ジリ貧迷宮主が教える──ハーレムダンジョンの作り方

RYOMA

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ダンジョンウォー

新しい仲間

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食堂で経緯を簡単に説明して、俺はカリスをみんなに紹介した。
「カリスと言いますだぁ、皆様、よろしくおねげえしますだぁ」

みんな突然の展開に驚いていたのだけど、リンスとアルティの驚きようは異常であった。
「紋次郎様! その者はユルジールと名乗ったんでか? それは間違いないですか?」
「そうだよ。アルケミストのユルジールさんだよ」
「紋次郎さん・・・それが私の知っているユルジールだとすれば、とんでもない人ですよ。アルケミスト、ユルジール。歴史上ただ一人の伝説級アルケミスト。今だに彼を超えるアルケミストは現れていません」

リンスもアルティに続いて話を進める。
「しかもユルジールはこの子を最高傑作と言ったんですよね?」
「そ・・そうだよ」
俺はリンスとアルティの話に押されて狼狽えてしまう。
「ユルジール作のオートマタで有名なのはカブラチュカの破壊神・・カブラチュカの街を1日で滅ぼした怪物です。その時、英雄級冒険者数人を始めとする討伐隊が手も足も出なかったと聞いています。この子はその怪物を上回るオートマタだと彼が言ったんですよね」

「いや・・そんな意味かどうかはわからないよ、ただユルジールさんにとっては彼女は特別なんだよ・・」

彼女がそんな破壊神と同じとは思わないし、だからこそユルジールさんの最高傑作なんだと思う。

「まぁ、そんなとこで突っ立ってねえで、こっち来て一杯やりな」
ポーズのそんな声かけに、カリスは戸惑っていた。俺はその戸惑いに背中を押してあげる。
「カリス、君を歓迎してくれるって言ってるよ、行っておいで」
「は・・はぁい、いただきますだぁ」

彼女はそう言ってポーズたちが飲んでいるテーブルへ走り寄る。満面の笑みで微笑みながら飲み物を注いでもらう彼女を見て、俺は少し疑問に思ったのだけど・・・オートマタって飲み食いできるのかな・・しかし、その疑問はリンスが答えてくれた。

「紋次郎様、オートマタが飲み食いできるか心配してるのですか? だとすればご心配無用ですよ。ほとんどのオートマタは食事や飲み物で稼働魔力の生成ができるように作られていますから」

「そうなんだ、よかった」
カリスは飲み食いを楽しむことができる。それはすごく嬉しいことであった。


幽霊屋敷の件は解決したので幽霊はもう出ないと老人に伝えた。すると老人は喜び、お礼にお金をくれると言ってくれたけど、それを丁重にお断りした。特に何かしたわけでもないし、無料で宿にも泊めてもらったのに、これでお礼なんてもらえないよね。

俺たちは、カリスを新しい仲間に加え、湖のリゾート地ムーンランベへと向かう。カリスは紋次郎の馬車に搭乗することになった。馬車が走り出すと、すぐにカリスは紋次郎に質問する。

「つかぬ事お伺いしますだがぁ、私は皆様のところで、何さぁすればいいですかいね、私のできることと言えば、掃除と洗濯くらいですんがぁ・・」
「今はうちは慰安旅行中だから、特にお仕事のことは考えなくて大丈夫だよ。うちに戻ったら少しお手伝いをお願いすると思うけど、今はみんなに打ち解けるように頑張ろうか」

「慰安旅行っつうのがよくわからなねぇが、わかっただぁ、一生懸命頑張るだぁ」

まぁ、何を頑張るかはわからないけど、前向きでいいと思う。

さて、馬車だけど半日も走ると、目的地の湖が遠くの方に見えてきた。途中、その湖が見える丘の高台で、ソォードが作ってくれた弁当を広げ、ピクニック気分で昼食をみんなで食べた。

楽しい昼食の後は、眺めの良いその場所で、ゆったりとティータイム。これには、そういう経験の少ないカリスがすごく感動してこんなことを言っていた。
「私ぃこんなのぉ初めてだぁ、ご飯は美味しいし、お茶は美味しいし、幸せだぁ」

長めの休憩を終わると、馬車に乗り先へと進む、揺れる馬車の覗き窓から目的地の湖が近づいてくるのが見える。湖から流れてくる冷たい風が、水の匂いを運んでくる。その匂いが強くなるほど、目的地への到着が近づいてくるのを実感する。
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