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うっかりミス~国が滅びるレベル~
しおりを挟む『××国への侵略行為はまだ終わりが見えず──』
「いい加減にして貰いたいものだな○○国には」
と、思わず零はテレビを見てつぶやき、そして慌てて口を塞いだ。
しかし、時すでに遅し。
「よーし、○○国をぶっつぶそー!」
とフエが現れ姿を消した。
「あ、ああ……」
零はやっちまったと言わんばかりに頭を抱える。
「零、らしくねぇ失敗だが、人間味があっていいぞ」
「そんなフォローはいらぬ」
慎次のフォローに肩を落とす零。
「じゃあ、俺も呼び出し喰らったからいってくる、大人しく待ってろ」
「あまり派手に動くなよ……」
それから数時間後、テレビで──
『○○国が謎の壊滅状態に陥りました! 現政権の政治家、首相、官僚は全員死亡、生き残っているのは、侵略行為に反対した活動家達と、反対した民衆だけだそうです!』
「あの大国を壊滅にしたとか本当何したんだ、彼奴ら……」
「大虐殺?」
「止めなさい」
現れたフエに、零は嫌そうな顔をする。
「戦争反対している人以外はみんな死ねって呪いかけたらたくさん死んじゃった」
「……だろうな」
「ついでだから△△国にもいってくるー」
「ちょ、待ちなさい‼」
△△国は独裁政権で有名な巨大国家だ。
そこで何か起きたら──
零は頭が痛くなった。
翌日、テレビを見ると特番が組まれていた。
『△△国の国民、官僚、政治家のほとんどが死亡する謎の事件が起きました。警察も死亡者ばかりで調査もできず、国連が調査に乗り出しています』
「……」
『また各国で暴動を起こしていた移民が謎の変死を遂げました、警察が調べましたが毒など検出されず──』
「ふ、え」
「はぁい、零さん!」
のんきな声で言うフエに、零はテレビを指さして行った。
「やり過ぎだ!」
「だってさー他の人に迷惑かけるような輩なんていない方がいいでしょう?」
「だからってやり過ぎだ! △△国も多大な迷惑をかけられたが、移民も今問題になってるがやり過ぎだ!」
「大丈夫だよー呪いで死ぬだけだから」
「どんな風に?」
「『お前はこれまでの行いでこれから10秒以内に死ぬ、覚悟せよ』って頭の中に響かせて順々に死なせていくの」
「……」
「最初は戸惑ってたけど、後半になると発狂してさぁ『助けてくれ!』『死にたくない!』って言うんだよ、面白くない?」
「面白くない! 二度とするな!」
「それはできない相談だ。だって──」
「私達は異形の子、人間を破滅させずには、殺さずにはいられないんだもの」
フエの言葉に、零はどこか辛そうに唇を噛んだ。
「零さん不機嫌そうだったなぁ」
フエは住処の会議室で不満そうだった。
「そりゃあそうだろう、それ以上の事をやってきたんだ」
「でも、世界情勢が一気に良くなって万々歳だよ!」
「……フエ」
「慎次、なぁに?」
「……『嘘つき』連中と『裏切り者』連中も殺してきただろう」
「バレた?」
「俺と紅にはな。零にバレたら当分口聞いてもらえなくなるぞ」
「えー!」
「テレビはめったに見ないが、新聞でバレたらどうする」
「バレないように殺したから大丈夫大丈夫」
「やれやれ……」
慎次はあきれのため息をついた。
異形は破滅と混沌をもたらす存在。
故にその子等である異形の子も、破滅と混沌を本質的には望んでしまう──
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