〖完結〗もう私に関わらないでください!

藍川みいな

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37、決着


 いつから……最初からではないでしょうか。

 「エリック様は恋人を作り、結婚してからも愛人を何人も作りました。そんな事をせずに、何もかも私に話して向き合ってくださっていたら……
 いいえ、何があっても私がエリック様を信じることが出来ていたのなら、結末は違ったのかもしれません」
 
 エリック様は私を信頼してはいませんでした。そして私も、彼を信頼していなかったのです。
 理由を知ろうともせず、愛人を作り続けたエリック様から私の心は離れていきました。

 「私達の縁は、とっくに切れていたのです」

 私にとってあなたは恐怖の対象でしかなくなり、あなたにとって私は執着の対象になっていました。

 「……殺してくれ。君の手で、俺を殺してくれ!」

 どこまでも、私に執着するのですね。

 「お断りします。私は、人を殺めるために剣を学んだのではありません」

 そこに、援軍の兵が到着しました。
 兵士達は盗賊達やならず者達を取り押さえ、首謀者であるエリック様に縄をかけました。

 「ティアナ……ティアナ……」

 名前を呼び続けるエリック様に背を向け、リオン様の元に歩いて行きます。
 エリック様の罪は重く、死罪は免れないでしょう。死が決まっているからと、私の手で楽にして差し上げたりはいたしません。
 
 「大丈夫か?」

 心配そうな顔で、リオン様は私の元に駆け寄ってきました。

 「大丈夫です。ありがとうございます」

 これで、終わったんですね……
 そう思ったら安心して、なんだか力が抜けて……

 私は倒れ、意識を失いました。
 
 「ティアナ!? ティアナーー!!」




 「………………ん…………」

 ここは……?

 「ティアナ! 大丈夫か!?」

 声がした方に視線を向けると……

 「……リオン……様……」

 リオン様が泣きそうな顔で、見つめていました。

 「私、どうしたのでしょう?」

 「君は気を失って、倒れたんだ。ここは王城だから、安心してくれ」

 そっか……
 エリック様が捕まって、気が抜けてしまったのですね。

 「エリック様は、どうなったのですか?」

 「取り調べを受けている。罪を認め、全てを話しているようだ」

 「そうですか。良かったです」

 罪を償う気になってくれたのですね。そういえば、何かを忘れているような?

 ……………………あっ!

 「リオン様、婚約パーティーは!?」

 その為に王城へと向かっていたのに、呑気に横になっている場合じゃないです!
 
 「パーティーは延期になったよ。あんな事があったのに、ティアナはパーティーに出るつもりだったのか?」

 延期? ああ、そうですね。
 一国の王太子殿下が襲われたのだから、当然のことですね。

 「私のせいで危険な目に合わせてしまい、申し訳ありませんでした」

 あんな街中で襲撃してくるなんて、追い詰められていたからですね。私が、エリック様を追い詰めてしまいました。

 「ティアナのせいではない。そもそも、俺のせいだ。アイツの暴走を止める事が出来なかった」

 リオン様は、私の事でも、エリック様の事でも苦しんでいらしたのですね。

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