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第二章
過去の自分を客観視してやりました。
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「私の何を心配なさると言うの? アリシアはずっとエイダンだけを心に、一秒でも早い貴方のご帰還をお待ちしておりますとも」
エイダンの隣、いえ、彼の腕を強引に引っ張り、率先して人混みをかき分けて歩くその姿は、紛れもなく私自身でありました。
「ん、どうしたい。はは、なんだあの二人。場違いにもほどがあるね。あんな上等な服着て来る所じゃないよ。身ぐるみ剥がされちまうぜ」
サリー様の言う通り、完全に浮き上がってしまっている私たちを、ごった返したカウンターからあぶれた殿方が群がるように囲います。
私は思わず立ち上がります。エイダンの元へ駆けつけようとすると、サリー様が怪訝な顔で私の腕を掴みました。
「何する気だい。いらん事に関わるんじゃないよ。心配しなくても、すぐにおさまるよ」
サリー様が視線で指した方を見ると、ウエイトレスの彼女が、うんざりした表情で私とエイダンを見ておりました。溜め息一つで、ウエイトレスは壁に飾られていた斧を……何故でしょうか、斧を軽々と肩に担いで私たちの元へと歩き出しました。
エイダンと私はまるで気付いておりません。物騒な物を手に仲裁へ向かうウエイトレスがいることも、自分たちが取り囲まれていることすらも。
「君こそ何をそんなに心配しているんだ。僕がギルドに所属すれば安心なのか? 悪いが僕には、こんな掃き溜めで君の安心を買えるとは到底思えないよ」
「私が心安らかにいる為にここに来たのではありませんわ! 貴方が誰といようと……例え神のご加護があろうと、安心なんて出来るはずないでしょう!」
私たちは身振り手振りを入れ、言い合いを加速させていきます。
私たち二人だけならば、まるで舞台のお芝居を観ている気分に浸れましたが、エイダンが腕を一振りすれば取り囲んでいた殿方が数人、一斉に打ち払われ宙を舞いますので、遠目で見ると出来の悪い喜劇以外の何物でもありません。
エイダンの隣、いえ、彼の腕を強引に引っ張り、率先して人混みをかき分けて歩くその姿は、紛れもなく私自身でありました。
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サリー様の言う通り、完全に浮き上がってしまっている私たちを、ごった返したカウンターからあぶれた殿方が群がるように囲います。
私は思わず立ち上がります。エイダンの元へ駆けつけようとすると、サリー様が怪訝な顔で私の腕を掴みました。
「何する気だい。いらん事に関わるんじゃないよ。心配しなくても、すぐにおさまるよ」
サリー様が視線で指した方を見ると、ウエイトレスの彼女が、うんざりした表情で私とエイダンを見ておりました。溜め息一つで、ウエイトレスは壁に飾られていた斧を……何故でしょうか、斧を軽々と肩に担いで私たちの元へと歩き出しました。
エイダンと私はまるで気付いておりません。物騒な物を手に仲裁へ向かうウエイトレスがいることも、自分たちが取り囲まれていることすらも。
「君こそ何をそんなに心配しているんだ。僕がギルドに所属すれば安心なのか? 悪いが僕には、こんな掃き溜めで君の安心を買えるとは到底思えないよ」
「私が心安らかにいる為にここに来たのではありませんわ! 貴方が誰といようと……例え神のご加護があろうと、安心なんて出来るはずないでしょう!」
私たちは身振り手振りを入れ、言い合いを加速させていきます。
私たち二人だけならば、まるで舞台のお芝居を観ている気分に浸れましたが、エイダンが腕を一振りすれば取り囲んでいた殿方が数人、一斉に打ち払われ宙を舞いますので、遠目で見ると出来の悪い喜劇以外の何物でもありません。
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