悪役令嬢は言いたい

みみみ

文字の大きさ
11 / 20

逃しませんわよ※前半キャサリン視点、後半カトリーヌ視点

しおりを挟む
 卒業式が無事に終わりました。夜のパーティーの前にサロンでお待ちの殿下と側近の皆さんにお会いしに行きます。

 ここまでは私の希望ルートとほぼ同じなのですが…。昨日までのワンチャン私の希望ルートあるかもと思っていた自分を殴りたい。…気が重いです。式の最中、遠目に見える攻略対象の皆さんは悪役(…してない)ご自分の婚約者様と微笑み合い、卒業を喜んでいました。辛い。きっと可能性0.1パーもないです。
 
「空が青いねー。バカヤロー」

どんよりな私の気持ちと正反対な空にもムカつく。

「空に八つ当たりしてどうするんだ。早く行くぞ!お前がグズグズしてるからお貴族様待たせてるぞ!」

 ロルちゃんにがっしりと腕を掴んで引っ張られる。

「ロルちゃん腕痛いー。そんなに強く掴まなくても私逃げないよータブン…」
「聞こえてるぞ。」
「気のせいダヨ」



「失礼します。お待たせ致しました。」
「失礼しまーす。」

 ロベルト・サーキュリー様とキャサリン・ユーキリアス様がサロンにやって来ました。やっと、やっとこの時が来ました。今日こそ絶対に逃しませんわ。

「サーキュリー様、ユーキリアス様そちらにおかけ下さい。」

 お二人が座られると自然と皆の視線が殿下に向かう。

「さて、まずは皆卒業おめでとう。私は王太子であり、次期国王になる事が決まっている。
一人の力で出来る事には限りがある。これからは国と民を共に守る為に皆にも力を貸して欲しい。」
「「「はい!」」」

 殿下の婚約者であるわたくし、側近である彼ら、その婚約者の彼女達は改めてお言葉をいただき身が引き締まる。

「ロベルト・サーキュリー、勿論君にも力を貸して欲しい。」
「承知致しました。」

 平民ではあるが大商会の家の者として貴族、平民と共に距離の近い彼もきっと同じ気持ちだろうと思います。

「あれ?私は?」
「君にはその前に色々話しがある。」
「あ、じゃあ大丈夫です!」
「では、わたくしから。」
「ひえースルーですか⁈」
「今日、わたくし達が貴方をお呼びしましたのは貴方にお聞きしたい事、言わせて頂きたい事がございますからです。」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~

紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。 ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。 邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。 「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」 そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。

残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

処理中です...