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願いを叶える悪魔
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俺の名前は悠人《ゆうと》。今日も高校で勉強をして、家に帰って、スマホ触って、飯食って、寝る。そんな平凡な一日を過ごすはずだった。
それがまさか、あんなことになるなんて、その日の俺は予想してなかった。
▼
学校に着いて、教室がガヤガヤしてるのに気付いた。
「おい、悠人。あの噂、知ってるか?」
「あの噂って?」
圭太が話しかけてきた。圭太は俺の友達だ。明るい性格とお調子者なことから、クラスの人気者だ。
「悪魔のだよ! 願いごとを叶えてくれる悪魔」
あぁ、最近、ネットでよく見かけるやつか。
「それがどうしたんだよ? 所詮、噂だろ。悪魔なんていないんだし」
そんな噂が流れていることは知っていたが、俺はその噂を全く信じていなかった。この科学が発達した二十一世紀でそんなことが起きるなんて、思ってすらいなかった。
「それがさ、悪魔呼びに成功した奴がいるらしんだよ」
圭太は興奮が醒め止まないかのように言った。
「誰が呼び出しんたんだ」
「隣のクラスの直樹だよ」
ちょっと興味が湧いてきた。直樹も圭太と同じようなお調子者だ。何をお願いしたのか気になる。
「直樹は何をお願いしたんだ」
「それがさ、チャットで悪魔呼びに成功したのは教えてくれたんだけど、それ以外に何も教えてくれなかったんだ」
「それって、お前、騙されてるんじゃね」
「ハハ、あいつならやりかねないかも」
直樹のことだ。どうせ、嘘でしたとか言ってくるんだろう。
「そういえば、お前はどうなの? 信じてんの?」
俺は圭太に訊ねた。
「まぁ、あいつのことだからな……でも、本当だったらな~」
圭太はそう言って、また、同じことを喋っている。よくもそう舌が回るもんだ。
「悪魔か……」
▼
一週間後、クラスは騒然としていた。
しかし、それは、嬉しさや楽しさというよりも驚きや悲観のような騒然さだった。
そして、次の瞬間、俺の耳に入った言葉が、俺を疑わせた。
『これって夢ではないのか』
と。
「……××と○○が死んだらしいよ」
「嘘だろ。なんで、あいつが」
「わからないって。死ぬ理由がわからないって親も言ってたらしい」
「自殺?」
「自殺みたいだって」
「みたい?」
「そう、他殺の可能性が考えられないけど、まるで……魂を抜き取られたみたいに死んでたんだって」
「魂だけ?」
「そう。なんか、外傷とか無いけど、なんか生気がないというか……よくわかんないけど」
「もしかして、あいつ……」
「悪魔に殺されたんだ」
「だって、あいつ……自慢してたもんな」
「そうだね」
「圭太と直樹が死んじゃうなんて」
圭太と直樹が死ぬなんて……
あいつらが死ぬなんて……
嘘だろ。
俺はそう思って、頬をつねってみる。
――痛い。
夢じゃない。俺に自覚させた。
――気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
――なんで、なんで、なんで
僕の中で思いが反響して、渦巻く。
そして、俺は倒れた。
▼
次に起きたのは、保健室だった。
保健室に来たのは久しぶりだ。確か、中学の頃、喧嘩した時以来か。
高校生になって、もう保健室に来るなんて、思ってなかったんだけどな。
「あっ、大丈夫? 急に倒れたらしいね。まぁ、あんなショッキングな話があったら、当たり前かもしれないけど……」
保健の先生が話しかけてきた。
「ショッキングな話はわかるけど、もうちょっと気をしっかり持たないと」
そう言って、先生は額に手を当てた。
