【仮題】VRMMOが世界的競技になった世界 -僕のVR競技専門高校生生活-

星井扇子

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はじめてのイベント。

【03‐02】イベント準備

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 一昨日、拓郎たちに協力してもらってホーンブルを倒したのだが、その後、スライムと角兎以外を狩ることはなかった。ゴールデンウィークに入ったため、いつもより多く狩った。

 昨日、僕は新しい依頼の情報を求めて掲示板やネットを見ていた。その結果、僕の考察では現状新しい依頼を達成できない可能性の方が高くなっている。
 理由はいくつかあるが、一番の理由は回避ができないこと。これまでで二回、回避を試みてみたけど、両方とも僕本体が回避して尻尾たちは防御していた。自動防御《オートガード》は文字通り自動で防御することだ。そこにプレイヤーの意思は関係ないのだろう。だから今後、僕が何かを避ける為には六本の尻尾をすべて操作しながら避けないといけないということだろう。これは当分は無理だと思う。重心を取りながら尻尾を操作するなんて僕にはできない。
 
 僕が回避できないということは僕に向かってきた攻撃は防御しないといけないということだ。ホーンブルの攻撃を防御できなかったことはわかっている。それに対複数戦では尻尾が足りないという状況になることも出てくるだろう。
 今の僕がにできるのは、尻尾の操作の正確性を高めること。もし防御の前に相手の攻撃の威力を削ぐことができるようになればホーンブルの攻撃も防御できるようになるかもしれない。
 
 僕は自身のできることを再確認して、気合を入れ直した。もともと自動防御《オートガード》は偶々手に入れた力なのだ。どうせならそれを生かす方向に頑張ってみよう。僕はログインした。
 
 
 
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 今日はイベントに向けた準備をするつもりだ。
 必要なものは、武器、防具、回復アイテム、そして、食料だ。
 僕に武器と防具は必要ない。回復アイテムも〔再生〕スキルがあれば必要ないだろう。切り傷であれば時間があれば再生する。そもそも僕が攻撃を喰らった時点でその戦いは決していると言ってもいいだろう。
 
 だから、今僕が買うべきものは食料と水だ。それを入れるバッグは今まで使っていたものでいいだろう。
 AWには満腹度と渇水度の要素が申し訳程度にある。ただこれはリログすることでリセットされる程度の要素である。つまり、一度ログアウトすることで満腹度と渇水度が全回復するのである。さらに、町中で買い物や話をしているときには減らないようになっている。この要素は、プレイヤーの長期ログイン防止の策なのだといわれている。戦闘や生産活動をしているうちは減るのだ。しかし、僕が今日までプレイしてきて満腹度と渇水度が半分を切ったことはない。ほぼフレーバー的な要素である。
 それでも、今回のイベントだとか長期遠征なんかには必要になってくる。そのため今、AW内でも企業として出している店は書き入れ時になる。
 
 僕は、とりあえず雑貨屋に向かった。
 
 
 
 通いなれた雑貨屋に着いた僕は店に入り、店主に挨拶する。
 
 「こんにちはー」
 「いらっしゃい。今日は何の用だい」
 「日持ちする食料と水を買いに来ました」
 「食料に水?うちには売ってないぞ?」
 「そうなんですか。じゃあ、どこで売ってますか?」
 
 まあ、僕も予想はしていた。というかここは雑貨屋だ。売ってるわけがない。今の僕は何か欲しいものがあるととりあえずここに来るようになっていた。
 
 「長く持つものなら肉屋じゃないか?それよりも遠征か?」
 「いえ、ちょっと長い期間狩りをすることになって」
 「なるほど。それなら、テントとかも用意した方がいいんじゃないか?」
 
 テントか。全然思いつかなかった。今回のイベントは特設VR空間で行われることになっているはずだ。期間は三日。特設VR空間内の時間が加速されるらしい。そのため、野営の用意もしておいた方がいいのだろう。でも僕にできるだろうか。
 
