ウンコブリブリ無双! 〜クソ漏らしのせいで勇者パーティを追放されたおれが最強のチートスキル無敵うんこ漏らしを手に入れて世界を救うまで〜

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第2話 酒と罵倒と殴り合い

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 その晩おれはひとり酒場へと足を向けた。
 つってもいつもひとりだけどよ。
 オーティたちはクソ漏らしと飲むと酒がまずくなると言っておれをのけ者にしやがるからな。

 しっかしよくもまあこのご時世に酒場なんてやってるよ。
 いつ人類が滅ぶかわかんねえってのによ。
 なんせいまや世界の大半は魔の領域だ。
 百年前に突如として現れた魔王が人類撲滅を宣言して、それからじわじわ侵略を続けた結果、おれたちは大陸の端っこに追いやられちまった。
 人間の土地は最盛期の五分の一、人口は十分の一以下だってよ。

 つーか酒があるってことは酒を作るヤツがいるってことだよな。
 よくやるねえ。
 ま、おかげでうまい酒が飲めるからいいけどよ。

 おれは店内の飲んだくれどもに軽く挨拶をし、マスターに酒と肉を注文した。
 ふだんなら馴染みのヤツを探して同席するが、今日はひとりで飲みたかった。

 けどヤツらはバカで、騒ぐのが好きだから、クソにたかるハエみてえにすぐ寄ってきやがる。

「よお、ベンデル。おまえ追放されたんだって?」

 げっ、もう知れてんのか。
 まだ一時間も経ってねえぜ。

「がははは! しょうがねえよなあ! おれだっていやだぜ! 仕事中にクソ漏らすようなヤツはよお!」

 うるせえなあ。
 落ち込んでんのが見えねえのかよ、クソどもが。

「しっかしどんだけクソすんだよ! ふつうそんなに出ねえぜ!」

「もしかしてうんこの魔法使いか!? クソ使いか!?」

「まあ生きてりゃいろいろあるさ。気にするなよ。つっても無理か」

「おまえのケツどーなってんだよ! もしかしてオカマ掘られてゆるゆるなのか?」

「あははは! そーかー! おめえケツ掘られてゆるゆるかー!」

 ヤツらは寄ってたかって好き放題言いやがった。
 大半はおもちゃにしに来たらしい。
 おれはウェイターから受け取った濃い酒を水みてえにぐびぐび飲み、生なかな返事で受け流していた。

 でもその飲み方がいけなかった。
 空きっ腹にぶち込んだ酒は、ろくに味わってもいねえのに、一気におれをカーッとさせた。

「うるせえな! こっちァ落ち込んでんだ! 汚ねえ冗談言うんじゃねえ!」

「なにい!? 汚ねえのはてめえだろうが! このクソ漏らし!」

「ああン!?」

「聞こえなかったかクソやろう! クソ漏らしって言ったんだよ!」

「もっぺん言ってみろ! ぶち殺すぞ!」

 おれは椅子を蹴飛ばして立ち上がり、酔客の胸ぐらをつかんだ。
 なめやがってクソやろう!
 クソやろうはてめえだ!

「調子乗ってんじゃねえぞクソ漏らし!」

「ぐっ!」

 やろう、頭突きをかましてきやがった!
 しかもそれでひるんだところに、

「だれをぶち殺すって? おら!」

 豪快な右フックを打ち込まれた。
 ちくしょう! やりやがったな!

「おーおー、きれいな顔が腫れちゃうなあ! ケツだけじゃなくて顔まで汚くなっちまうのか! わははは!」

「このやろおっ!」

 おれはすぐさまやろうをぶん殴った。
 殴られたら殴り返す、当然のこった。
 それにおれは顔のことを言われるのがきらいだ。
 男らしくねえ細面ほそおもては、クソさえ漏らさなきゃモテモテだな、ってよくからかわれる。
 だからこんな汚ねえ言葉遣いになっちまったのかもな。
 なるべく荒っぽくした方が男臭えからよ。

 しかし相手も勇者のひとりだ。
 おれは強えが、一撃で沈めるとまではいかなかった。

 そのうえヤツの仲間まで立ち上がって、

「クソ漏らし! よくもおれたちの仲間を!」

 と酔ったいきおいで飛び込んできやがった。

 なんども言うがおれは強え。
 クソさえ漏らさなきゃかなりのもんだろう。
 けどさすがにごちゃごちゃした店内で複数に囲まれちゃきびしいね。

 おれはボコボコに殴られた。
 もちろんヤツらも半殺し手前まで殴り飛ばしてやったが、最終的には転がされてキックのまとだ。

「このクソ漏らしめ!」

「おらあ! 汚ねえクソしやがって! 勇者の恥晒しがよお!」

「腹は蹴るなよ! うんこが漏れちまうからな! わははは!」

 ちくしょう! ちくしょう!
 こんなヤツら一対一なら数秒で息の根を止めてやるってのによ!

 おれは酒の影響もあってか、なんだかぼやあっとしてきた。
 眠いような、妙に薄暗い意識だ。
 あ、まぶたが降りてきてる。
 気絶するんかね?

 そんな、夢を見ているような意識と痛みの中、

「あなたたち、やめなさいよ!」

 どこからか女の怒鳴り声が聞こえた。
 するとクソやろうどもの動きが止まり、なにやらぺこぺこ頭を下げていた。
 そしておれの体を持ち上げ、よっこらせと元の椅子に座らせてくれた。

 そんでどーするつもりだい?
 おれが飲めるように見えるか?
 まっすぐ立つこともできねえんだぜ?
 しかもウェイターのやろう、いまさら料理を運んできやがって、なんだい、うまそうじゃねえか、でも、もう、意識が……
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