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手
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「壊すん…ですか?」
意外だ。あの時のやり取りを見てたせいかもしれないけど、中武さんはコアを壊すとかしない人だと思ってた。
「そう。このダンジョンコアは危険だ。こんな小さなダンジョンが、あれほどの魔物を作り出すなんて前例がない。いや、中規模のダンジョンだってあんなものは出ない」
それほどのことなのか。レンに目を向けると、いちど頷いて、そのまま俯いてしまう。やっぱり気にしてるのかな。
「残しておくと、なにが起こるかわからない。ここは秋月くんの家の裏。しかも住宅街だ。できれば危険は排除しておきたい。それに…、たぶんこのダンジョンは"なる"よ」
そういうことか。
入ってきた時より輝きが弱くなったコアを眺める。
たしかに俺は死にかけたけど、もとを正せば俺が勝手に入ってきて暴れまわったから怖かっただけなんだよな。こいつ。
あの女性と、中武さんのやり取りを見てしまったせいか、やっぱり壊すのは抵抗がある。
「あの…、もう少し様子をみていいですか?やっぱり壊すのは…」
中武さんが難しい顔で腕を組む。少しの沈黙。
「…わかったよ。秋月くんの家の財産だしね。様子を見よう。ただ、次になにかあったら必ず相談してくれるかな。その時は僕が入るから」
「ありがとうございます」
「このくらいはね。それに、たぶん僕に気を使ってくれたんだろう?」
「まぁ、あの時のことを考えたのは確かです」
中武さんが柔らかく微笑む。
「ありがとう。本音を言うとね、僕もできるだけコアは壊したくないんだ。じゃあ、それを落ち着かせようか。やり方はわかるかい?」
ダンジョンコアを示しながら立ち上がる中武さん。左手には鞘に収められた日本刀。うわぁ、スーツに日本刀か。これで首を落としたのか。かっこいいけどどこから持ってきたんだろうこれ。
「はい。大丈夫です。えっと…」
俺の横に座ったままのレンを見る。少し首を傾げて不思議そうな表情。言い難いな。
「あの、レン。手を…」
「手?…あ。あぁぁっ!す、すまない!」
大慌てで手を離して背中を向けてしまった。なんか最初とずいぶん印象が変わったなぁ。
苦笑しながら立ち上がってダンジョンコアへと向かう。
石作りの台座の上で弱く輝くダンジョンコア。
それに指先でゆっくりと触れる。
一瞬だけ光が揺れたような気がしたけどそれだけ。これで五層を立ち去れば、コアは壊されることはないと判断して防衛状態は解除される。
なんか、ごめんな。怖がらせて。
絶対に壊したりしないから。
ただ、たまに魔物を倒しに来てもいいかな?
と、心の中で語りかけたものの、ダンジョンコアはなにも反応しない。あたりまえか。
指先を離す。
「終わりました」
「それじゃ、帰ろうか」
「はい」
答えて、座り込んだままのレンの前に回る。
「レン、行こう」
かなり迷ったけど、心臓をバクバクさせながら手を差し出す。
「ありがとう、ソウスケ」
レンは特に迷うことなく俺の手をとって立ち上がった。なんか負けた気がする。
意外だ。あの時のやり取りを見てたせいかもしれないけど、中武さんはコアを壊すとかしない人だと思ってた。
「そう。このダンジョンコアは危険だ。こんな小さなダンジョンが、あれほどの魔物を作り出すなんて前例がない。いや、中規模のダンジョンだってあんなものは出ない」
それほどのことなのか。レンに目を向けると、いちど頷いて、そのまま俯いてしまう。やっぱり気にしてるのかな。
「残しておくと、なにが起こるかわからない。ここは秋月くんの家の裏。しかも住宅街だ。できれば危険は排除しておきたい。それに…、たぶんこのダンジョンは"なる"よ」
そういうことか。
入ってきた時より輝きが弱くなったコアを眺める。
たしかに俺は死にかけたけど、もとを正せば俺が勝手に入ってきて暴れまわったから怖かっただけなんだよな。こいつ。
あの女性と、中武さんのやり取りを見てしまったせいか、やっぱり壊すのは抵抗がある。
「あの…、もう少し様子をみていいですか?やっぱり壊すのは…」
中武さんが難しい顔で腕を組む。少しの沈黙。
「…わかったよ。秋月くんの家の財産だしね。様子を見よう。ただ、次になにかあったら必ず相談してくれるかな。その時は僕が入るから」
「ありがとうございます」
「このくらいはね。それに、たぶん僕に気を使ってくれたんだろう?」
「まぁ、あの時のことを考えたのは確かです」
中武さんが柔らかく微笑む。
「ありがとう。本音を言うとね、僕もできるだけコアは壊したくないんだ。じゃあ、それを落ち着かせようか。やり方はわかるかい?」
ダンジョンコアを示しながら立ち上がる中武さん。左手には鞘に収められた日本刀。うわぁ、スーツに日本刀か。これで首を落としたのか。かっこいいけどどこから持ってきたんだろうこれ。
「はい。大丈夫です。えっと…」
俺の横に座ったままのレンを見る。少し首を傾げて不思議そうな表情。言い難いな。
「あの、レン。手を…」
「手?…あ。あぁぁっ!す、すまない!」
大慌てで手を離して背中を向けてしまった。なんか最初とずいぶん印象が変わったなぁ。
苦笑しながら立ち上がってダンジョンコアへと向かう。
石作りの台座の上で弱く輝くダンジョンコア。
それに指先でゆっくりと触れる。
一瞬だけ光が揺れたような気がしたけどそれだけ。これで五層を立ち去れば、コアは壊されることはないと判断して防衛状態は解除される。
なんか、ごめんな。怖がらせて。
絶対に壊したりしないから。
ただ、たまに魔物を倒しに来てもいいかな?
と、心の中で語りかけたものの、ダンジョンコアはなにも反応しない。あたりまえか。
指先を離す。
「終わりました」
「それじゃ、帰ろうか」
「はい」
答えて、座り込んだままのレンの前に回る。
「レン、行こう」
かなり迷ったけど、心臓をバクバクさせながら手を差し出す。
「ありがとう、ソウスケ」
レンは特に迷うことなく俺の手をとって立ち上がった。なんか負けた気がする。
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