創世の槍使い

カランコロン

文字の大きさ
上 下
7 / 7

再会

しおりを挟む
サイカから伝えられた通り、ナズナはリンネを迎えに2番隊のフロアに来ていた。

通りがかる隊員からは、耳障りなコソコソと話す声が聞こえる。

大体の隊員が通路の隅に寄っているから、妨げになることはないので、すべて無視して進む。

すると、正面から他の隊員とは様子の違う女性が共を連れて歩いて来た。

「おや、ナズナじゃないか」

「シキ隊長……お久しぶりです。ユーリ副隊長も」

「ええ、お久しぶりです。ナズナさん」

2番隊隊長のシキと、副隊長のユーリだ。

「ここで会うのは珍しいな。あぁ、さてはリンネの迎えか?」

シキが翠の瞳を輝かせて言う。

どうやら今回の件、この人は自分の隊の者が被害にあったにもかかわらず面白がっているらしい。

それほど被害がたいしたこと無かったのか、それとも――

「私に憧れているってことが余程面白いんですね」

「まぁね」

「こんな無愛想で慇懃無礼な小娘のどこが良かったのか、私には理解に苦しみます」

ユーリはそういうが、本当に腹を立てている訳ではなく、呆れ半分面白半分といったところか。

この人達は昔から2番隊の中では珍しく、3番隊に敵意を持たない2人だ。

なので他に比べたら比較的、気を緩めて話せる仲と言える。

「リンネの部屋ならこの通路の突き当たりだ。また面倒事が起こる前に連れてってくれ」

「分かりました。ありがとうございます」

そう言うと、シキ達は去っていった。

シキに言われた通り、通路の突き当たりに進むと1つの扉が見えて来る。

扉の前に立ち、軽くノックをした。

「はい!開いてます!」

とても元気のいい若い女の子の声が聞こえ来た。

この声の主がリンネだろう。

「入るよ」

扉を開けて中に入ると、荷物が片付けられた部屋と黒髪碧眼の少女が嬉しそうな笑顔でいた。

「あなたがリンネ?」

念の為の確認で問いかける。 

「はい、ナズナさん!私がリンネ・コトミネです。よろしくお願いします!」

これが私とリンネの再会・・だった
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...