『今すぐ、会いたい』

篠崎俊樹

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第1話。

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 俺には、愛おしい内縁の妻と、義理の娘が二人、それに、孫が四人いる。大切な家族だ。俺にとって、命に代えても、守り抜きたい存在だ。俺は、家の近所に住む妻とは、一週間に一度、会っている。普段、会いたいけど、互いに仕事が忙しくて、会えない。俺にとって、妻は、最高にいい存在で、はっきり言って、比重は大きい。俺が妻や娘たち、それに、孫たちを思う気持ちは、もう、同居中の父親などを増してしまった。父親は、レビー小体型認知症で、パーキンソンの症状もあり、余命いくばくもない。はっきり言って、俺は、父親に関しては、もう投げた。別にいても、いなくても、どうだっていい存在――、そうなり果てたのだ。俺にとって、妻たち家族のほうがより貴重で、今は十分そう思える。この小説は、俺のそんな気持ちを書き綴る連載小説で、家族小説の類になると思うが、書籍化を目指して、書いていきたい。書き出しはこんな感じで、ちょうど、二〇二二年九月中旬の台風の夜から書く。ちょうど、うちの町は、台風上陸で、何かと騒がしい。町の中には、警報等が鳴っていて、妻の家族は避難こそしてないけど、慌ただしい。(以下次号)
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