 「僕、野営とかしたことないんですが、簡単にできるものなんですか?」
 「訓練所で教えてもらえ」
 
 店主は呆れながらも言った。また訓練所か。
 
 「分かりました。じゃあ、また後できます」
 
 僕は店主に礼を言って雑貨屋を出た。僕は訓練所で野営だけじゃなくてサバイバルのことも教えてもらってから買い物をすることに決めて、訓練所を目指した。
 
 
 
-------
 
 
 
 訓練所に着いた僕は、列に並ぶ。訓練場には受付嬢にサバイバル全般を教えてほしいという。
 
 「わかりました。では、少々お待ちください」
 
 僕が受付嬢に言われて、訓練所の中で待っているとバースさんがやってきた。
 
 「おぬしか。今度はサバイバルと聞いたが?」
 「はい。今度長期の狩りに出ることになりまして」
 「ふむ、ならば今回は最低限のことを教えよう」
 
 そう言って、バースさんは僕を連れて、奥の訓練場に方に行く。
 
 訓練場のテントや鳴子のような野営に使う道具が置かれている場所で、僕は野営の際に必要な知識を学んだ。テントの広げ方や野営する場所の選び方、水の確保の仕方等いろいろと教わった。テントの広げ方とかいくつかは実際にやらせてもらった。他にもテントを使用しない方法やいざというときに使える知識を教えてもらった。
 
 「これで最低限のことはできるだろう。これ以上は時間が掛かるものが多い。また時間があるときに来るといい」
 
 これで訓練は終わりだそうだ。バースさんにお礼を言って訓練所を出た。
 
 僕は、バースさんに教えてもらったことを思い出しながら何を買うかを考えていた。点ともあった方がいいのは確かだが僕は使わないことにした。一人でテントを使うと何かあったときの初動が遅くなる可能性がある。バースさんも一人の時は毛布で済ませることがあるって言っていた。
 僕が買うべきなのは毛布に火打石ぐらいだろうか。あとは食料に水を入れる水筒に水だ。
 僕は再び雑貨屋に向かった。
 
 
 
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 「こんにちはー」
 
 僕はまた挨拶をしながら、雑貨屋に入った。
 
 「いらっしゃい。さっきぶりだな」
 「今回は毛布と水筒と火打石を買いに来ました」
 「安物でいいのか?」
 
 別に構わないだろう。僕は頷いた。
 
 「じゃあ、これとこれとこれな」
 
 店主は、紺色の毛布と革の水筒と火打石をカウンターに出してきた。
 
 「全部で三千でいい」
 
 三千なら余裕で払える。僕は店主に支払った。
 
 「まいどあり。またなんかあったらうちに来い」
 「はい。そうさせてもらいます」
 
 僕は物を受け取ってバグに詰めた後、店を出た。
 
 僕はそのまま肉屋に行って干し肉のような何かをいくつか買った。これは見な目は干し肉だが、中身は干し肉とは違い、固くなく食べやすくなっているらしい。僕はそれを包んでもらいバッグに入れた。バッグの中は清潔が保たれるようになっているが、一応他のものもあるので紙に包んでもらうことにした。
 
 僕は肉屋を後にして、もう一度必要なものを確認した。
 こんなに用意はしていたが、イベントの詳細欄にはモンスターを狩れば物資が手に入るとなっていたのを覚えている。手ぶらで参加したとしても最悪の事態は免れるようになっているはずだ。
 
 確認を終えた僕は時間を確認する。もう少しで七時だ。僕はログアウトした。
 
 
 
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 夕飯を食べた後は、AWをプレイせずに掲示板やネットでいろいろなモンスターの情報を見た。どんなモンスターが出るかはわからないが予想はできる。僕は三日間のハンティングイベントということから、大きな森もしくは島が舞台になると予想して森に現れるモンスターや川に現れるモンスターの情報を集めた。
 
 ある程度の情報を集め終えた僕は時計を確認する。
 少し早いが明日はイベント本番だ。
 僕はとりあえず三日間生き残ることを目標に決め、ベットに入った。
 
 
 
 
 
 
 
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