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ダンジョンウォー
ダンジョンギルド
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起きると、見慣れない天井が見える。寝ぼけた頭が、覚醒していき、昨日増築した、新しい部屋での最初の朝であることを思い出した。俺はベットから起き上がると、屋上に増築した洗面所に向かう。ここには、井戸から直接水が引かれていて、いつでも自由に水が使える。今回、屋上に増築したのは、今後の増員を考えて、小部屋が6部屋、グワドンなどの巨人でも使用できる中部屋が2部屋、それと洗面所と、トイレを作った。洗面所には火炎台と呼ばれる魔道具が置かれていた。これは火魔法の力で使用できるコンロのようなもので、これに鍋を乗せて使用すると、お湯を沸かすことができる。俺は洗面所で顔を洗いながら、これでお湯を沸かしていた。
お湯が沸くと、コップに炭豆茶の粉末を入れて、そこにお湯を注ぐ。芳醇な香りが周りに漂う。屋上にあるベンチに腰掛けて、俺はちびちびと炭豆茶を飲んでいた。そこへリンスが、何やら手紙を持ってやってきた。
「紋次郎様、おはようございます。それと、ダンジョンギルドから手紙が来ています、おそらく評議会への出席の願いだと思いますけど」
「おはようリンス。評議会って何?」
「ダンジョンギルドの方針や指針を決定する、重要な会議です。年に2度開催されます」
「どうして俺がそんな会議に呼ばれるの?」
「何言ってるんですか、前にも話しましたけど、紋次郎様はダンジョンギルドのシルバー会員ですよ。評議会にはシルバー以上に全ての会員に参加の権利があるんです」
「あっ、そういえばそんな話ししてたね。で、その評議会はいつあるの?」
「10日後ですね。場所は大陸最大の都市、ラームレブカです」
「遠いのそこ?」
「馬車で7日くらいでしょうか」
「うわ・・遠いね、嫌だな行くの・・・それは出席しないとダメなの?」
「ダメではないですけど、理由がない不参加は、何かしらのペナルティが発生する場合があります」
「う・・行くしかないのか・・・」
「まあ、紋次郎様は、一度はラームレブカには行った方が良いでしょう。これはいい機会かもしれません」
「そうだね・・ルーン新月もまだ先なんだよね、時間もあるし行ってくるか」
「出発は明日が良いでしょう。冒険ではないので危険もありませんから、同行するのは私と、もう一人くらいで良いかと」
このもう一人を決めるのに、それは揉めに揉めた。数時間に及ぶ話し合いの末に、その一人に決まったのは・・
「お前ら、おみあげ買ってきてやるからよう」
留守番させとくと、ろくなことをしないとの理由で、ポーズに決まった。あと、女性陣にとっては譲歩できる選択であったのだろう。それと馬車代や宿代がかからないからとの理由で、アスターシアも同行することになった。これについてはアルティがすごい反対していたが、紋次郎の護衛だからとの説得で、渋々納得していた。
★
「ギルドマスター、どちらへ?」
豪華な内装の部屋を、何も告げづに出るヒューマンの初老の老人。おそらくその人物の秘書であろう、エルフの女性が、それを呼び止める。
「ちょっと出かけてくる。訪問者があったら、急の用で出かけたと伝えるが良い」
「かしこまりました。それでは本日はこちらにはお戻りになられないのですね」
「そうだな、そのまま帰宅すると思う」
「はい。ではそのように」
老人は、その場を後にする。周りの建物に比べると、圧倒的に巨大なその建物を出ると、人目を避けるように、ある場所へと歩みを進めた。
老人がたどり着いたのは、人気のない、とある酒場であった。老人はそのまま店の主人に話しをして、裏の特別な部屋へと案内される。しばらくそこで待っていると、深くローブを被った、性別の不明な人物が入ってくる。その人物の手には、布で中身を見えなくした、カゴが持たれている。その人物はテーブルにそのカゴを静かに乗せた。
「エミロ、話とはなんだ、何か問題でもあったのか」
老人がそう話しかけると、少女のような綺麗な声で話しを返してくる。
「ズオルド、ダンジョンギルドのギルドマスターであるお前に、対処してもらいたいことがある」
「何だ、言ってみろ」
「あるダンジョンマスターを潰してほしい」
「ほほう。そんなことで私が動かなければいけないのか?」
「私たちが派手に動けないのはお前にも理解できるだろう。静かにその存在を消してほしいのだ」
「それで相手は誰だ」
「紋次郎という名のマスターだ」
「紋次郎? 聞かない名だな」
「その無名の男に、私の部下がひどい目に遭わされていてね。その中には英雄級も含まれているんだよ、その意味がわかるよな」
