クトゥルフちっくな異形の子等の日常~番いと「花嫁」を添えて~

琴葉悠

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寄生する異形~巨大ロボットに寄生~

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「あー本当腹立ってきたロナクとニルスの事が?」
「そっちも、実は私もなのよ」

 世界の果てで、二人の「フエ」は語り合う。

「そっちのロナクとニルスもなんかしたの?」
「いやぁ、ロナクの駄々こねに反応したニルスが悪徳業者というかそういった連中を破滅させて異形化させたの……」
「うちもうちもー!」
「マジで?」
「うん、マジマジ!」

 二人の「フエ」は盛大にため息をつく。

「どうしてロナクはああなのかなぁ」
「父親の異形性がねじ曲がってああなったのかな?」
「それもあり得るよねー……」

 再び盛大に息を吐く二人。

「やめやめ、彼奴の話は、ねぇそっちで何か面白いことなかった?」
「面白いかどうかはわからないけどこんなのあったよ」

 フエの問いかけにもう一人の「フエ」は語り始めた──




「新型のアームドが全部盗まれた?」
「そうなんです、カメラを見ても全て黒く塗りつぶされていて映っておらず……」
「……わかりました、承ります。ただし、新型のアームドが全て使い物にならなくなって発見されても保証はできません」
「構いません、お願いします」
「分かりました、では」

 依頼人が居なくなると、零は少し上を見る。

「フエ」
「はいはいーフエちゃんですよー、零さん」

 ずるりと黒い染みのような場所からフエは現れ、フエが床に下りると染みは消えた。

「あのおじさんの会社の倉庫見てきたけど、人間の仕業じゃないね」
「つまり、異形だと? 異形がわざわざアームドを集める理由が分からん」
「場所に行けば分かると思うよ?」
「場所?」
「今、盗まれたアームドがある場所に行けば」
「場所は何処だ」
「火星」

 フエの言葉に、零は額に手を当てた。

「となると、お前達のワープ能力を借りないといけないな」
「大丈夫、バッチリ支援するから」

 親指を立てるフエに零は疲れたように息を吐いた。




「火星までいくんですね」
「全く、時間がかかるからフエの能力で宇宙空間でたら飛ぶぞ」
「それが早いな」
「ええ、そうですねぇ」

 宇宙艇にアームドと共に乗り込んだ四名は宇宙艇を飛ばし宇宙空間へと出る。
 宇宙艇は直ぐさまワープし、火星目前に出た。

『そのまま火星に下りて──』
「分かった」

 零は連絡をしたが着地地点から危険地帯になっていると警告を受ける。
 だが、フエが現れ、転移で火星に宇宙艇を着陸させる。

「アームドに乗り込んで」
「ああ」

 皆アームドに乗り込み、外にでると、何かうねうねとした物体が絡みついている新型のアームドから防衛しているアームド達が居た。
 劣勢なのが分かった。

「慎次、レオン、ニルス!」
「了解」
「了解しました」
「畏まりました」

 新型のアームドの所へ突撃する三名のアームド。
 弾丸を避け、一体ずつ、地面に沈め、アームドに寄生している物体を捕食していく。
 零は他のアームドに混じり射撃で援護する。

 しばらくして、異形に盗まれた新型のアームド達は沈黙した。




「火星を侵略する為にアームドを盗んだのか、しかし異形ならそんなの必要なかったんじゃないか?」
「寄生するしか能がない異形だったからね、アームドの新型で制圧してから人に寄生していこうとしたんじゃない?」
「なるほど……寄生されたら救えないか?」
「いんや、マヨイと私でどうにかできる」
「なら大丈夫だな」
「ところで、報告はどうだったの?」
「火星支部があったらしくてな、本社の盗まれた新型のアームドと確認してもらったよ、それで報酬はもらえた」
「ふーん」
「向こうは何故火星にこんな短期間でと頭を抱えていたが異形のことは伏せておいたよ」
「それが一番」

 会話を終えると、零はベッドに横になった。

「無理して疲れた?」
「ああ、転移二回にそのままアームドで戦うなど大変だ」
「なるほど」

 フエは零の頭を撫でた。

「お疲れ様ゆっくり休んでね」
「ん」

 零はそう言って目を閉じて眠り始めた──




「と言うことがありまして」
「え、零さんに何もしなかったの?」
「何かしたら慎次に告げ口される」
「ああ……わかる」

 二人の「フエ」は「浮気者」と自分を怒る柊の姿を想像した。

「柊さんに『浮気者』言われるのは堪えるわぁ」
「私もー」

 二人は頷き合った。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「そうだね」

 そう言って二人の「フエ」は世界の果てから離れていった──





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