『俺が体験した恐怖』

篠崎俊樹

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『俺が体験した恐怖』

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 これは、実体験だ。俺は、福岡県某所の田舎町に住んでいて、普段、新聞配達のアルバイトをしている。長年、精神科の病院にも掛かっていて、病院代や薬代なども、アルバイト代から捻出している。俺は、最近、ある恐怖を体験した。何というか、俺自身が悪いのだけれど、配達に行く前に、睡眠導入剤を服用してから、新聞店に行き、仕分け場で仕分けをしてから、荷積みして、配達をしたのだ。山道を行っている時、急に、強烈な眠気が差してきて、乗っていた電動自転車から落ちそうになった。いや、実際、落ちて、転んだ。車などが来てなかったからよかったものの、もし、通行する車があったりしたら、俺は立ちどころに轢かれていただろう。それはそれは、恐ろしい体験だった。まあ、俺は、元々、意志が弱いところもあって、睡眠導入剤を飲んでいけば、夢うつつで配達できて、狭い町を行くのだから、安心して戻ってこれるという腹があったのだ。それが、恐ろしい体験に繋がった。もう二度と、するまいと思う。また、してはいけない。俺は、この短編小説は、ホラー小説に仕上げようとして、実際、ホラーなのだけれど、もう、こういった体験は、二度とはしたくない。そう、強く思っている。別に、俺は、自宅の自室に帰れば、寝る布団だってあるし、その時に、睡眠導入剤を服用して、寝付けば、それでいいのだけれど、まあ、俺自身、こういった体験をして、事故に遭遇しなかっただけ、よかった。心から、そう思っている。また、実際、そう思えてならない。これが、俺の体験した恐怖の話で、開陳してみると、あまり、怖い話でもないのだけれど、ここに、実体験として、克明に記しておく。この短編小説は、この辺りで、結稿して、結んでから、某小説の賞に公募する予定だ。最後に付言しておくと、また、俺自身、この手の小説をたくさん書いてみたい。心から、そう思っている。
                              (了)
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