〖完結〗二度目は決してあなたとは結婚しません。

藍川みいな

文字サイズ
特大
12 / 12

最終話 幸せ


 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!

 「シェ、シェイドが王子様!?」

 使用人のシェイドだったのに...て、私ったらかなり失礼な事をしまくっちゃった!!

 「王子様だったのに...誰も気づかなかったなんて...」

 「王子といっても私は第五王子で、社交の場に出たこともありませんし、国中を歩き回っていた不良王子なので、いなくなっても旅に出ただけと思われたようで...。あははは...」

 笑い事じゃないと思う...。

 「ロディア様に助けていただいたあの日、私は何者かに襲われました。そこにいるシダは...私を庇い息絶え...私は川へと飛び込んだのです。気づいたら記憶を失って川辺に倒れていたようです。」

 「何者かにって...命を狙われていたのですか?」

 「どうやら兄が他国の王を怒らせたみたいで、狙いやすそうな私を襲って来たようです。理由はわかっていますから、これからそうならないようにしようと思います。」

 本当は大変な事なのに、シェイドが言うと大丈夫な気がする。
 シェイドは記憶のなかった時も、毎日明るかった。
 
 「で、好きな人とは誰ですか?」

 「...え?」

 「先程言っていた好きな人の事です。」

 さっきのやり取りでもうわかってるんじゃないの!?

 「言ってください。あなたの口から聞きたいのです。」

 ...この顔はわかってて聞いてる!
 シェイドって案外いじわるだったんだね。
 でも...そんな所もなんかいいかも...。

 「...シェイド...様です。」

 言い終わると同時に、私はシェイド様の腕の中にいた!
 トクントクンと、シェイド様の心臓の音が聞こえる。
 ドキドキしてくれているのか、ものすごく早い...そんな所も可愛い。
 私ってこんなに心変わりが早かったっけ?
 巻き戻る前までは、サミュエル様を愛していたのに...。
 今はもう、シェイド様しか見えない...。


 ジュリアはサミュエルと関係を持った、5人の女性を手にかけていた。
 2人は事故死に見せかけて殺し、3人は自分の手で殺め、死体を屋敷の地下室に隠していた。
 連続殺人犯として捕まり、死罪が言い渡された。
 ジュリアが捕まったことで、1年後にエマが死ぬ事はなかった。
 巻き戻る前は、もっと多くの女性の命が失われていたのかと思うと恐ろしい。

 サミュエルはロディアの事を、本気で好きだったらしく、ロディアにフラれたショックから立ち直れず、女性を弄ぶどころか女性恐怖症になった。
 ロディア以外を愛することが出来なかったのなら、浮気などしなければよかったのだが...それが出来ないのがサミュエルなのだ。
 失ったものは、もう二度と取り戻せない...が、サミュエルにはロディアと結婚していた記憶さえないのが救いなのかもしれない...抜け殻になってしまったが。

 ロディアとシェイドはゆっくり愛を育み、1年後結婚をした。

 「旦那様、そろそろお休みにならないと、明日に差し支えますよ。」

 「旦那様か...いい響きだな。ロディアにそう呼ばれる日が来るとは、夢にも思わなかった。」

 シェイドはロディアをそっと抱き寄せ、キスをした。

 「...ん...。旦那様...」

 ロディアは顔を赤く染めながら、潤んだ瞳でシェイドをじっと見る。

 「これから一生、君を離すことはないから覚悟してもらうよ。」

 そしてまた、キスをした。

                                        END

 
感想 16

この作品の感想を投稿する

1000文字以内

ログインすると感想の投稿ができます。

ログイン  新規ユーザ登録

みんなの感想(16件)

メカ音痴
2020.09.14 メカ音痴

ロディアさんが幸せになれたようでよかったです。
哀れなのはサミュエルと付き合ってしまったがために、ジュリアに殺されてしまった女性たち。やはりジュリアは頭のおかしい殺人鬼でしたね。彼女のあまりの酷さに、市中引き回しの上に八つ裂きの刑でもいいような気がしました。
ジュリアの父親は娘の所業を知ってたのでしょうか。流石に自分の娘ですし、地下に死体を隠していたとなると、隠蔽に協力はしていたかと思われます。父親も爵位を落とされるなど、ジュリアと共に裁かれるべきです。
サミュエルは……。女性恐怖症になったそうですが、彼は自分のせいで女性が殺されていたことを、どこまで理解したのでしょうか。過去を悔いるなら、頭丸めて出家しろ(笑)。

謎が残った点は、何故、時間が巻き戻ったのかということ。記憶を持ってる人と持っていない人がいることなど。

ミュート中です
解除
ごえもん
2020.09.14 ごえもん

ハッピーエンド💖

ミュート中です
解除
とっと
2020.09.14 とっと

サミュエル氏…どうせなら君のせいで?殺人鬼になったジュリア嬢のせいもあり女性恐怖症になろうよ(;´д`)

