〖完結〗もう私に関わらないでください!

藍川みいな

文字の大きさ
41 / 44

41、ティアナの死 エリック視点


 ある日、ティアナから別れを告げられた。

 「離縁してください」

 そうティアナに言われて、俺はとうとうティアナを殴ってしまった。あれ程、あの男のようにはならないと、愛する人を傷付けたりしないと誓ったはずなのに、俺はなんということを……

 ティアナが逃げ出したりしないだろうか!?
 急いでメイドを呼び、ティアナに睡眠薬を飲ませるように言った。ティアナが眠っている間に、窓には鉄格子を付け、ドアに鍵をかけた。
 ティアナを失いたくない。きちんと話そう。そう思い、食事を作らせて部屋に運んだ。
 部屋に入ると、ティアナが俺を怖がっているのが分かった。話すのは諦め、食事を置いて出て行った。
 5時間が経ち、少しは落ち着いたかもしれないと思い、ティアナの部屋へ行った。
 そこには、手を付けられていない食事があった。

 俺は我を忘れ、ティアナに暴力をふるい続けた。何度も何度も蹴り上げ、ティアナは気を失った。この時分かった。俺はもう、自分を抑える事が出来そうにない。

 こんなにも愛しているのに、なぜ殴ってしまうのだろう。暴力をふるっているときの記憶はある。1度スイッチが入ると、もっともっとと、頭の中に声が聞こえて来る。殴ったあとは後悔でいっぱいになるのに、殴っている間は止める事が……いや、止めたくないんだ。あの男のようになりたくない……そう思って来たが、最初から俺はこういう人間だったのかもしれない。

 それからの俺は、ティアナを失いたくない一心だった。彼女に触れた者を殺し、彼女を乱暴に抱いた。ティアナは俺のものだと実感する為に……

 俺はティアナを壊して行く。どうしようもない程愛しているのに、自分ではどうにも出来ないんだ……許してくれ……

 ティアナに手をあげてから、初めて社交の場に連れていく事になった。殿下から、必ずティアナを連れて来るように言われたから仕方がない。今は殿下が俺を怪しんでいるから、連れて行かなかったら邸に来るだろう。
 

 舞踏会に連れて来たが、不安で仕方がない。絶対に目を離さないようにしなくては。
 そう思っていたのに……

 「少し気分が悪いので、バルコニーで外の風に当たりたいのですが、よろしいでしょうか?」

 殿下の前で、ティアナはそう言った。殿下に何か話すつもりはないと分かったが、俺から離れるのは許さない。

 「殿下に失礼じゃないか!」

 どうにか、引き止めようと思った。

 「そうですか。分かりました。行ってください。
 エリック、君には話があるから残ってくれ」

 殿下は許可し、俺が引き止められてしまった。背中に嫌な汗が流れた。まさか殿下は、このままティアナを俺から引き離すつもりでは!?
 殿下と話しながらも、ティアナから目を離さない。ティアナはそのままバルコニーへと辿り着いた。……考えすぎだったか。

 そう思った瞬間、ティアナは笑顔でバルコニーから落ちて行った!!

 ティアナ……が……
 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!! 
 俺はどうなってもいい! ティアナを、ティアナを死なせないでくれーーーーーーッッッ!!!



 

 ……ここは……俺の部屋?
 ティアナ……ティアナは!?
 
 部屋から出て、ティアナを探す……が、使用人達が若い。辞めていった使用人までいる。それに何より、体が少し小さい?

 なぜか俺は、15歳に戻っていた。
感想 62

あなたにおすすめの小説

【完結】時戻り令嬢は復讐する

やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。 しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。 自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。 夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか? 迷いながらもユートリーは動き出す。 サスペンス要素ありの作品です。 設定は緩いです。 6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。

後妻の条件を出したら……

しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。 格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。 だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。 しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。

もう何も信じられない

ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。 ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。 その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。 「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」 あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。

婚約破棄されました。

まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。 本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。 ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。 習作なので短めの話となります。 恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。 ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。 Copyright©︎2020-まるねこ

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました

天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。 妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。 その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。 家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。 ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。 耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。

あなただけが私を信じてくれたから

樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。 一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。 しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。 処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド