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「貴様との婚約を破棄する!
俺はエルシアと結婚するからな!!」
やっと、やっとこの日がきた…
どれほど待ちわびただろうか
「…破棄ですか…。」
「あぁ、貴様にはうんざりだ!
愛嬌も俺への尊敬も無く、小言ばかり!
それに引き換えエルシアは俺に相応しい、
完璧な令嬢だからな!」
私の従姉妹であるエルシアの肩を抱き、
これでもかとばかりに私を見下すのは
私の婚約者であり、この国の第二王子である
ジレード・ラクレシアン様。
エルシアは王子の腕の中で尊敬の眼差しを向けている
本当に完璧ね、愛される様に振る舞う事だけは
まさか学園の卒業パーティーでこの日を迎える事になるとは思いもしなかったわ…
王国の全貴族、ましてや国王陛下の前で行うなんて
やっぱり2人揃って頭がお花畑なんですわね
まあ、私には都合が良い
これで誤魔化す事も、逃げる事も出来ないのですから
「殿下、恐れながら申し上げますが…」
「はっ!この期に及んで、泣き付く気か?」
泣き付く…?
誰が…、誰が泣くものですか!
貴方の為に流す涙などありはしない…っ!
それにまだ早い…もう少し、もう一手…
落ち着かなければ…
「…はぁ……いいえ、殿下。
婚約破棄の意思は承知致しましたわ。
私はもう殿下には必要無いと言う事で
間違い有りませんでしょうか?」
「フェリシア!待たぬか「ああ!!そうだとも!!貴様など、俺には必要無い!!」
国王陛下が口を挟もうとしたが、もう遅い
ジレード殿下は室内に響き渡るほどの大声で高らかに宣言したのだ
「……っ、……」
目を閉じ、ゆっくりと噛み締めるように実感する
私はこの賭けに勝ったのだ
これでやっと、彼の方の元へ向かう事が出来る
その身に広がる喜びを何に例える事が出来ようか
ゆっくりと目を開くと静かに涙が頬を伝った
「っ?!…や、やっと事の重大さを理解したようだな!今更泣いても、もう遅いがな!!」
今まで一切表情を崩さなかった私の涙に周囲が響めき、王子も動揺していたがすぐにどうだ、とばかりの
馬鹿面で笑みを浮かべる
そんな事はどうでも良い、早く事を動かさねば
「まぁ、反省するのであれば、今まで通り俺の雑務くらいは…「お聞きになりましたでしょう、国王陛下。」
馬鹿面で何か言おうとしていた王子を遮り
私は陛下へ問いかける
「…う、うむ…」
「国王陛下、はっきりとジレード殿下は仰いましたわ。
私は必要無いのだと。」
「…そうではあるが…、待ちなさい…。」
「待ちましたわっ!私はこの5年間っ!
この時を待ったのでございます…!陛下っ…!!」
「遮りおって!俺を無視するな!!
そういう所が気に入らんのだ!!!
5年とは?何の話だ!!」
そう、5年よ…
この馬鹿王子の婚約者になってから
解放されるこの日が来る事だけを信じ
勝利を掴む為にずっと耐え忍んで来たのですから
…………………………………………
初めての投稿になりますので
色々と不手際があるかと思いますが
暖かく見て頂ければと思います
ざまぁの結末はもう少しお待ちを
次回からはここに至るまでのお話です
俺はエルシアと結婚するからな!!」
やっと、やっとこの日がきた…
どれほど待ちわびただろうか
「…破棄ですか…。」
「あぁ、貴様にはうんざりだ!
愛嬌も俺への尊敬も無く、小言ばかり!
それに引き換えエルシアは俺に相応しい、
完璧な令嬢だからな!」
私の従姉妹であるエルシアの肩を抱き、
これでもかとばかりに私を見下すのは
私の婚約者であり、この国の第二王子である
ジレード・ラクレシアン様。
エルシアは王子の腕の中で尊敬の眼差しを向けている
本当に完璧ね、愛される様に振る舞う事だけは
まさか学園の卒業パーティーでこの日を迎える事になるとは思いもしなかったわ…
王国の全貴族、ましてや国王陛下の前で行うなんて
やっぱり2人揃って頭がお花畑なんですわね
まあ、私には都合が良い
これで誤魔化す事も、逃げる事も出来ないのですから
「殿下、恐れながら申し上げますが…」
「はっ!この期に及んで、泣き付く気か?」
泣き付く…?
誰が…、誰が泣くものですか!
貴方の為に流す涙などありはしない…っ!
それにまだ早い…もう少し、もう一手…
落ち着かなければ…
「…はぁ……いいえ、殿下。
婚約破棄の意思は承知致しましたわ。
私はもう殿下には必要無いと言う事で
間違い有りませんでしょうか?」
「フェリシア!待たぬか「ああ!!そうだとも!!貴様など、俺には必要無い!!」
国王陛下が口を挟もうとしたが、もう遅い
ジレード殿下は室内に響き渡るほどの大声で高らかに宣言したのだ
「……っ、……」
目を閉じ、ゆっくりと噛み締めるように実感する
私はこの賭けに勝ったのだ
これでやっと、彼の方の元へ向かう事が出来る
その身に広がる喜びを何に例える事が出来ようか
ゆっくりと目を開くと静かに涙が頬を伝った
「っ?!…や、やっと事の重大さを理解したようだな!今更泣いても、もう遅いがな!!」
今まで一切表情を崩さなかった私の涙に周囲が響めき、王子も動揺していたがすぐにどうだ、とばかりの
馬鹿面で笑みを浮かべる
そんな事はどうでも良い、早く事を動かさねば
「まぁ、反省するのであれば、今まで通り俺の雑務くらいは…「お聞きになりましたでしょう、国王陛下。」
馬鹿面で何か言おうとしていた王子を遮り
私は陛下へ問いかける
「…う、うむ…」
「国王陛下、はっきりとジレード殿下は仰いましたわ。
私は必要無いのだと。」
「…そうではあるが…、待ちなさい…。」
「待ちましたわっ!私はこの5年間っ!
この時を待ったのでございます…!陛下っ…!!」
「遮りおって!俺を無視するな!!
そういう所が気に入らんのだ!!!
5年とは?何の話だ!!」
そう、5年よ…
この馬鹿王子の婚約者になってから
解放されるこの日が来る事だけを信じ
勝利を掴む為にずっと耐え忍んで来たのですから
…………………………………………
初めての投稿になりますので
色々と不手際があるかと思いますが
暖かく見て頂ければと思います
ざまぁの結末はもう少しお待ちを
次回からはここに至るまでのお話です
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