「まあ、我々にとって邪魔だってことはわかった。よかろう、なんとかしよう」
「それでは話は終わった。私は帰るとしよう」
そう言って、エミロはカゴを手に持ち、椅子から立ち上がる。その時、椅子にかかったローブが引っ張られ、深く被ったローブが外れる。そして、その人物の顔がさらけ出した。その顔には目も鼻も口もない、ただののっぺらな人形だった・・・・
お湯が沸くと、コップに炭豆茶の粉末を入れて、そこにお湯を注ぐ。芳醇な香りが周りに漂う。屋上にあるベンチに腰掛けて、俺はちびちびと炭豆茶を飲んでいた。そこへリンスが、何やら手紙を持ってやってきた。
「紋次郎様、おはようございます。それと、ダンジョンギルドから手紙が来ています、おそらく評議会への出席の願いだと思いますけど」
「おはようリンス。評議会って何?」
「ダンジョンギルドの方針や指針を決定する、重要な会議です。年に2度開催されます」
「どうして俺がそんな会議に呼ばれるの?」
「何言ってるんですか、前にも話しましたけど、紋次郎様はダンジョンギルドのシルバー会員ですよ。評議会にはシルバー以上に全ての会員に参加の権利があるんです」
「あっ、そういえばそんな話ししてたね。で、その評議会はいつあるの?」
「10日後ですね。場所は大陸最大の都市、ラームレブカです」
「遠いのそこ?」
「馬車で7日くらいでしょうか」
「うわ・・遠いね、嫌だな行くの・・・それは出席しないとダメなの?」
「ダメではないですけど、理由がない不参加は、何かしらのペナルティが発生する場合があります」
「う・・行くしかないのか・・・」
「まあ、紋次郎様は、一度はラームレブカには行った方が良いでしょう。これはいい機会かもしれません」
「そうだね・・ルーン新月もまだ先なんだよね、時間もあるし行ってくるか」
「出発は明日が良いでしょう。冒険ではないので危険もありませんから、同行するのは私と、もう一人くらいで良いかと」
このもう一人を決めるのに、それは揉めに揉めた。数時間に及ぶ話し合いの末に、その一人に決まったのは・・
「お前ら、おみあげ買ってきてやるからよう」
留守番させとくと、ろくなことをしないとの理由で、ポーズに決まった。あと、女性陣にとっては譲歩できる選択であったのだろう。それと馬車代や宿代がかからないからとの理由で、アスターシアも同行することになった。これについてはアルティがすごい反対していたが、紋次郎の護衛だからとの説得で、渋々納得していた。
★
「ギルドマスター、どちらへ?」
豪華な内装の部屋を、何も告げづに出るヒューマンの初老の老人。おそらくその人物の秘書であろう、エルフの女性が、それを呼び止める。
「ちょっと出かけてくる。訪問者があったら、急の用で出かけたと伝えるが良い」
「かしこまりました。それでは本日はこちらにはお戻りになられないのですね」
「そうだな、そのまま帰宅すると思う」
「はい。ではそのように」
老人は、その場を後にする。周りの建物に比べると、圧倒的に巨大なその建物を出ると、人目を避けるように、ある場所へと歩みを進めた。
老人がたどり着いたのは、人気のない、とある酒場であった。老人はそのまま店の主人に話しをして、裏の特別な部屋へと案内される。しばらくそこで待っていると、深くローブを被った、性別の不明な人物が入ってくる。その人物の手には、布で中身を見えなくした、カゴが持たれている。その人物はテーブルにそのカゴを静かに乗せた。
「エミロ、話とはなんだ、何か問題でもあったのか」
老人がそう話しかけると、少女のような綺麗な声で話しを返してくる。
「ズオルド、ダンジョンギルドのギルドマスターであるお前に、対処してもらいたいことがある」
「何だ、言ってみろ」
「あるダンジョンマスターを潰してほしい」
「ほほう。そんなことで私が動かなければいけないのか?」
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「それで相手は誰だ」
「紋次郎という名のマスターだ」
「紋次郎? 聞かない名だな」
「その無名の男に、私の部下がひどい目に遭わされていてね。その中には英雄級も含まれているんだよ、その意味がわかるよな」
「まあ、我々にとって邪魔だってことはわかった。よかろう、なんとかしよう」
「それでは話は終わった。私は帰るとしよう」
そう言って、エミロはカゴを手に持ち、椅子から立ち上がる。その時、椅子にかかったローブが引っ張られ、深く被ったローブが外れる。そして、その人物の顔がさらけ出した。その顔には目も鼻も口もない、ただののっぺらな人形だった・・・・
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