ジュリア嬢父伯爵が可哀想…娘がいつの間にか?殺人鬼 ←

ジュリア嬢最後までサミュエル氏の心に残らなかったと言うか…気に止めて貰えず?本気でサミュエル氏にとって過去の遊び女の1人でしかないって…(-""-;)巻き戻り前から殺人鬼化してたのか…記憶あったまま巻き戻りで…主人公助かったけど…前は無かった犠牲者5名なのか(;゚;Д;゚;; )

何はともあれヨカッタヨカッタ(´-ω-`)"ウンウン

ミュート中です
解除

あなたにおすすめの小説

さようならの定型文~身勝手なあなたへ 表紙

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
恋愛 完結 長編
文字数:58,904
【完結】あなたの隣に私は必要ですか? 表紙

【完結】あなたの隣に私は必要ですか?

政略結婚にて、3年前より婚約し、学園卒業と共に嫁ぐ予定であったアリーシア。 しかし、諸事情により結婚式は延期され、次の結婚式の日取りさえなかなか決められない状況であった。 そんなアリーシアの婚約者ルートヴィッヒは、護衛対象である第三王女ミーアの傍を片時も離れようとしない。 月1回の婚約者同士のお茶会もすぐに切り上げてしまい、夜会へのエスコートすらしてもらった事がない。 そんな状況で、アリーシアは思う。 私はあなたの隣に必要でしょうか? あなたが求めているのは別の人ではないのでしょうかと。 * 短編です。 ご感想欄は都合により、閉じさせて頂きます。
恋愛 完結 短編
文字数:19,762
彼女の離縁とその波紋 表紙

彼女の離縁とその波紋

夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。
恋愛 完結 短編 R15
文字数:20,606
【完】誰にでも優しいあなたへ、私は恋を諦める 表紙

【完】誰にでも優しいあなたへ、私は恋を諦める

下級貴族である男爵家の令嬢・アルテナには、身分不相応な婚約者がいる。 それは、文武両道で誰もが憧れる最高峰の貴族――アゼル・フレスベルグ侯爵令息。 幼馴染という古い家同士の繋がりだけで結ばれた婚約。 学園で誰にでも分け隔てなく穏やかに接するアゼルの姿を遠くから見つめるたび、アルテナの胸は切なく締め付けられる。 「アゼル様が私を捨てないのは、彼がただ優しすぎるから」 「彼が守りたいのは私ではなく、侯爵家の品格なのだ」 学園の令嬢たちから格差を理由に嫉妬や嫌がらせを受けても、アゼルの迷惑になりたくないと一人で耐え忍び、彼への恋心を密かに諦めようとするアルテナ。 ついに彼女は、彼の未来を思って自ら**「婚約解消」**を申し出る──。
恋愛 完結 短編
文字数:52,091
【完結】ご安心を、2度とその手を求める事はありません 表紙

【完結】ご安心を、2度とその手を求める事はありません

大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・ それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望
恋愛 完結 短編
文字数:106,166
 亡き姉を演じ初恋の人の妻となった私は、その日、“私”を捨てた 表紙

亡き姉を演じ初恋の人の妻となった私は、その日、“私”を捨てた

伯爵家の令嬢・リシェルは、侯爵家のアルベルトに密かに想いを寄せていた。 けれど彼が選んだのはリシェルではなく、双子の姉・オリヴィアだった。 二人は夫婦となり、誰もが羨むような幸福な日々を過ごしていたが――それは五年ももたず、儚く終わりを迎えてしまう。 オリヴィアが心臓の病でこの世を去ったのだ。 その日を堺にアルベルトの心は壊れ、最愛の妻の幻を追い続けるようになる。 そんな彼を守るために。 そして侯爵家の未来と、両親の願いのために。 リシェルは自分を捨て、“姉のふり”をして生きる道を選ぶ。 けれど、どれほど傍にいても、どれほど尽くしても、彼の瞳に映るのはいつだって“オリヴィア”だった。 その現実が、彼女の心を静かに蝕んでゆく。 遂に限界を越えたリシェルは、自ら命を絶つことに決める。 短剣を手に、過去を振り返るリシェル。 そしていよいよ切っ先を突き刺そうとした、その瞬間――。
恋愛 完結 短編
文字数:58,000
愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。 表紙

愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。

リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。 それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。 一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。 いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。 変わってしまったのは、いつだろう。 分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。 ****************************************** こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏) 7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。
恋愛 完結 短編
文字数:25,271
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください 表紙

【完結】好きでもない私とは婚約解消してください

騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。 そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。 婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
恋愛 完結 短編
文字数:16,046