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イライラの元~本体への攻撃~
しおりを挟む「ん゛ー……」
その日、フエはベッドの上でもだもだしていた。
「フエ、どうしたんだい?」
「なんかイライラする」
フエは顔を上げて柊に言うと、もう一度ベッドに突っ伏してもだもだと動き始めた。
「何をしているフエ」
「あ、紅姉さん、なーんかイライラしてて……」
「本体の方に何かあったんじゃないか?」
「……ちょっと本体の所行ってきます」
フエはベッドから起き上がり、姿を消した。
「やっぱり異物が来てやがったか!」
本体の眠る場所の天蓋と四つの玉に攻撃を加える異形が居た。
「安眠妨害すんな!」
黒い触手の集まりのような異形をフエは黒い肉壁で包み込み捕食する。
しばらくジタバタともがいていたが、やがて喰われた。
「全くここに居る異形は歌ったり音楽奏でるしか能がないからなぁ……」
フエはそう言ってジト目で何もできずに居た異形達を見る。
「もっと結界強固にしておこう」
フエは天蓋と四つの玉の結界を強固な者にした。
それに満足し終えると、そのまま帰って行った。
「ただいまー」
会議室にフエは戻って来た。
「どうだった?」
「黒いうじゃうじゃな奴が私の本体たたき起こそうと攻撃し始めてた」
「何だと?」
フエの言葉に、紅は眉をひそめる。
「あ、でも、捕食したし大丈夫だよ」
「それなら良いが他は?」
「他はなんとも無かったよ、半径一億光年を感知したけど問題なかったし」
「そうか……まぁ、イライラの原因が分かって良かったな」
「うん」
「で、異形性の発露は」
「今のところ起きてない」
「なら、ちょうど良い」
「?」
紅の言葉にフエは首をかしげる。
「慎次から連絡が入ってな『俺では食い切れん異形が出た、押さえ込むのがやっとだ』とのことだ」
「慎次は零さんといるじゃん、やっべ!」
フエはその場から飛び上がり姿を消した。
「……相変わらず花嫁が絡むと慌ただしい子だ」
と、呆れたように紅は呟いた。
「ちっ、何だこいつらは」
「慎次大丈夫か?」
「押さえ込むのが手一杯だ」
人気の無い廃ビルの中で、零と慎次は共に居た。
慎次は何かの異形を抑え付けているようだ。
「じゃっじゃじゃーん! 呼ばれましたよフエちゃんです!」
「空気読め」
明るくテンションを上げて現れたフエに慎次は冷めた声で呟いた。
「うるさいなーそれより異形は?」
「そこだ」
無数の手で押しつぶされている異形を透視してフエは驚いた。
「私の本体起こそうとした異形と同じじゃん!」
「マジか」
「肉片残らず喰らい尽くしてやる」
フエはそう言って黒い肉癖で慎次の影を包むと慎次は影を消失させた。
するとジタバタともがき始めた。
「世界破壊企んでんじゃねーよ、このくそ異形!」
フエはそう言うと肉癖は異形を捕食してしまった。
「うっぷまっず!」
「口直しにお茶会するか?」
「あーそうだね、異形性発露してないし、お茶会でいいか」
「それじゃあ帰るぞ」
零と慎次の後を追い、フエは事務所へと向かった。
そこで軽くお茶をして、そしてニルスを呼びつける。
「ニルス、今回の異形アンタがなんかした?」
フエはじとりとニルスを睨み付けた。
「恐れ多いですが我が主を目覚めさせる等とんでもないことはいくら、破滅と混沌を好む私でもいたしません」
「となると、あの異形は?」
「この間貴方様が眠りについたときに生まれたのではないかと」
「マジか」
「異形の多くが破滅と混沌を望みます、お忘れ無きよう」
「アンタもその一人なの、忘れんからね!」
「これは手厳しい……」
「あーあ、本当休眠期に入るのどうにかならんかなぁ」
フエは疲れたようにいいその場を後にした。
「気づいてないようですが、貴方自身が破滅と混沌を望んでいる一面がある事が異形を生み出している……」
「まぁ、私が言ったところでどうにもなりませんがね」
ニルスはにたりと笑ってその場を後にした。
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