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第三章
セクハラに遭いました。
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干からびたとしか形容できない、矮躯からは想像出来ない圧迫感は、私だけでなく跪いたユリア様にものし掛かっているようで「御心のままに」と答える彼女の声も震えていました。
ユリア様のお返事に満足したのか、老婆がけたたましく哄笑します。その姿は聖女ではなく魔女とした方が、よほど適当でしょう。甲高い、神経を抉るような声に、私は失礼ながらも顔を顰めずにはいられませんでした。
けれど、このまま黙っている訳にはいきません。私はこの魔女様にお願いしたいことがあるのです。本当に魔女ではなく聖女であるなら、その女神の加護をお借り出来ないかご相談しないと。
あぁ、その前にマールマールの件を問い詰めなければ。忙しいですね。気合いを入れねば。
「あら? あらら?」
金縛りを気合いで解かねばと、腰を据えようとした所、嘘のように体の自由が戻りました。そして、目の前にいらしたはずの老婆は、目を離した一瞬で消えてしまいました。
ご老体を追いかけようと走り出そうとしましたが、跪いていたユリア様が倒れられ、私の進路を塞いでしまわれました。障害物を飛び越え追うべきか、少しばかり悩みましたが、私は大人しくユリア様を介抱する方を選びます。
「ユリア様、このような所で眠ると他の方にご迷惑ですよ」
軽く肩を揺すると、意識はあったのか、呻きながらユリア様は顔を上げました。そして、親の仇でも見るような目で私を睨みます。
「お体は大丈夫そうですね。なら、先ほどの方、マザー様の所に案内して下さいまし。教会に蔓延る悪徳を是正して頂かねばなりません。あと、少々お借りしたいモノもありますし」
私の用件を伝えますと、ユリア様の表情はカッと鬼のような形相に変わりました。暴力に訴えるつもりか、私の腕を強引に掴みます。
『このまま黙って聞きなさい』
突然、ユリア様の声が頭の中に響きました。気持ち悪い!
『死にたくなければ、大人しく私に従いなさい。私達はあの方の逆鱗に触れてしまった』
「どういう意味で」
この気持ち悪い現象の説明も欲しくて、ユリア様に質問しようとすると、容赦なく手で口を押さえられました。
いきなり淑女の口を塞ぐなど、失礼極まりないユリア様に文句の一つも言ってやろうと、その手を振り払おうとしましたが、目の前でバチッと光が弾けて、私の意識は遠ざかっていきました。
この感覚は覚えがあります。エイダンが護身用にと手取り足取り、勢い余って私の身を以て教えてくれた痺れの魔術です。鼻孔に僅かに燻る焦げ臭さ……エイダンですら一月ほど顔を見る度に鼻孔に蘇った焦げ臭さ。
ふふふ、私は静かにユリア様へお返しするお礼をお腹の底で練りながら、意識を手放してやりました。
ユリア様のお返事に満足したのか、老婆がけたたましく哄笑します。その姿は聖女ではなく魔女とした方が、よほど適当でしょう。甲高い、神経を抉るような声に、私は失礼ながらも顔を顰めずにはいられませんでした。
けれど、このまま黙っている訳にはいきません。私はこの魔女様にお願いしたいことがあるのです。本当に魔女ではなく聖女であるなら、その女神の加護をお借り出来ないかご相談しないと。
あぁ、その前にマールマールの件を問い詰めなければ。忙しいですね。気合いを入れねば。
「あら? あらら?」
金縛りを気合いで解かねばと、腰を据えようとした所、嘘のように体の自由が戻りました。そして、目の前にいらしたはずの老婆は、目を離した一瞬で消えてしまいました。
ご老体を追いかけようと走り出そうとしましたが、跪いていたユリア様が倒れられ、私の進路を塞いでしまわれました。障害物を飛び越え追うべきか、少しばかり悩みましたが、私は大人しくユリア様を介抱する方を選びます。
「ユリア様、このような所で眠ると他の方にご迷惑ですよ」
軽く肩を揺すると、意識はあったのか、呻きながらユリア様は顔を上げました。そして、親の仇でも見るような目で私を睨みます。
「お体は大丈夫そうですね。なら、先ほどの方、マザー様の所に案内して下さいまし。教会に蔓延る悪徳を是正して頂かねばなりません。あと、少々お借りしたいモノもありますし」
私の用件を伝えますと、ユリア様の表情はカッと鬼のような形相に変わりました。暴力に訴えるつもりか、私の腕を強引に掴みます。
『このまま黙って聞きなさい』
突然、ユリア様の声が頭の中に響きました。気持ち悪い!
『死にたくなければ、大人しく私に従いなさい。私達はあの方の逆鱗に触れてしまった』
「どういう意味で」
この気持ち悪い現象の説明も欲しくて、ユリア様に質問しようとすると、容赦なく手で口を押さえられました。
いきなり淑女の口を塞ぐなど、失礼極まりないユリア様に文句の一つも言ってやろうと、その手を振り払おうとしましたが、目の前でバチッと光が弾けて、私の意識は遠ざかっていきました。
この感覚は覚えがあります。エイダンが護身用にと手取り足取り、勢い余って私の身を以て教えてくれた痺れの魔術です。鼻孔に僅かに燻る焦げ臭さ……エイダンですら一月ほど顔を見る度に鼻孔に蘇った焦げ臭さ。
ふふふ、私は静かにユリア様へお返しするお礼をお腹の底で練りながら、意識を手放してやりました。
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