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能力発揮
俺の後をライアンが息を切らして追っかけてくる。
「一人でどうにかするつもりか?! 無茶だ!!」
「うるせぇ!! 一人でもやるんだよ、アドリアは俺の大事な存在だ!!」
ライアンに向かって吐き捨てるように叫んで、走る。
見知らぬ山の中なのに、道が分かる。
どこをどう通ったら大丈夫なのか理解できる。
何故かと考えたがすぐにやめた。
アドリアが大切だったから。
洞窟らしき場所に入り、中へと突撃する。
ならず者連中が短剣やらの武器を持っているが、俺はそれをかわして全員をたたきのめして奥へと進んだ。
アドリアの気配が奥から感じられたから。
「彼女に手を出すな!」
「だったらお前が言うことを聞くんだな」
アドリアの声が聞こえた、俺は扉をぶち破り、ナイフを当てられている女性と、アドリアがいた。
「ライアン、ガイ?!」
驚愕するアドリアを見て、アドリアを踏みつけている副町長らしき野郎と、ナイフを持っている野郎に空の瓶を顔面にぶつけて昏倒させてやる。
「アドリア、無事か?!」
「ガイ、どうやってここ──」
「いや、お前の痕跡がなんとなく見えて……」
そこまで言うとアドリアが顔を赤くした。
「えっとそれよりも彼女だ、ライアン、彼女は無事か?」
「ああ、秘書さんは無事だぜ」
「取りあえず帰るが……これで分かっただろう、アドリアは町には滞在できない」
「そんなことは……!!」
「子ども達が言ってたよ、母親は警戒してるとかな、所詮その程度なんだよ。お前が言う皆が受け入れたってのは。表面上なんだよ」
俺はアドリアを背負う。
「だ、大丈夫だ、歩ける」
「いいから」
俺はそう言って洞窟から出るとライアンに言った。
「いいか、人のみならず、ほとんどが異物を排除したがるんだ。異物を異物と認識してる限りな。分かったら、諦めろ。町の人間はアドリアを異物として認識してる奴らが多すぎる」
俺はそう言って、町とは違う方向──アドリアの城へと走って行った。
相変わらず、体は軽かったし、アドリアも軽く感じられた。
城に着き、アドリアを下ろす。
「……疲れてないな、何でだ?」
スポーツマン以上の運動をしたのに、全く体が痛くならないし、疲れもしないのだ。
首をかしげていると、アドリアが顔を赤くしたまま俺を見た。
「どうした?」
「ま、前、話しただろう……お前の能力は『好いた相手と添い遂げ、守る』……という物だ……それが出たんだろう」
「……ああ!」
納得がいった。
アドリアが危機的状況だから俺はアドリアを守る為に場所を感知できた。
そして邪魔な連中をぶちのめせた。
そして、アドリアを守って、無事城まで帰宅する事ができた。
種が分かれば簡単だった。
最も手品のように上手くいくものではない。
俺の力はアドリア限定だ。
アドリアが危機にある時だけ能力が使える。
ぶっちゃけると能力を使う状況がない方がいい能力だ。
「本当無事で良かったぜ」
「……もう、あの町には行かない方がいいな」
「そうだな」
アドリアの悲しそうな言葉に、俺は同意して抱きしめた。
帰路についた俺は、アドリアに両親の墓へと案内された。
城の庭にある小さな墓、これがアドリアの両親の墓だ。
「私は……人と暮らすことなどできないのだろうか……」
「できる、俺がいるからな」
「……」
アドリア俺にすがりついて来た、そして泣き始めた。
すすり泣くアドリアを、俺はただ抱きしめ続けた──
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