女子だけどダンジョンマスターやってます

ストロボフェア

文字の大きさ
27 / 64

27 定休日

しおりを挟む
ドン、ドン!
       ドン!ドン!
             ドン!ドン!

「、、、、うるさい」

誰かがショップのドアをノック、いいや叩き割ろうとでもいうような音がする

今日はM’ cuteの定休日だ。




ショップを週休2日にすると言ったミカリに、周囲は定休日のあるダンジョンなんて聞いた事がないと唖然としていた。

「それと営業時間は11:00-19:00です。

うちホワイトなんで」

スタッフあんまりいないからローテーション組めないし、ミカリ自身ヤル気がもたない

マリアレさんは頭を抱えていた。
「もう3か月先まで予約が入ってるのよーー」



えへへ、最近お客様入ってくてるんだ

M’s cuteへの来店希望者はスノークの街にいるマリアレさんの所に行って、許可証をもらってからの来店する事になってる。
ちょっと会員制みたくてすごくない?

今は1日に10組くらいかな
メイドはビギナークラスでは驚異の回転率っていうけど、日本にいた時だとありえない少なさだわ。


それで今日、明日は定休日

ミカリはショップのバックヤードのさらに奥にある自室で惰眠をむさぼっていた。
ちなみに両隣りはゴブとメイドの部屋である

そこにドン!ドン!と激しめなノックが割り込んできた


昨日は遅くまでセルフネイルしてて、今日は昼まで寝ようと思ってたのに!
「くっそ、誰だよ、朝早くから」
「ミカリ様私が見て参ります」

いつの間にか枕元にチョコを抱っこしたゴブが控えていた。

「よろしく任せた」
「おまかせください」

ゴブは今日も朝からメイクばっちりである。




ドン、ドン!

「なかなか壊れねーな、斧でも持ってくればよかったぜ」

「さすがダンジョンだけあって頑丈にできてやがる、
リーダー、剣が折れそうですぜ」

「オラ、もっと気合入れて叩けよ
ギルドが制限かけるからにはよっぽどウマいメシの種が転がってんだからよ」

ガチャリ
ゴブが顔を出した

「マリアレ様の許可を得た方、、ではなさそうですね

お客様、本日は定休日です。
又のお越しをお待ちしております」

ショップのドアを壊そうとしていたらしい荒くれ者達は驚いた。
スノークでも噂にはなっているがギルドの許可無しには入れず、場所すら秘匿されるダンジョンのドアから、王都でも滅多にお目にかかれぬような美人が顔を出したからだ。

お客様がちょうどふりかざしていた剣を見てゴブはチョコを地面におろした

「チョコ、お客様がお帰りよ。
お散歩がてら森の外まで送ってさしあげて」

「ブモ!」

「ひぃい!」
「誰だ!モンスターがいないって言ったヤツ」
「走れーーーー」


チョコは見る見る間にトラックほどの大きさになると、慌てふためく荒くれ者達を追い立てはじめる

「お散歩にしては短すぎたかしら?」



日もくれた頃になりようやっとミカリが起きた
寝巻きがわりのスエットにノーメイク、ボサボサの頭、午後になっても化粧くずれのいっさい見えないいでたちのゴブの対比がヒドイ

「ゴブ、昼間来た客、ゴネずに帰ってくれた?」

「ええ、定休日とお伝えしたらすぐ帰ってくださいました。
チョコもお見送りのお手伝いしてくれました」

笑顔のゴブと尻尾を振りまくるチョコ

「ゴブもチョコもえらい、えらい。

しかし、かわいいって得だねー」

チョコの頭をわしゃわしゃと撫でまわす

M’s cuteの定休日は平和に終わろうとしている
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...