう。折れたんだよー。肋骨三本。」
「俺は右腓骨だ…。」
やっぱ軽いな、この人達。
「結構な怪我ですよ。ここにいるってことは回復薬ですか?」
「そーそー、協会が安くで中位を出してくれてさぁ。ってもそこそこすんだけど。」
「参加しないともったいない…。」
タフだ。
俺としては、慣れた人がいてくれた方が嬉しいけど。
「でも、二人がいてくれると心強いですよ。河野さんは参加するだろうなと思ってましたけど。」
「俺は昨日会ったからな。」
「昨日の今日で一緒に潜るとは思ってませんでしたけど。」
「確かにな。」
はっはっはと笑う河野さん。
その後にいる小さい影に目をやる。
「甲斐くーん。さっき隠してたね?」
「えへ…、びっくりするかと思って。」
いたずらが成功して少し嬉しそうだ。
「色んな意味でびっくりしたよ大成功だよ。」
「やった!」
甲斐君が小さくガッツポーズする。
こうしてると、小中学生くらいにしか見えない。
「甲斐君はかわいいなぁー。なんで女の子じゃないんだよー。」
ちょっと、川越さん!?
「無神経だ…。」
「だからモテないんだな。お前は。」
「うぇ!?」
松田さんと河野さんからフォローが入る。
ほんとだよ!やめてよ!
『まもなく開門します。準備をお願いします。』
スピーカーから興梠さんじゃない別の女性職員の声。誰だろう、興梠さんしか知らないからなぁ。
「甲斐君、魔法を使うタイミングは俺に任せてもらっていいかな?」
「うん。秋月くんに任せる。」
甲斐君が迷い無く答える。
「ありがとう。」
お礼を言って、武器を引き抜く。
今日は手数を重視して二本。二刀流だ。かっこいい。
「それが秋月君の得物か。すごいな。」
感心したように俺の手元をみる河野さん。
俺と甲斐君以外は、みんな木製のバットを持っている。
「はい。持ってみます?」
空中でくるっと回して持ち手を河野さんに向ける。
「持ったら筋肉痛めそうだな。ちなみに何キロだ?それ。」
もう一度回して持ち手を握りなおす。
「75キロです。」
「持てるか!!」
「ボク、2人分!?」
「作戦前から潰す気か…。」
じゃんじゃん突っ込みが入る。
うへへ、こういうノリ好き。
学生時代は絶対なかったからな、こういうの。
「秋月くん、なんでラグビーやらなかったんだよー。もったいねー。」
川越さん…、今度は俺の地雷を踏んできましたね。いい人なんだけどなぁ。
「いやいや、絶対いやがられますから!」
「こんなん止めれんわ…。」
「秋月君が持ったらトライ確定だろうな。」
ちらりと、こちらを見ている山下さんと田中さんが視界に入る。
嫌だな、あの目だ。俺を異物のように見る目。
今のは俺が調子乗ってたから悪いけど。
ちょっとへこむ。
扉の方へ向き直ると、ポンと背中を叩かれる。
「気にすんな…。」
と松田さん。
「悪いな。」
河野さん。
「大丈夫です!」

『それでは、開門します。』
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