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42、エリックの最後 エリック視点
15歳……という事は、まだティアナに出会う前。ティアナは、生きてる!!
これから俺は、どうすればいいのか。どんなに考えても、答えは1つしかなかった。ティアナに出会わない道を選ぶという事。
だが、それを俺が選べるはずがない。記憶が残ったまま時が戻った今、ティアナを手放したくないに決まってる。
もちろん、また同じ道を辿りたいなどとは思っていない。ティアナが死ぬことだけは、絶対に嫌だ。
考えることをやめ、俺はティアナの元気な姿を見に行く事にした。
10歳のティアナを初めて見た。あまりに可愛くて、すぐにでも抱きしめたい衝動にかられる。
もしも、ティアナとの子が出来ていたら、こんな風なのかもしれない。
やはり俺には、ティアナがいない人生など考えられない。
―現在―
何度やり直しても、俺はティアナを手放す事が出来ない。必ず不幸にすると分かっていても……だ。
幸せにしたいただ一人の人を、愛すれば愛する程傷付けてしまう。
あのまま、ティアナの手で殺して欲しかったが、ティアナを人殺しにしなくて済んで良かったのかもしれないな。
……殿下が羨ましい。
殿下のようにティアナを愛する事が出来たら、どんなに良かったか。
コツコツコツと、地下牢に足音が響いた。誰か来たようだ。
「エリック・ホージー侯爵、あなたの刑が決まりました」
そう言われ顔を上げると、騎士団長が立っていた。一国の王太子を襲撃したんだから、公開処刑だろう。
「あれを持ってこい」
騎士団長に命令され、兵士がグラスに入った液体を持って来た。
「あなたにはこれを飲み、死んでいただきます」
……毒!? あれ程のことをしたのに、毒殺だと!?
「なぜですか? 毒殺など、罪に見合っていないではないですか」
「そうですね。あなたは、殿下を亡き者にし、ティアナ様を攫おうとした。公開処刑の後、さらし首になるのが妥当かと、私は思います。ですが、その殿下の意向です。殿下が国王様を説得し、毒殺となりました。ティアナ様に、あなたの死ぬ所を見せたくはないとの事です」
殿下、やはりあなたはズルイ。
「分かりました」
差し出されたグラスを受け取り、一気に飲み干した。
「ゴフッ………………ゴホゴホ…………」
苦し……
でも、やっとティアナの……ためになる事が……出来た……
最後に……自らそれが……出来た事が……うれ……し……い……
もしまた……生まれ変わって……も……
ティアナ……どうか……俺から……逃げてく……れ………………………………
エリックが捕まってから2週間後、刑が執行され、エリックは地下牢の中で亡くなった。
エリックに従った盗賊やならず者達は、同日死罪となった。
ティアナに薬を盛ったベントン侯爵家の使用人の罰は、ベントン侯爵に任され、侯爵が所有する鉱山へと送られ、寝る間も与えられずに働かされている。
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