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14、気持ちの変化
「わっはっはっ! シェイドよ、悔しがるのではなく、惚れてしまうとは、さすが我が息子だ!」
先生……笑いごとではありませんよー!
「ティアナ嬢! 俺と結婚をしてください!」
シェイド様は、剣を置いて右手を差し出して来ました。負けを素直に認めるところは、いいとは思います。いいとは思いますが、負けたから結婚して欲しいというのはどうなのでしょう……
「お断りします」
「断られても、俺は諦めません! あなたの心を、いつか変えてみせます!」
変わった方ですね。エリック様とは大違いです。
シェイド様はこの日から、武術の稽古の度に邸へ訪れるようになりました。騎士様って、そんなに暇なのでしょうか? シェイド様が来るようになってから、お父様は不機嫌です。
「あの男は、ティアナ目当てだな! 絶対に許さんぞ! もう連れてこないように言わなくてはな!」
本人にそう言われたので、その通りです。
「リオン王子にお会いするのは何も言わないのに、シェイド様には会ってはいけないのですか?」
シェイド様は、悪い方ではありません。シェイド様にお会いしたいわけではありませんが、身分で差別するのは納得いきません。
「それは……お前の為を思ってだな……」
お父様の気持ちは分かっています。私のことを、考えてくださっているのも分かります。ですが、その結果がエリック様との結婚でした。
もちろん、私がエリック様を選んだのだから、自業自得です。だから、同じ間違えはしたくないのです。
「お父様、私は自分の婚約者は自分で選ぶと言ったはずです。それが私の幸せなのだと、分かってはいただけませんか?」
「……分かった」
お父様は少し悲しそうな顔をしていました。ごめんなさい、お父様。今更だけど、前の人生で死を選んだことの罪悪感が蘇って来ました。
「ティアナ? 元気がないようだが、どうかしたのか?」
「きゃっ!!」
リオン王子に顔をのぞき込まれ、思わず悲鳴をあげてしまいました。
リオン王子とお茶を飲んでいたことを忘れていました。
「その反応は、傷付くな」
リオン王子は大袈裟に傷付いたフリをしています。
「すみません。急にリオン王子の顔が近くにあったので、びっくりしてしまいました」
前とは違う人生になって来てるけど、まだエリック様と出会った日が来ていません。もしその日が来たら、また同じことになるのではと、不安になっていました。
もう私は、前の私じゃないのに、つら過ぎた気持ちが消えてくれません。あの男は、いつまでも私を苦しめるようです。
「もしかして、俺の事意識した?」
イタズラっぽい笑みを浮かべるリオン王子。
「ありえません」
リオン王子への不信感は、なくなってきてはいます。エリック様とは違うことも分かってきました。相変わらず俺様ですが、優しいところもあります。だけどやっぱり、エリック様と一緒にいることが多かったリオン王子を、完全に信用する事が出来ずにいます。それに、リオン王子が私に会いに来る理由も分からないのです。
「だろうな。いつになったら、心を開いてくれるんだろうな」
心を開くことなんてありません。
リオン王子が邸に来るようになって3ヶ月が経った頃、リオン王子が護衛も付けずに私の邸に通っていると、国中の噂になりました。
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