「熱があるわけじゃないし、どうする? もう、今日は帰る?」
「はい。そうします」
俺はちょうどいいと思って言った。ちょうど寝て、気分を戻したいとこだった。ベッドの周りに纏められていた荷物を取り、出て行った。
▼
「はぁ」
思わず、溜息をついた。先日、二人の葬儀に出た後から、学校に行ってない。というか、行こうとは思わない。
クラスのグループチャットで聞いたが、何人も休んでる奴がいるらしい。
あいつらはいい奴だった。
まず、クラスが暗い時とか、落ち込んでる時とかも、笑わせてくれたし、盛り上げてくれた。
一緒にカラオケに行って、騒ぎまくったこともあった。
一緒にカフェに行って、珍しく勉強した時もあった。
彼女に振られた時も、あいつらが一番、慰めてくれた。
「はぁ」
ベッドに倒れこむ。やる気が出てこない。だから、こうして今日も学校を休む。
チャットの通知音がなる。
【早くこいよ】
別の友達からだった。
「学校なんて、行きたくないよ」
俺はスマホの電源をそっと落とした。
▼
「悪魔」
ある日、俺は思い出した。なんでも願いごとを叶えてくれる悪魔のことを。
「えっと、呪文は? 呪文は何だっけ!?」
ネットで探してみる。
――悪魔、悪魔
――この世を深淵から見る者よ
――どうか、我ら、小さき者に
――其方が持とう力を
――この世に顕現させたまえ
――世界の理を超えよ力よ
――力の征くままに
……中二病ですかと、言いたくなる文章だった。だけど、こうすれば、圭太と直樹は助かるはず。
俺は必死で呪文を唱え続けた。
――悪魔、悪魔
――この世を深淵から見る者よ
――どうか、我ら、小さき者に
――其方が持とう力を
――この世に顕現させたまえ
――世界の理を超えよ力よ
――力の征くままに
繰り返した。
何回目かはわからない。だけど、沢山繰り替えした。
そして、 地上に幾何学的な魔法陣を描き出し、空が一瞬暗くなり、ついに悪魔が現れた。
「吾輩を呼ぶ者は誰ですかな?」
紳士のような男がそこに立っていた。
「あなたが、悪魔ですか?」
俺は聞いた。悪魔は答えた。
「はい。吾輩こそ、巷で噂の『願いを叶える悪魔』です」
「じゃあ、お願いがあるんだ」
「なんでしょうか」
「あいつらを蘇らせてくれ」
俺は必死に言った。しかし、悪魔は頬を掻きながら言った。
「人の蘇りは難しいのですよ。なぜなら、私、生と死までは操れませんからね」
そんな……
「だけどね、もしあなたが、死ねば、あの二人は復活させてもいいのですよ」
「……本当なのか?」
「はい。どうします」
俺は一瞬、逡巡する。
「……決めました。あの二人を生き返らしてください」
悪魔は笑いながら言った。
「わかりましたよ」
そして、俺は倒れた。
世界が暗転して、なぜか、俺の身体が離れて見えて……あぁ、死んだのか。
「ふふ、あの虫けらどもも役立ったな。あんな見え見えの囮《デコイ》に引っかかるなんて」
ん? 悪魔が喋っている。
「吾輩が最初から頂きたかったのは、この魂なのに」
悪魔が俺の心臓に手を伸ばす。
何してるの?と言いたかったけど、声は出なかった。
「んっ、やはり、この大きさ、純度。見事ですね。人間とは思えません」
白い何かが、俺の心臓から出てきた。いや、白いというより、半透明で透けている。丸くて、まるで、そう『魂』のようだった。
「それじゃあ――」
悪魔はそう言って、俺の『魂』に口を近づけ、
「――頂きます!!!」
俺の『魂』を悪魔は食べた。
途端に記憶が薄れていく。咀嚼される内にどんどん記憶が薄れていく。
あれ、俺は誰を助けようと死んだんだっけ?
あれ、俺は誰に頼んだんだっけ?
あれ、俺は毎日、どこに行ってんだっけ?
あれ、あれ、あれ。
あれ、俺は誰だっけ?
