2 / 15
私が側室!?
「私が、陛下の側室にですか!?」
いくら断る為だったとはいえ、1度口にしてしまったら、撤回する事は出来ません。
私が陛下の側室にならなかった事を、ドレステードが知ったら、同盟が破棄されるかもしれない。
ドレステードの国王は、それ程気性の荒い方だと聞いています。
そんな事になったら、せっかくカイト様が必死で戦って終わらせた戦争がまた始まるかもしれない。ドレステードとの同盟は、とても大切なものだということは、私にも分かります。
私には、断る選択肢が残されていません……
「陛下がお前の為を思って決断した事だ。」
陛下は私の為を思ってしてくれた事……それは分かっております。
他国の国王の側室になるよりも、この国で生きたい……そう思いました。
「……分かりました。陛下の側室になります。」
私は心を決めました。
カイト様を、ずっと待ち続けたかった。
どこかで必ず生きてる……そう信じてる。
でも、私は陛下の側室になります。カイト様、お許しください。
こうして私は、陛下の側室になる事になりました。ドレステードに側室にするつもりだと話した手前、早めに式を挙げた方がいいという事になり、お話を聞いてから1週間で挙式を挙げました。
あまりにも急に事が進み、心の準備も出来ないまま王宮の隣りの敷地にある離宮へと移り住む事になりました。
「君の住む部屋はここだ。何かあったら、すぐに私に言いなさい。」
用意された部屋は、離宮で一番大きな部屋でした。陛下の側室は、私を含めて3人います。後から側室になった私が、このような豪華な部屋をいただいてもよろしいのでしょうか?
「陛下、ここは私には贅沢過ぎます。私に気を使ったりしないでください。」
きっと陛下は、拒否する事が出来なかった私に、気を使ってくださったのですね。
「いや、君の部屋はここだ。この部屋は、王宮から一番近いから、君の顔が見たくなったらすぐに会いに来られる。毎日様子を見に来る。」
いつも優しくしてくださる陛下に、私は甘えてばかりですね。側室になったのだから、甘えてばかりはいられません。
今はまだ、カイト様への想いを消すことは出来ませんが、この気持ちは封印しなければなりません。
「今日からリサ様のお世話をさせていただく、メイドのルビーと申します。
私はリサ様の専属ですので、ご用があれば何なりとお申し付けください。」
ルビーは陛下が選んでくれたようです。とても気のつく子で、何でも器用にこなすスーパーメイドでした。
陛下は言葉通り、毎日会いに来てくださいました。
「ここの暮らしには慣れたか?」
2週間が過ぎた頃、陛下にそう尋ねられました。
「そうですね。皆さん良くしてくださいますし、陛下も私を気遣ってくださいますし、慣れて来ました。」
陛下に嘘をつきました。本当は、慣れそうもありません。
他の側室の方は口も聞いてくれませんし、王妃様は毎日嫌味を言いに来ます。
この部屋に住んでいることも、陛下が毎日会いに来ることも、他の方から見たら気持ちのいいものではないようです。
私と陛下はまだそのような関係ではありませんが、はたから見たら許す事が出来ないのでしょう。
「そうか! それはよかった!!
君がここの暮らしを、好きになってくれたら嬉しい。」
こんなに嬉しそうにしてくださっている陛下に、話す事は出来ませんでした。
今は陛下が私を気にしてくださっているだけで、その内陛下が私に会いに来なくなったら、皆さんの態度も変わるかもしれません。
今はその事よりも、カイト様の事を考える時間が辛い。待つ事が出来なかった私を、カイト様は許してくれるでしょうか?
陛下の側室になったのに、陛下に尽くすどころかカイト様の事を考えてしまう。
これでは、カイト様に叱られてしまいますね。
今の私は陛下の側室なのだから、沢山の事を学ばなければ。
急に側室になり、離宮へと移り住む事になったので、ここでのマナーやしきたりなどを学ぶ時間がありませんでした。
私の事を考えてくださる陛下の為にも、少しでもお役に立てるように頑張ろうと思います。
ルビーに頼んで、色々な資料を用意してもらった。ここには、この部屋以外に私の居場所はないので、ずっと閉じこもっています。
パーティーや夜会などの何かの集まりには、顔を出さなければならないので、先に王室のマナーを学び始めました。
学んだことは、すぐに役に立つことになりました。
王妃様から、側室全員がお茶会に誘われたのです。
あなたにおすすめの小説
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
《本編完結》あの人を綺麗さっぱり忘れる方法
本見りん
恋愛
メラニー アイスナー子爵令嬢はある日婚約者ディートマーから『婚約破棄』を言い渡される。
ショックで落ち込み、彼と婚約者として過ごした日々を思い出して涙していた───が。
……あれ? 私ってずっと虐げられてない? 彼からはずっと嫌な目にあった思い出しかないんだけど!?
やっと自分が虐げられていたと気付き目が覚めたメラニー。
しかも両親も昔からディートマーに騙されている為、両親の説得から始めなければならない。
そしてこの王国ではかつて王子がやらかした『婚約破棄騒動』の為に、世間では『婚約破棄、ダメ、絶対』な風潮がある。
自分の思うようにする為に手段を選ばないだろう元婚約者ディートマーから、メラニーは無事自由を勝ち取る事が出来るのだろうか……。
【完結】そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして
Rohdea
恋愛
──婚約者の王太子殿下に暴言?を吐いた後、彼から逃げ出す事にしたのですが。
公爵令嬢のリスティは、幼い頃からこの国の王子、ルフェルウス殿下の婚約者となるに違いない。
周囲にそう期待されて育って来た。
だけど、当のリスティは王族に関するとある不満からそんなのは嫌だ! と常々思っていた。
そんなある日、
殿下の婚約者候補となる令嬢達を集めたお茶会で初めてルフェルウス殿下と出会うリスティ。
決して良い出会いでは無かったのに、リスティはそのまま婚約者に選ばれてしまう──
婚約後、殿下から向けられる態度や行動の意味が分からず困惑する日々を送っていたリスティは、どうにか殿下と婚約破棄は出来ないかと模索するも、気づけば婚約して1年が経っていた。
しかし、ちょうどその頃に入学した学園で、ピンク色の髪の毛が特徴の男爵令嬢が現れた事で、
リスティの気持ちも運命も大きく変わる事に……
※先日、完結した、
『そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして』
に出て来た王太子殿下と、その婚約者のお話です。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。