『悪』

篠崎俊樹

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第4話。

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 何か、書くことが無くなってきたから、いろいろ惑うけど、一晩で書ける小説は、枚数に
も限度がある。俺は、でも、毒親なんか、容赦しないね。レビー小体型認知症?子供同然。いや、子供以下。子供の方が、まだ賢い。俺ははっきり言って、あの爺さんに関しては、すべてを投げてる。別に、あいつの部屋のテレビのコードをはさみで切ってあげようが、財布ごと取ってあげようがいい。そう思っている。俺は、この小説を、八話ぐらいで連載にして、仕上げてしまうけど、別に俺の創作は、順調に進んでいる。また、俺は、あいつに対して、何かしてやっても、とぼけてやる。恨みつらみが深いからだ。俺には、内縁の妻がいて、そっちの方に気が行っている。もう、毒親なんて、どうだっていい存在だ。うちの旦那寺の万光寺にも、あいつの永代供養はしなくていいと断りを入れておいた。一切、相手しない。もう、憎らしいじゃすまない。いっそのこと、リセットしてやりたい。俺の中の熱い血がたぎってくる。妻のために尽くしたい。そう言った気持ちが、公然と頭をもたげている。もうそうなれば、怖くも何ともない。考えてみれば、悪というのは必然だ。人間、生きていれば、そういったことのいくつかぐらい、生涯において、するのである。
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