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「闇市」での買い物
「闇市?」
町に行かないというアドリアが何処で買い物をしているか尋ねた所そんな言葉が出てきた。
「闇市とは名ばかりで日常品等を売ってるよ」
「そこで購入するのか? 危険は?」
「無い。魔の血が入ってる物達が集まって売りに出してる場所だからね」
「あーつまり……」
「穏健派の集まりさ。魔王が現れたのが原因で、穏健派は皆普段は姿を潜めている」
「……何で魔王は現れた?」
「愛した聖女を魔女として殺されたから」
「……」
アドリアの言葉に、人とは業が深い生き物だと実感させられた。
「穏健派も気持ちは分かったよ、魔王の気持ちが。でもだからと言って人間全てを滅ぼすのは良いことではない」
「結局魔王の連中も同じことをしちまったと?」
「ああ……」
アドリアの深いため息に、俺は何か言う言葉が見つからなかった。
歴史は繰り返す。
そんな言葉が頭をよぎった。
「アドリア、俺も言っていいか?」
「構わないが……そうだな、ローブで全身を隠してくれ、なるべく姿を見せないように」
「分かった」
アドリアからローブを受け取り、フードを被って顔を隠す、ついでに眼鏡も貰った。
アドリアも同じような格好になった。
たくさんの物が入る魔法袋を手に持って、アドリアは転移魔術を発動させる。
角が生えた人や、皮膚がうろこ状の人等、アドリアよりも明らかに人ではない人物達が行き来していた。
「へー……」
「私はいつもの所で買い物をしてくる。ガイ、お前も何か好きなのを買うと言い、先ほど金は渡しただろう」
「おお、分かったそうする」
俺はふらふらと適当にふらつくことにする。
アドリアから貰った眼鏡で商品を見れば勝手に俺の世界の何に相当するか教えてくれる。
──お、梅も売ってる、買っていこうかな?──
ライの実とかかれているその実を二袋分買い、歩き回って氷砂糖もゲットし、酒も購入した。
念のため、空の瓶を購入して置いた。
無かった場合を考えて。
「さてそろそろ帰るか」
「そこのお兄さん」
緑色の髪と肌の女性が俺に声をかけてきた。
「良かったらお守り見ていかない?」
「お守り?」
よく見ると、ペアルックのブレスレットが売られていた。
眼鏡にも「お守り、効果抜群、不具合無し」と書かれていた。
「じゃあ、その金色の石埋め込んでるのくれよ」
「太陽石だね、縁起物だよお兄さん」
女性に金を払い、俺はその二つを受け取った。
待ち合わせ場所に着くと、アドリアは既についていた。
「悪い遅くなった」
「いいんだ……それより、強い魔力を感じるが何を買った?」
「あーブレスレット?」
そう言って俺はアドリアの手にブレスレットをはめる。
「これは……」
俺もブレスレットをはめてにっと笑う。
「どうだ、おそろいだろう?」
「……これを売った相手は?」
「緑髪に緑の肌のねえちゃんだったぜ」
「……加護作りのドライアド、レイシ」
「有名なのか」
「ああ、だが魔王に殺されたという噂があったのだが、生きていたとは……!」
「え?」
「店は何処に?」
「あーさっきまであそこに……でも俺がブレスレット買うと姉ちゃんすぐ店じまいしちまったな……」
「……安寧を求める者たちにのみ売る加護作りのレイシ……一体何故」
困惑するアドリアに俺は答えた。
「俺がアドリアと幸せに暮らしたいからそれに応じて現れてくれたんじゃねぇの?」
「そうか……そうなら、嬉しい限りだ……」
アドリアはブレスレットを撫でて泣いて喜んだ。
後で聞かされたのだが、かつて彼女が住んでいた住まいは焼き焦げにされていたそうだ。
だから、皆が死んだと思っている。
元々姿があまり有名では無いから死んだと思っているのではないかとアドリアは言った。
俺もそうだといいなと思った。
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