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番外編 忘れられない★
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「ふ……っ、……──ッ」
バーヤーンは人けのない林の中で、顎をフッと上げた。その眉間には深い皺が刻まれており、唇は苦しそうに開けられている。
その口からは熱く湿った吐息が漏れ、ついでに声も出そうで、バーヤーンは改めて唇を噛んだ。
彼の右手は休むことなく動いていた。その手の中には彼の限界まで張り詰めた剛直があり、既に何度か吐き出された体液でベタベタになっている。
収まらない。これが王族のインキュバスの力だと言うのか。
「……ッ! う……っ!」
バーヤーンは呻くと、また彼の怒張から勢いよく白濁が飛び出す。
インキュバスだという王族と、夢の中でセックスをしてしまった。夢から覚めたバーヤーンはヤツから離れ、それからというものの、ずっと自慰にふけっている。
自慢じゃないが、バーヤーンはモテる方だと思っていた。そして相手を喜ばす身体の使い方も知っていた。それが楽しいと思っていたのに、あのインキュバスとしてしまったら、今までの自分が馬鹿らしいと思うくらいの衝撃を受けたのだ。
はあはあと息を乱しながら、バーヤーンは自分の足の間のものを見つめる。
鼻の奥に残るのはあのインキュバスの香り。甘くて、嗅いでいると意識が遠のくような、そんな香りだ。そしてそれから思い出すのは、吸い付くような白く柔らかい肌の感触と、綺麗な桜色の胸の突起。バーヤーンを咥えて離さないとでもいうように、温かく、甘く締め付けるアイツのなか……。
「……っ、くそ……っ」
また思い出したら身体が疼いた。こんなに強烈に記憶に刻みつけられて、先程から自慰の衝動が収まらない。王族の本気を見た、とバーヤーンは思ったのだ。
普段澄ました顔の王族のインキュバスは、自分に犯されてどうしようもなく感じていた。それがさらにバーヤーンの支配欲を煽り、そんな顔は自分しか見たことがないのだと思ったら、とても気分が高揚する。
「……はは、あんな顔させられるの、……俺くらいしかいねぇよな……」
そう思ったらまたバーヤーンの右手が動く。まったく萎える気配のない楔はずっと天を向いていて、手じゃ満足できない、本物が欲しいとひくついている。ビンビンに張り詰めたそれは痛いほどで、それがバーヤーンをイラつかせた。
あの黒髪黒目をどうにかして打ち負かしたい。服をひん剥いて、ツンと立った桜色の突起を撫でたら、ヤツは泣きそうな声を上げてこちらを見るだろう。滑らかな肌を撫でれば敏感に身体を震わせ、腰を動かしよがってくる。いい、堪らない。こちらが絶対的に支配する方だとその肢体に教えこみ、王族を組み敷くのは悪くない。
「……って、この妄想こそアイツの思う壷だろうが……っ!」
どくん、と先端から精液が飛び出した。これでバーヤーン自身の、連続射精回数の記録を更新だ。一体あと何回すれば、この身体は満足するのだろう?
「許さねぇ……っ、俺は、こんなことしてる場合じゃねぇってのに……!」
無になれ、収まれと願うほど、あのなまめかしく動くインキュバスの内襞を思い出してしまう。どこもかしこも触り心地がよくて、上がる嬌声も耳をくすぐられた。匂いもまだ鼻の奥にあるような気がする。
……こうなったら、満足するまでしてやる、とバーヤーンは両手を使って自身を慰める。ぬちぬちと下から聞こえる音は、さらにバーヤーンをイラつかせた。
「こ、の……っ、覚えてろ、よ!」
かなり強烈にバーヤーンに印象付けたこのできごとは、日が落ちるまで彼をその場に留まらせたのだった。
[完]
バーヤーンは人けのない林の中で、顎をフッと上げた。その眉間には深い皺が刻まれており、唇は苦しそうに開けられている。
その口からは熱く湿った吐息が漏れ、ついでに声も出そうで、バーヤーンは改めて唇を噛んだ。
彼の右手は休むことなく動いていた。その手の中には彼の限界まで張り詰めた剛直があり、既に何度か吐き出された体液でベタベタになっている。
収まらない。これが王族のインキュバスの力だと言うのか。
「……ッ! う……っ!」
バーヤーンは呻くと、また彼の怒張から勢いよく白濁が飛び出す。
インキュバスだという王族と、夢の中でセックスをしてしまった。夢から覚めたバーヤーンはヤツから離れ、それからというものの、ずっと自慰にふけっている。
自慢じゃないが、バーヤーンはモテる方だと思っていた。そして相手を喜ばす身体の使い方も知っていた。それが楽しいと思っていたのに、あのインキュバスとしてしまったら、今までの自分が馬鹿らしいと思うくらいの衝撃を受けたのだ。
はあはあと息を乱しながら、バーヤーンは自分の足の間のものを見つめる。
鼻の奥に残るのはあのインキュバスの香り。甘くて、嗅いでいると意識が遠のくような、そんな香りだ。そしてそれから思い出すのは、吸い付くような白く柔らかい肌の感触と、綺麗な桜色の胸の突起。バーヤーンを咥えて離さないとでもいうように、温かく、甘く締め付けるアイツのなか……。
「……っ、くそ……っ」
また思い出したら身体が疼いた。こんなに強烈に記憶に刻みつけられて、先程から自慰の衝動が収まらない。王族の本気を見た、とバーヤーンは思ったのだ。
普段澄ました顔の王族のインキュバスは、自分に犯されてどうしようもなく感じていた。それがさらにバーヤーンの支配欲を煽り、そんな顔は自分しか見たことがないのだと思ったら、とても気分が高揚する。
「……はは、あんな顔させられるの、……俺くらいしかいねぇよな……」
そう思ったらまたバーヤーンの右手が動く。まったく萎える気配のない楔はずっと天を向いていて、手じゃ満足できない、本物が欲しいとひくついている。ビンビンに張り詰めたそれは痛いほどで、それがバーヤーンをイラつかせた。
あの黒髪黒目をどうにかして打ち負かしたい。服をひん剥いて、ツンと立った桜色の突起を撫でたら、ヤツは泣きそうな声を上げてこちらを見るだろう。滑らかな肌を撫でれば敏感に身体を震わせ、腰を動かしよがってくる。いい、堪らない。こちらが絶対的に支配する方だとその肢体に教えこみ、王族を組み敷くのは悪くない。
「……って、この妄想こそアイツの思う壷だろうが……っ!」
どくん、と先端から精液が飛び出した。これでバーヤーン自身の、連続射精回数の記録を更新だ。一体あと何回すれば、この身体は満足するのだろう?
「許さねぇ……っ、俺は、こんなことしてる場合じゃねぇってのに……!」
無になれ、収まれと願うほど、あのなまめかしく動くインキュバスの内襞を思い出してしまう。どこもかしこも触り心地がよくて、上がる嬌声も耳をくすぐられた。匂いもまだ鼻の奥にあるような気がする。
……こうなったら、満足するまでしてやる、とバーヤーンは両手を使って自身を慰める。ぬちぬちと下から聞こえる音は、さらにバーヤーンをイラつかせた。
「こ、の……っ、覚えてろ、よ!」
かなり強烈にバーヤーンに印象付けたこのできごとは、日が落ちるまで彼をその場に留まらせたのだった。
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