あれ、俺って何だっけ?
「人は愚かだな。何もせずに魂をくれるなんて」
悪魔は昏く嗤う。
「人如きの『お願い』を叶えるわけないだろ」
それがまさか、あんなことになるなんて、その日の俺は予想してなかった。
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学校に着いて、教室がガヤガヤしてるのに気付いた。
「おい、悠人。あの噂、知ってるか?」
「あの噂って?」
圭太が話しかけてきた。圭太は俺の友達だ。明るい性格とお調子者なことから、クラスの人気者だ。
「悪魔のだよ! 願いごとを叶えてくれる悪魔」
あぁ、最近、ネットでよく見かけるやつか。
「それがどうしたんだよ? 所詮、噂だろ。悪魔なんていないんだし」
そんな噂が流れていることは知っていたが、俺はその噂を全く信じていなかった。この科学が発達した二十一世紀でそんなことが起きるなんて、思ってすらいなかった。
「それがさ、悪魔呼びに成功した奴がいるらしんだよ」
圭太は興奮が醒め止まないかのように言った。
「誰が呼び出しんたんだ」
「隣のクラスの直樹だよ」
ちょっと興味が湧いてきた。直樹も圭太と同じようなお調子者だ。何をお願いしたのか気になる。
「直樹は何をお願いしたんだ」
「それがさ、チャットで悪魔呼びに成功したのは教えてくれたんだけど、それ以外に何も教えてくれなかったんだ」
「それって、お前、騙されてるんじゃね」
「ハハ、あいつならやりかねないかも」
直樹のことだ。どうせ、嘘でしたとか言ってくるんだろう。
「そういえば、お前はどうなの? 信じてんの?」
俺は圭太に訊ねた。
「まぁ、あいつのことだからな……でも、本当だったらな~」
圭太はそう言って、また、同じことを喋っている。よくもそう舌が回るもんだ。
「悪魔か……」
▼
一週間後、クラスは騒然としていた。
しかし、それは、嬉しさや楽しさというよりも驚きや悲観のような騒然さだった。
そして、次の瞬間、俺の耳に入った言葉が、俺を疑わせた。
『これって夢ではないのか』
と。
「……××と○○が死んだらしいよ」
「嘘だろ。なんで、あいつが」
「わからないって。死ぬ理由がわからないって親も言ってたらしい」
「自殺?」
「自殺みたいだって」
「みたい?」
「そう、他殺の可能性が考えられないけど、まるで……魂を抜き取られたみたいに死んでたんだって」
「魂だけ?」
「そう。なんか、外傷とか無いけど、なんか生気がないというか……よくわかんないけど」
「もしかして、あいつ……」
「悪魔に殺されたんだ」
「だって、あいつ……自慢してたもんな」
「そうだね」
「圭太と直樹が死んじゃうなんて」
圭太と直樹が死ぬなんて……
あいつらが死ぬなんて……
嘘だろ。
俺はそう思って、頬をつねってみる。
――痛い。
夢じゃない。俺に自覚させた。
――気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
――なんで、なんで、なんで
僕の中で思いが反響して、渦巻く。
そして、俺は倒れた。
▼
次に起きたのは、保健室だった。
保健室に来たのは久しぶりだ。確か、中学の頃、喧嘩した時以来か。
高校生になって、もう保健室に来るなんて、思ってなかったんだけどな。
「あっ、大丈夫? 急に倒れたらしいね。まぁ、あんなショッキングな話があったら、当たり前かもしれないけど……」
保健の先生が話しかけてきた。
「ショッキングな話はわかるけど、もうちょっと気をしっかり持たないと」
そう言って、先生は額に手を当てた。
「熱があるわけじゃないし、どうする? もう、今日は帰る?」
「はい。そうします」
