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第1章
104 キアラのプール
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もっとも、プールの材料に拘りたくても私には鉄しか用意できない。
仕方がないから鉄で大きくプールを作り、磨きまくるしかない。
大変そうだがキアラを入れる時点で怪我をさせないように、わずかなササクレもなくなるよう磨きをかける。
角も全て丸く安全に仕上げておこう。
外形は簡単に作れたが、磨きが大変だ。サンドペーパーや砥石なんてないから、そこらの砂や岩や鉄で代用している。
鉄は金操で操ればよいが、砂や岩が大変だ。
ただでさえ魔力をバカ食いする金操なのに、砂や岩を操作するとさらに何倍もの魔力を消費してしまう。
修行にはもってこいだが、これはきつい。
しかも中々きれいにならない。以前空を飛ぶ用の鉄板の底を鏡面仕上げにしたが、面積はあれの百倍以上だ。
形状もあれより複雑なので苦戦している。
ちなみにサイズは横十メイル、縦十五メイル、深さは三段階、半メイル、一メイル、一メイル半だ。
磨き続けること二週間、鏡面仕上げとはいかないが表面が滑らかに仕上がった。
これなら安心してキアラを入れてやることができる。
さあキアラを呼んでこよう。
「カーにい、何これ?」
「ふっふっふー、キアラのために作ったんだぞー。プールと言ってな、キアラのようなお姫様しか入れないんだぞ。」
「いつもカーにいが入ってるあれとはちがうのー?」
「もちろん違うさ。あれよりだいぶ大きいだろ?」
「ほんとだー。大きいー。」
「さあキアラ、服を着たまま入るんだぞ。今日は泳がず水遊びをしよう。ここからあっち側には行くなよー。」
「みずあそびー? どうするのー?」
「簡単だよ。水をバシャバシャかけるだけ。こんなふうに。」
そう言って私はキアラに水をかける。
「あははーおもしろーい。私もやるー。」
キアラはそう言って手足をバタバタ動かし水をかけてくる。
短い手足を一生懸命動かして水を私にかけようとするが、水は上にしか弾けない。
なんてかわいいやつだ。
「いいぞいいぞー。さすがキアラ、もっと来い。」
「おもしろーい! カーにいもっともっと!」
よーし、それなら面白い物を見せてやろう。
『水球』
キアラの頭サイズの水球を何個も作り出し、お手玉のようにクルクルと回してみる。
「どうだーすごいだろー。」
「すごーい! どうなってるのー? お水が生きてるみたーい!」
「ふふふーこれが魔法なんだぞー。キアラもやりたかったら母上にお願いするといいぞ。」
「やりたいやりたーい! お願いするー!」
こうして日が暮れるまで私とキアラは水遊びに興じたのだった。
キアラももうすぐ三歳、魔法の稽古を始めたという話は聞いてないので、気になっていた。これで魔法にも興味を示したことだろう。後は母上がうまくやるに違いない。
私に魔法の指導なんかできないしな。
仕方がないから鉄で大きくプールを作り、磨きまくるしかない。
大変そうだがキアラを入れる時点で怪我をさせないように、わずかなササクレもなくなるよう磨きをかける。
角も全て丸く安全に仕上げておこう。
外形は簡単に作れたが、磨きが大変だ。サンドペーパーや砥石なんてないから、そこらの砂や岩や鉄で代用している。
鉄は金操で操ればよいが、砂や岩が大変だ。
ただでさえ魔力をバカ食いする金操なのに、砂や岩を操作するとさらに何倍もの魔力を消費してしまう。
修行にはもってこいだが、これはきつい。
しかも中々きれいにならない。以前空を飛ぶ用の鉄板の底を鏡面仕上げにしたが、面積はあれの百倍以上だ。
形状もあれより複雑なので苦戦している。
ちなみにサイズは横十メイル、縦十五メイル、深さは三段階、半メイル、一メイル、一メイル半だ。
磨き続けること二週間、鏡面仕上げとはいかないが表面が滑らかに仕上がった。
これなら安心してキアラを入れてやることができる。
さあキアラを呼んでこよう。
「カーにい、何これ?」
「ふっふっふー、キアラのために作ったんだぞー。プールと言ってな、キアラのようなお姫様しか入れないんだぞ。」
「いつもカーにいが入ってるあれとはちがうのー?」
「もちろん違うさ。あれよりだいぶ大きいだろ?」
「ほんとだー。大きいー。」
「さあキアラ、服を着たまま入るんだぞ。今日は泳がず水遊びをしよう。ここからあっち側には行くなよー。」
「みずあそびー? どうするのー?」
「簡単だよ。水をバシャバシャかけるだけ。こんなふうに。」
そう言って私はキアラに水をかける。
「あははーおもしろーい。私もやるー。」
キアラはそう言って手足をバタバタ動かし水をかけてくる。
短い手足を一生懸命動かして水を私にかけようとするが、水は上にしか弾けない。
なんてかわいいやつだ。
「いいぞいいぞー。さすがキアラ、もっと来い。」
「おもしろーい! カーにいもっともっと!」
よーし、それなら面白い物を見せてやろう。
『水球』
キアラの頭サイズの水球を何個も作り出し、お手玉のようにクルクルと回してみる。
「どうだーすごいだろー。」
「すごーい! どうなってるのー? お水が生きてるみたーい!」
「ふふふーこれが魔法なんだぞー。キアラもやりたかったら母上にお願いするといいぞ。」
「やりたいやりたーい! お願いするー!」
こうして日が暮れるまで私とキアラは水遊びに興じたのだった。
キアラももうすぐ三歳、魔法の稽古を始めたという話は聞いてないので、気になっていた。これで魔法にも興味を示したことだろう。後は母上がうまくやるに違いない。
私に魔法の指導なんかできないしな。
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