〖完結〗妹は病弱を理由に私のものを全て欲しがります。

藍川みいな

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リアム王子


 「何を言っているの!? 約束しているのは私なのに、そんな失礼な事出来ないわ!」

 「お父様……ゴホゴホ……お姉様が……ゴホゴホゴホゴホ……」

 ローレンはわざとらしく咳をしながら、ブルーク侯爵に助けを求めた。

 「お前はどうして、そんなに性格が歪んでいるのだ!? ウォルシュ! アイシャを部屋に軟禁しろ!」

 「お父様!?」

 執事のウォルシュは、アイシャを部屋へと連れていき、外から鍵をかけた。

 「……お嬢様、申し訳ありません。」

 それだけ言うと、ウォルシュは去って行った。

 ウォルシュは悪くありません。お父様達がどうかしているのです。
 リアム様……申し訳ありません。私の婚約者だったばっかりに、リアム様にご迷惑をおかけする事になってしまいました。6歳の時初めてお会いした時から、リアム様は私にとって大切な方でした。


 ―10年前―

 両親は妹ばかりかまっていて、私の事は放ったらかし。その時はまだ、ローレンが病気なのだから我慢しなくてはと思い、誰にも気付かれないように、一人で近くの森の川辺に行き、泣いていたのです。

 「どうしたんだ? こんな所に一人でいたら、危ないぞ。」

 そう話しかけて来たのが、リアム様でした。

 「あなたこそ、一人でこんな所にいたら危ないわ。」

 リアム様は泣いていた私のとなりに座り、

 「大丈夫だ。これで一人じゃない。」

 そう言って、にっこりと笑った。

 一人じゃない……その言葉で、私は救われた。あの笑顔を忘れた事は一度もない。

 あの後リアム様が、私との婚約を国王様にお願いしたようで、私達は婚約しました。先程、両親には、王様からの申し出だと言いましたが、リアム様が望んでくださった事でした。
 私にとってはリアム様が初恋ですが、リアム様にとっては、私に同情しただけかもしれません。
 だから、私には自信がありません。いつもみたいにローレンが身体の弱い演技をして、リアム様が同情したらと思うと……
 ですが、私との婚約が同情からなら、それも仕方のないことなのかもしれないですね。

 自分がこんなにも、うじうじした性格なのだと初めて知りました。

 今ハッキリしている事は、私はリアム様をとられたくないということ。今までは、どんなに気に入ったものでも、ローレンが欲しいと言った時点で諦めて来ました。でも今回は、今回だけは絶対に諦めるつもりはありません。
 リアム様は、私と婚約する事を選んでくれた。だから私は、自分の気持ちを伝えようと思います。
 10年の月日を経ても、リアム様が大好きだと!

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