俺はちょうどいいと思って言った。ちょうど寝て、気分を戻したいとこだった。ベッドの周りに纏められていた荷物を取り、出て行った。
▼
「はぁ」
思わず、溜息をついた。先日、二人の葬儀に出た後から、学校に行ってない。というか、行こうとは思わない。
クラスのグループチャットで聞いたが、何人も休んでる奴がいるらしい。
あいつらはいい奴だった。
まず、クラスが暗い時とか、落ち込んでる時とかも、笑わせてくれたし、盛り上げてくれた。
一緒にカラオケに行って、騒ぎまくったこともあった。
一緒にカフェに行って、珍しく勉強した時もあった。
彼女に振られた時も、あいつらが一番、慰めてくれた。
「はぁ」
ベッドに倒れこむ。やる気が出てこない。だから、こうして今日も学校を休む。
チャットの通知音がなる。
【早くこいよ】
別の友達からだった。
「学校なんて、行きたくないよ」
俺はスマホの電源をそっと落とした。
▼
「悪魔」
ある日、俺は思い出した。なんでも願いごとを叶えてくれる悪魔のことを。
「えっと、呪文は? 呪文は何だっけ!?」
ネットで探してみる。
――悪魔、悪魔
――この世を深淵から見る者よ
――どうか、我ら、小さき者に
――其方が持とう力を
――この世に顕現させたまえ
――世界の理を超えよ力よ
――力の征くままに
……中二病ですかと、言いたくなる文章だった。だけど、こうすれば、圭太と直樹は助かるはず。
俺は必死で呪文を唱え続けた。
――悪魔、悪魔
――この世を深淵から見る者よ
――どうか、我ら、小さき者に
――其方が持とう力を
――この世に顕現させたまえ
――世界の理を超えよ力よ
――力の征くままに
繰り返した。
何回目かはわからない。だけど、沢山繰り替えした。
そして、 地上に幾何学的な魔法陣を描き出し、空が一瞬暗くなり、ついに悪魔が現れた。
「吾輩を呼ぶ者は誰ですかな?」
紳士のような男がそこに立っていた。
「あなたが、悪魔ですか?」
俺は聞いた。悪魔は答えた。
「はい。吾輩こそ、巷で噂の『願いを叶える悪魔』です」
「じゃあ、お願いがあるんだ」
「なんでしょうか」
「あいつらを蘇らせてくれ」
俺は必死に言った。しかし、悪魔は頬を掻きながら言った。
「人の蘇りは難しいのですよ。なぜなら、私、生と死までは操れませんからね」
そんな……
「だけどね、もしあなたが、死ねば、あの二人は復活させてもいいのですよ」
「……本当なのか?」
「はい。どうします」
俺は一瞬、逡巡する。
「……決めました。あの二人を生き返らしてください」
悪魔は笑いながら言った。
「わかりましたよ」
そして、俺は倒れた。
世界が暗転して、なぜか、俺の身体が離れて見えて……あぁ、死んだのか。
「ふふ、あの虫けらどもも役立ったな。あんな見え見えの囮《デコイ》に引っかかるなんて」
ん? 悪魔が喋っている。
「吾輩が最初から頂きたかったのは、この魂なのに」
悪魔が俺の心臓に手を伸ばす。
何してるの?と言いたかったけど、声は出なかった。
「んっ、やはり、この大きさ、純度。見事ですね。人間とは思えません」
白い何かが、俺の心臓から出てきた。いや、白いというより、半透明で透けている。丸くて、まるで、そう『魂』のようだった。
「それじゃあ――」
悪魔はそう言って、俺の『魂』に口を近づけ、
「――頂きます!!!」
俺の『魂』を悪魔は食べた。
途端に記憶が薄れていく。咀嚼される内にどんどん記憶が薄れていく。
あれ、俺は誰を助けようと死んだんだっけ?
あれ、俺は誰に頼んだんだっけ?
あれ、俺は毎日、どこに行ってんだっけ?
あれ、あれ、あれ。
あれ、俺は誰だっけ?
あれ、俺って何だっけ?
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